2020年に買った新譜

2020年ももうすぐ終わりですが、2020年のベスト!というわけではなく、正直いつも旧譜ばっかりで新譜ほとんど買っていないので、今年買った新譜の感想全部述べていきます。


1. Military Shadow  Blood For Freedom

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国産メタルパンク・メタルコア(昭和タイプ)の1stアルバム。前に出ていた"Metal Punk Iron Fist"はEP扱いのようなので、こちらが1stらしいです。正直僕はパンク・ハードコアにはかなり疎い人間で、メタルコア系だとPoison ArtsやGustankみたいなあまり邪悪じゃなく、メロディー要素が強いバンドが好きなのですが、彼らの場合、半端ない邪悪さを持ちつつもメロディー面においても素晴らしいものがあるので好きなサウンドですね。前作での荒々しい音質も好きでしたが、かなりかっちりしたこのアルバムの音質も個人的には結構好きです。ギターの音がよくとれていますね。特にメロディアスなギターソロは今まで以上に凄まじいので、お門違いかもしれないのですが、メロデスリスナーにも聞いてみてもらいたいなと思いました。


2. Pendragon  Love Over Fear

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イギリスのポンプ・シンフォプログレバンドの最新作です。ここ数年はずっとモダンでヘヴィーなことを志していたのであまり期待していなかったのですが、この幻想的なアートワークと「原点回帰した!」とのポップアップにひかれて聞いてみたところ、非常にファンタジックなシンフォプログレが飛び出してきて最強になりました。マジで"The Window Of Life"や"Masquarade Overture"のころのサウンドです。ボーカルの声質とかもあまり変わっていないのも素晴らしいですね。ただ、あの頃よりほんのり枯れた魅力みたいなのも加わっています。これは本当に傑作だと思いました。


3.Throne Of Iron  Adventure One

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マークシェルトン(Manilla Road)の死に影響を受けて結成されたらしい、アメリカのエピックメタルバンドの1stアルバム。サウンド的にはやっぱりマニラロードで、具体的には"Open The Gate"や"Deluge"あたりですね。まあつまり、ミドルテンポからアップテンポくらいのリズムで繰り出される、あんまり抑揚のない感じのエピックメタルです。正直結構地味かもしれませんが、個人的には好きでした。でも、もし2020年にリリースされたエピックメタルを1枚だけ買うとしたら、これじゃなくてCirith Ungolを買ってほしいかもです。マニラロードのファンには結構おすすめでしょうか。


4. Cirith Ungol Forever Black

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2020年エピックメタル最強アルバムですよねこれ。Cirith Ungolといえば80年代から90年代初頭にかけてアルバムを4枚リリースし、Manilla Roadと並びカルト的な人気を誇っていたエピックメタルバンドですが、数年前くらいに再結成しライブ活動を再開、そして今年にアルバムをリリースしてくれました。リリースされたのが4月ごろとちょうどコロナがやばくなり始めていたころだったので、中々国内に入ってこずやきもきした思い出があります。彼らのサウンドスタイルは、基本的にはブルージーなハードロックが根本にあり、そこに異常シャウトボーカルが乗るという感じで、4枚目はサウンドが急に正統派メタリックになりましたが、このアルバムはどちらかというとブルージーさを取り戻しており、かといって4枚目にあったドラマティックさも兼ね備えており、本当に素晴らしいです。かなり気合が入ったサウンドながらも、アルバム自体は40分で終わるところも最高ですね。


5. Black Sword Thunder Attack  March Of The Damned

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ギリシャのエピックメタルバンドのEPです。まずバンド名がやばいですね、ブラックソードサンダーアタックって....中学2年生が考えた必殺技の名前みたいですが、内容は最高....これは....なんというか....完全にLordian Guardリスペクトスタイルだと思います。ボーカルは魔女っぽい感じの女性、演奏もしけた感じがあり、曲もメロディアスでドラマティックでと....マジで完全にLordian Guardです、最高。なお、本家はドラムが打ち込みだったと思うんですが、こちらは多分生ドラムなので、本家よりもちゃんとバンドっぽさがありますね。Lordian Guardファンには聞いてみてもらいたいですね。


6. Eternal Champion  Ravening Of Iron

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アメリカのエピックメタルバンドによるセカンドアルバムです。なんでもPower Tripのメンバーがやっているバンドらしいですが、一切そうは思わせないのが素晴らしいですね。1stの時点でマニラロードなどを思わせる、いい意味であか抜けないエピックメタルでしたが、こちらは演奏やボーカルは変にヘヴィーにはならずに、純粋に曲作りがよくなっているように感じます。コード進行などに以前よりもメロディーを感じていいですね。個人的には圧倒的に前作よりも好きです。なお、このジャケットはRainbowのセカンドの人らしいですね、驚き....


7. White Magician  Dealers of Divinity

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アメリカのエピック?メタルバンドの記念すべきファーストアルバム。今まで5曲入りのEPとスプリットシングルをリリースしてきましたが、ここにきてついにフルアルバム!別名義のDemon Bitchはエピックながらもスピーディーなサウンドを志しているように感じましたが、こちらはハードロック的なシケを目指しているのかなと思います。デビューEPでBlue Oyster Cultのカバーをしていましたが、今回のジャケットもなんとなくBOCっぽいですし、BOCのオカルトっぽさも結構感じますね。暗いのにめちゃキャッチーなのもよく考えたらBOCっぽいかもしれない.... 個人的にはエピックファンだけでなく、BOC好きな人にも聞いてみてもらいたいと思いました。


8. Outbreak Riot  Riot Of Violence

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埼玉、東京で活動するスラッシュメタルバンドの2ndアルバム。ほんのりハードコアっぽさも感じさせる強烈な疾走感に、かなりタフにメロディーも歌うことができるボーカルと非常にテクニカルなツインリードが合わさるサウンドです。ギターの2人もかなりのシュレッドスタイルとややハードロックさを感じさせる雰囲気とキャラ分けがなされており良いですね。個人的には、Xを思わせるMy Fair Ladyがお気に入りです。アンダーグラウンドシーンはなんとなくXっぽさを忌避しているように今まで思っていたのですが、これをきいて、こういう曲もやっていいんだなと感銘を受けました。


9. 泥虎-Deadra-  Riot Thrashers from FxOxF

泥虎


東京や横浜で活動する若手スラッシュメバルバンドのデモ音源。非常に強靭かつクランチーなギターリフが特徴的です。この音源をリリースしたときはトリオ編成だったのですが、最近になって新たにギタリストが一人加わり、元々非常に強力だったライブがさらにやばくなりました。このバンドの本質はライブなのかなと感じているので、ぜひ東京のスラッシャーはライブを見てほしいですね。あと4人編成での音源も待望しています。泥虎の皆さん、よろしくお願いします。


10. Primal Fear  Metal Commando

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ドイツのヘヴィーメタルアーミー、プライマルフィアの13枚目のアルバム。相も変わらずラルフ・シーパーズの声が強力な、80年代メタルを現代風にアップデートしたサウンドで安心感がありますね。ただ、個人的には、前々作の"Deliver Than Black"の方が好きかもしれません....なんだろう....難しいですね....なんとなく単純に記憶に残るサビは以前の方が多かったような.....ただ、かっちょいいことには変わりないです。


11. Serenity The Last Knight

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オーストリア(オーストラリアじゃないよ、東の帝国の方!)のシンフォメタルバンド、セレニティーの7枚目のアルバムに前作"Lionheart"で初めてこのバンドを知り、結構はまって過去作も漁っていたバンドでして、このアルバムも非常にリリースを楽しみにしておりました。いざ聞いてみたところ、素晴らしい内容だったのですが、個人的には前作やその前の前の"Age Of Glory"の方が好みだったかも....非常にキャッチー且つコンパクトで楽曲の出来も過去作と同じくらい高水準なのですが、難しいですねこれは....あくまでこのバンドの過去作と比べると個人的には前の方が好きかな....という感じで、実際クオリティーはすさまじいので、これが新人バンドだったらもろ手を挙げて喜んでいたと思います。


12. Majestica  A Christmas Carol

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元Reinxeedで最近はSabatonでも活躍するトミーヨハンソンさんのバンド、Majesticaの2ndアルバムです。去年1stを出していたので最近のバンドにしてはめっちゃ早いリリースペースですね。前作もかなり強力な目ロディックスピードメタルでしたが、こちらはクリスマスキャロルのコンセプトアルバムのようで、今まで以上にシンフォニックで、あとちょっと暗いメロディーも増えたと思います。個人的にはメロディーがちょっと暗くなったのが好印象でした、あと、アルバムが42分くらいなのもナイスですね。今年はメロスピはほとんど買えてないのですが、今年のベストメロスピでした。多分アッパーなメロスピを聞きたい方は1stの方が好きだと思うんですが、暗い方が好みの方はこのアルバムは聞いてみてもいいかもしれません。


13. ADX  Bestial

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フランスの正統派パワーメタルバンドの....これ何枚目なんですか.....!?!? 再結成後もコンスタントにアルバムを出しまくっていて尊敬です。実は再結成後は初めて聞くのですが、往年のスピーディーでちょっとスラッシュっぽいサウンドに、あんまりイギリスやアメリカのメタルバンドでは聞かないような独特のキャッチーなメロディーでして、割とまじできちんとあの頃のADXを現代にアップデートしている感じがあっていいですね。相変わらずギターリフが天才過ぎて凄いです。個人的には、このアルバムのギターの音は2020年における理想ですね。


14. Dark Forest  Oak, Ash and Throne

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イギリスのバンドらしいです、5枚目。割と輸入ショップではエピックメタル的な文脈で紹介されていたので期待していたのですが、どちらかというとだいぶヴァイキングというかフォークメタルっぽい感じも強いですね。ボーカルが非常にうまく曲自体もすごくメロディアスなので素晴らしい作品ではありますが、最初自分が勝手にマニラロード的なエピックを期待してしまっていたので、思ったよりも高品質なものが出てきてちょっと引いてしまいました。年末年始の休みにでも改めて聞いてみようかな....


15. Invictus  The Catacombs of Fear


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長野のデスメタルバンドの記念すべきファーストアルバムです。なんというか、これは80年代後期くらいの、スラッシュメタルからデスメタルに移行するくらいのデスメタルサウンドな感じがしまして、疾走感がスラッシュ的で個人的には非常に良かったです。2020年の春に対バンできる予定だったんですが、コロナとかいうゴミくそポーザーウイルスのせいでそのイベントがつぶれてしまい泣きました。


15. Melt4  Battles

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東京で活動しているスラッシュ・正統派メタルバンドのEPです。まず、前EPから比べ圧倒的に音質が良くなっており驚きました。そして、このバンドは基本的にミドルテンポ中心だと思っていたのですが、1曲目が初期メタリカ的な刻みで疾走するスラッシュ曲でこちらもかなり驚きました。元々キャッチーな曲を作っていたと思いますが、この音源ではよりフックがまし、ボーカルもかなり上手くなり、今後作られるであろう1stアルバムも楽しみです。あと、サンクスリストに僕の名前が載っていました、ありがとうございます....

16. High Spirits  Hard To Stop

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アメリカのかなりメロディーよりのNWOTHMバンド、High Spiritsの4枚目です。正直に言うとこのバンドは1stアルバムが一番好きで、2ndや3rdはかなりクオリティー高いとは思うんですが、個人的な好みとしては1stがやはり一番でした。このアルバムも買う前はどうかな~と結構期待もしていたのですが、やはり結果としては1stの方が好きだったみたいです.....いや、実際曲の出来としてはずっと高いレベルを保持しているというか、多分最近の方がよくできているのかもしれないんですが、単純にメロディーのタイプが1stの方が好きなんですよね....ちょっと哀愁強めなので.....でも本作も普通に良かったです。

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