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「見て楽しむクリケット」入門ガイド

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世界のクリケットシーンは非常に面白いものがあります。南アジア諸国を中心に10億人以上のファンがいると言われ、世界的にはサッカーについで人気があると言われています。

しかし、日本では一つのマイナー競技でしかなく、まだまだ多くの人に知られていないのが現状です。

ルールはさほど難しくなく、慣れてしまえば誰でも楽しむことができるクリケットですが、日本ではマイナーである以上、どこから触れていけばいいのか分からない人も多いかと思います。

…ということでガイドになりそうな記事を用意しました。

トゥエンティ20方式の試合を見れば良い

クリケットには大きく分けて、テスト、ワンデイ、トゥエンティ20の3つの試合方式があります。まず、そこからしてややこしい印象を抱く人は多いかもしれません。

これについては、最も試合時間が短い「トゥエンティ20(T20)」を見れば良いでしょう。

テストマッチは最大5日間、ワンデイは約7時間と試合時間は非常に長いです。よく「クリケットは試合時間が長い」と言われるのは、殆どがテストマッチ、ワンデイの試合時間が長いことが理由と挙げられます。

しかし、トゥエンティ20は試合時間が3〜4時間ほどで終了します。試合展開によっては、2時間程度で終了することはあるでしょう。

トゥエンティ20は、2005年から始まった試合方式ですが、あまりにも長い試合時間から人気が低迷していたクリケットを改革するべく生み出された試合方式です。従来のワンデイマッチは、50オーバー制(300球)で攻守が交代するルールでしたが、20オーバー(120球)に短縮することによって、試合時間を大幅に削減することができました。

これによって、時間が限られている現代人にとっては、試合が見られやすくなり、テレビ放映権も上がり、クリケットの人気は回復していきました。

現在では世界の主要国では毎年約2ヶ月間、トゥエンティ20の試合方式でのリーグ戦が行われるようになっています。現在はオーストラリアのビッグバッシュリーグ(BBL)、ニュージーランドのスーパースマッシュリーグが開催中です。

最注目はインディアンプレミアリーグ

次に「どの試合を見れば良いのか?」についてです。

やはり世界で最もリッチなクリケットリーグとされる「インディアンプレミアリーグ(IPL)」を見ると良いでしょう。

世界各国でトゥエンティ20の国内リーグが行っていますが、最も注目すべきなのは「世界最大のクリケット大国」のインドでしょう。

毎年4月上旬から5月下旬までの7週間行われるリーグ戦では、インドの選手を中心に、世界各国からスター選手が集まります。インドの大企業、ボリウッドスター、大富豪などがオーナーになり、スター選手には最大約3億円ほどの契約金を支払うという、最もリッチなリーグです。

チェンナイ・スーパーキングス、ムンバイ・インディアンズ、コルカタ・ナイトライダーズ、デリー・キャピタルズ、ロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロール、パンジャブ・キングス、ラジャスタン・ロイヤルズ、サンライザーズ・ハイデラバードの8チームに加え、来年からはラクナウ、アフマダーバードのチームを加えて、10チームで開催します。

各チーム、ノリノリなボリウッド・ソングをテーマソングとして用意しており、ホームゲームでは頻繁にテーマソングが流されています。ノリノリなボリウッド・ソングとともに、IPLを楽しむといいでしょう。

放映権の都合上、変化する可能性はありますが、IPLはインドのストリーミングサービス「YuppTV」で、毎年販売しています。全試合パックで15米ドル(約1600円)と割とオトクな価格で、全85試合を楽しむことができます。
※価格変動の可能性あり

クリケット界のアイコン、ヴィラット・コーリに注目

クリケット観戦初心者にとっては、どこから見たらいいのか、大体は絞れてきているとは思いますが、やはり選手についても知っておくのがいいでしょう。

やはり最も注目するべき選手は、インド代表のキャプテンを務めているヴィラット・コーリでしょう。

卓越したバッティング技術で、世界最小イニングでの得点記録を更新し続ける「世界最高のバッツマン」と呼ばれ、インドの名選手サチン・テンドルカールや、「クリケットの神様」ドナルド・ブラッドマンなどと比較されるほどであり、クリケットの長い歴史の中でも世界最高レベルの選手として称されています。

インド代表と、所属しているロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロールのキャプテンを務め、リーダーシップと精神的支柱を兼ね備えています。IPLを観戦時には、ロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロールに注目してみるといいでしょう。

また、クリケットの収入のみならず、様々な広告にも登場し、自身のブランドも発信し続けており、インドにいるとヴィラット・コーリの姿を見ない日がないと呼ばれるほどです。Twitterのフォロワーは4000万人超、Instagramのフォロワーは1億人超と、まさにワールドクラスの知名度と人気を誇ります。

クリケットがマイナーである日本ではほとんど知られていませんが、世界的な人気は絶大なだけに、ヴィラット・コーリの名前を知っておくといいでしょう。

国際大会にも注目

クリケットの世界では、国際試合が頻繁に行われており、他のスポーツと異なり、代表選手の主な活動は、国内のリーグ戦よりも。代表での活動の方が多い傾向にあります。

これはトゥエンティ20のみならず、最大5日間行われるテストマッチシリーズなどで、代表チームとして行動する時間が長いことが一因となっています。

1年中、どこかの代表戦でプレーするのが、1年の流れで、その試合結果により、国別のランキングや、個々の選手のバッティングやボウラーのランキングが決まってきます。最近では、オーストラリア、インド、イングランド、パキスタン、ニュージーランドが上位に名を連ねることが多いです。

ただ、日々の国際試合を追っていくのは、よほどファンの方が注目していくものなので、本格的にハマったら見るといいでしょう。

その国際試合の中でも、注目してみるといい大会があります。それが「クリケット・ワールドカップ」「クリケットT20ワールドカップ」です。

「クリケット・ワールドカップ」はワンデイ方式で行われるクリケットの世界大会です。4年に1度行われる大会で、前回は2019年にイングランドで行われ、開催国のイングランドがニュージーランドに勝利して、初優勝を飾りました。

そして「クリケットT20ワールドカップ」に関しては、トゥエンティ20方式のワールドカップです。ワンデイ方式のクリケットワールドカップより短時間で終わるため、試合自体は見やすいでしょう。

前回は今年の10月から約1ヶ月半、UAEとオマーンの共同開催で行われ、オーストラリアがニュージーランドを下して優勝を飾っています。開催時期はやや変則的ですが、2022年以降は2年に1度開催される予定です。来年はオーストラリアで開催を予定しています。

日本との時差が殆ど無いオーストラリアでの開催では、非常に見やすいので、来年は是非T20ワールドカップを見てみるといいでしょう。

激烈なライバル対決!インドvsパキスタン

最後に触れておきたいのは、クリケットのビッグマッチについてです。それはクリケット大国の対決「インドvsパキスタン」です。

幾度の印パ戦争や核実験などで、長年、両国関係が緊張状態にあるインドとパキスタン。普段の国際試合では、ここ数年は両国との対戦が行われていませんが、クリケット・ワールドカップ、T20ワールドカップなどの大会では、幾度も両国の対戦が行われてきました。

インド、パキスタン両国にとっても、国の威信がかかった一戦で、他の試合とは比較にならないほどの熱狂的な雰囲気に包まれます。Twitterの世界のトレンドは「#INDvsPAK」のハッシュタグが上位に表示され、クリケットの試合が世界のトレンドをジャックするような状態になります。

中では熱狂のあまりに、ショック死する事件が起きるほどであり、インド国内でヒンドゥー教徒とイスラム教徒のいざこざが起きるなど、尋常ではない雰囲気に包まれます。

同時にインド、パキスタン両国にとって、どれほどクリケットが重要な存在であり、どれほどクリケットが愛されているのか分かる試合とも言えるでしょう。


以上、「見て楽しむクリケット入門」でした。

この他にも母国イングランドや、南半球の大国オーストラリア、そしてカリブ海の西インド諸島など、見ごたえがあり、深みのあるクリケットは、まさに「沼」と言えるものには違いありません。

来年、もしよければ「インディアンプレミアリーグ」や「T20ワールドカップ」に注目してはいかがでしょうか?

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