あれから二年 #8

2019年9月14日。

瓦が剥がれて飛ばされて、むき出しになっていた我が家の屋根に、ブルーシートがかけられた。

かけられた、というより、覆われた、のほうが正確かもしれない。



身内から

「同級生に大工さんがいて、困ってる人がいたら連絡ください、対応できますよって言ってる人がいて、その人に頼めるけどどうする?」

と電話が来て、即、

お願いします!

って伝えた。

大雨にならずに14日を迎えて、なんとか雨漏りせずにさらなる被害にならずにいれたことは、すごく幸運だと思った。

それから12月末の直しまでの間に、強風でブルーシートが外れることは何度かあり、そのたびに直してもらったけど、精神的にかなり安心ができた。

と同時に、通り沿いからみた我が家が目立っていて、少し気がかりなことがあった。

当時、アポなし訪問で 家を直します。と言って莫大な金額を支払わされる詐欺が横行しており、私たちが仕事の間に義父が応対して変なことにならないか心配していて。

10月のある日、私が帰宅したら、テーブルの上に名刺が置かれていた。

ちょっと遠い県の業者さん。

なんか怪しい。屋根直します、って一文。

住所を検索すると、存在しない。

義父いわく、「息子たちにすべて任せているから、俺は知らない。適当に話をしていたら帰っていった。明日、お昼くらいにまた来るって。だけど、息子たちがきめた業者で直すとおもうからって言った」と。

応対してくれたこと、ちゃんと説明してくれたことにとても感謝したら、義父は照れたようになり、誇らしげになっていた。

こうやって距離を近づけたり、遠ざけたりしてうまくやっていくといいのかもな。

と、私自身が学習した。

翌日、その怪しい業者さんが来たが、きつく断ったら帰っていった。

それからは、「私たちがいないとき、業者さんが外構工事の下見にくるけど、とくに応対しなくて大丈夫ですよ」

とか

「屋根のブルーシートを直す業者さんがくるから、ピンポンがなったら応対してもらえるとありがたいです」

というと、わかったよ!と嬉しそうにしていたので、こうやって義父を頼りにしていくといいかもしれない。

と思ったのでした。

家が直った今でも、
「何時に荷物が届くので、受け取ってもらえると助かります。でも、用事があるならそっち優先で構わないですよ」

と言うと、
用事無いよ。わかりましたよ。
と、優しくお返事して、ちゃんと受け取ってくれています。
ありがたい。



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