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【キモタラグルメ】東京ガチ中華巡り旅 1日目 〜大雨でも中華料理を食い尽くせ!〜

これまで本格的な中華料理、いわゆる「ガチ中華」について何本か記事を書いてきた。
ある時は日本語がほぼ通じない店のマーラータンを食べに行き、ある時はわざわざ大阪まで行って大量の中華食品を買い込み3日連続で食べるなど、私のガチ中華料理奇行活動には余念がない。
だが、ガチ中華活動にはまだまだやれることがある。それは、東京のガチ中華巡りである。
東京は、ニッチな中華料理の需要が高いのか、ガチ中華の店が大量に存在しており、それらの店を巡るブロガーが大勢いるほどである。
彼らブロガーは、東京ガチ中華が食べられない地方民に自慢するが如く美味そうなガチ中華をほぼ毎日のように投稿している。そのうまそうな写真と文章を毎日見るうち、わたしは深刻なガチ中華禁断症状を引き起こしてしまい、気付くといつの間にか東京までの夜行バスのチケットを購入していた。
こうなったら、東京のガチ中華ブロガーに負けないぐらい食いまくるぞ...!私は大雨の降る名古屋駅で気合を入れてから東京行きの夜行バスに乗り込んだ。

5時間後。
数十分の遅れで新宿に到着したバスを降り、私は池袋へと向かった。
池袋。
東京の中で、恐らくガチ中華の聖地と言われるほど沢山の中華料理屋がある。私はまず、中華朝食を食べるべく、池袋駅から歩いて5分ほどの場所にある「逸品火鍋」と言う店へ向かった。

東京ディープチャイナ様より引用

ビルのエレベーターで5階に上がり、店に入ると小綺麗なテーブルが並ぶ店が目に飛び込んできた。
レジにいる男の店員が中国語でこちらへどうぞと言うようにテーブルを指差す。窓際に座りメニューを手に取ると、「朝餐メニュー」の文字が飛び込んでくる。メニューの写真がないのが申し訳ないのだが、種類としてはお粥が10種類ほどと肉まんなどの点心系にサンラータンみたいなスープが並んでいた。中華圏では朝ごはんにお粥を食べる風習があることを知っていた私は、「皮蛋痩肉粥(ピータンと豚肉入りお粥)」と「醤肉包(刻み角煮まん)」を注文した。
10分ほど待つと、早速料理が出てくる。

派手な見た目のイメージが強い中華料理に反し、非常に地味な見た目である。
早速、皮蛋のお粥を匙で掬って食べる。

...
これは...

先に結論を言おう。

3日間で一番美味かった。

地味で味の薄そうな見た目に反し、味がしっかりとついていて、どこを食べても豚肉の濃厚な味が口に広がる。豚肉の味も薄すぎず濃すぎず、ちょうどよかった。刻まれたピータンも、ピータン特有の土臭さがなく、豚肉との相性が抜群と言ったところだった。

続いて、醤肉包をいただく。

うーんうまい!
刻み角煮が入った肉まんは、ほんのり甘くふんわりとした外生地との相性がよく、非常に食べやすい。最近は冷食の肉まんしか食ってなかったが、本格的な肉まんはここまで美味しいのか、、と感動してしまった。
2つともガチ中華とは言うものの、いい意味であまりガチ感は無く、純粋に美味しくて日本人の舌にもめちゃくちゃ合う味だったと思う。
雨降る池袋の街を見下ろしつつ、のんびりとお粥と肉まんを食べカス残らず食べ尽くした。
食べ終わってレジに行くと、店員のお兄さんが当然のように中国語で話してくる。「あ、御免なさい」と流暢な日本語で返すと、「あ、ナナヒャクキュジュエンです。」と値段を言われた。前回の名古屋のマーラータン屋で全力で日本人アピールしたらどうにかなった経験がここで生かされた。

さて、次はどこへ行こうか。予定はほぼ決めていない。
1軒行ったらお腹を空かせるため40分ぐらい歩いて次の店に行くを繰り返し、1軒でも多くガチ中華料理店を巡ろう」という脳筋プランだけで夜行バスに乗り込んだ私だったが、当日は記録的豪雨で歩くどころか外に出ることすらままならなかった。
これじゃ流石に考えていた脳筋プランを実行するのは無理だろう。
といっても、東京にはガチ中華を食べにきたわけで、特にやることがない。仕方がないので、雨風も凌ぐために目的もなくただ網の目のように広がる路線図の上を電車であてもなく走ることにした。
私は池袋から適当に来た電車に乗り、それから4時間、目的もなくずっと電車で移動していた。

そろそろ虚無になってきた12時。さすがに移動のしすぎでお腹が減ってきた。
昼飯としてまたもやガチ中華をいただくことにする。私はコリアタウンとして名高い新大久保へ向かった。
新大久保駅に降り立つと早速大量のハングル文字の店が飛び込んでくる。焼肉、サムギョプサル、k-popなど韓国一色に染まるこの街に、重慶小麺の店があると言う。

東京阿Q様より引用

重慶小麺といえば、前々回ぐらいの記事でカップラーメンの重慶小麺を食べたのだが、なかなか美味しかった記憶がある。
ここ新大久保では、カップラーメンではなく本格的な重慶小麺が食べられると言うことで期待が高まる。土砂降りの雨の中、新大久保駅から歩くこと約5分。ビルの奥まった一角に店はあった。
阿Q氏が言及している通り、他の韓国料理屋はどこも人がいっぱいですぐに食べられるような雰囲気ではなかったが、この「重慶小麺 味道」はガラガラであった。
店に入ると、当たり前のように「いらっしゃいませ」なんて日本チックは挨拶はなく、無言で迎え入れられる(だがそれがいい)。空いてるカウンター席に腰掛けた私は卓上のQRコードを読み取り、メニューを開く。麺の種類は様々あったが、ここはオーソドックスや牛肉重慶小麺(微辣)を注文する。辛さは選べたものの、こういうガチ中華の「中辣」は我々日本人からすると激辛なので「微辣」を選択して注文した。
注文して10分。料理が運ばれてくる。

運ばれてきた瞬間から、空きっ腹に狙い撃ちするかのような非常に良い香りが鼻をつく。思わず深呼吸して頬が緩むほどのいい匂いである。この時点でもう美味しい。
早速スープを掻き分け、麺を啜る。
...期待通りのうまさである。

まさにこの気持ち

麺はツルツルで食べやすいし、味もしっかり染み付いている。当たり前だが、カップ麺の方よりは美味しい。
麺をかき分けると、具には様々なものが入っていた。牛肉、ネギ、パクチー、高菜、ナッツ、ザーサイ、チンゲンサイ...
中でも一番存在感を放っていたのがパクチーである。
私は別にパクチーが嫌いなわけではなく、普通に食べられるのだが、この麺に入っていたパクチーは、辛いスープの後押しを受けてあの独特の味がめちゃくちゃ美味いものに昇華されていた。ここまで美味いパクチーは、後にも先にもこのスープに浸っていたものだけだろう。
汁まで完飲!までとはいかなかったが、あっという間に完食した。全体的な味としては、ガチ中華の沼に両足が浸かってしまった初心者〜中級者ぐらいだったら美味しく食べられるのでは、という味だった。辛いもの好きにもおすすめである。

大満足で店を出た私はひとまず駅へ向かった。だが、さすがに何時間も虚無に電車に乗るのも飽きてきたし、昨日夜行バスであまり寝れていなかったこともあり眠くなってきたので、ネカフェで爆睡することにした。近くの手頃なネカフェを調べ、新宿へ移動する。
歌舞伎町のネカフェにチェックインした私はそらから3〜4時間、これまでの疲れを取るべく爆睡した。

午後6時。
眠りから覚めた私はネカフェをチェックアウトし、またもや池袋へと向かった。
夕食は東京在住の友人と取る予定だったが、当然ガチ中華である。
店はもう予約していたので、池袋駅で友人と合流後、「熊猫火鍋」へ向かった。
止まない雨の中を2人、中華店が立ち並ぶエリアへ歩いていき、とあるビルのエレベーターで7階へ上がる。
扉が開くと、はじめにイカついパンダが出迎えてくれた。

どう見ても日本人にはないセンスのパンダ

店名が「熊猫(中国語でパンダの意)」というだけあって、パンダを全力で押し出した店である。
なおこの店は、半年ほど前に東京に旅行に来た際にたまたま見つけ、入ろうとしたものの一杯で入れなかった店である。今回はきちんと予約をして行ったため当然座れたが、この大雨の中わざわざくる客など我々のような変わり者だけで、店はガラガラだった。
今回は食べ放題飲み放題で5000円弱のコースを予約していたので、早速スープと具材を端末で注文した。

しばらくすると、注文していた三食鍋が到着した。手前の赤い鍋以外は辛くないので、火鍋初心者の友人にも安心というわけである。
鍋に続いて、すぐに具材も届いた。
具材はお決まりのラム肉や牛肉といった肉類のほか、キノコ類や野菜など、オーソドックスな具が並ぶ。
注文したビールで乾杯を挟みつつ、トングで具を鍋に放り込む。具を煮詰め、タレを取りに行ってからいよいよ実食である。
味は有名なチェーン店海底労火鍋などと同系統の味で、本当にオーソドックスな火鍋だった。唐辛子の「麻」と山椒の「辣」が交互に押し寄せる。また辛くないスープもキノコと高菜の味が染みていて美味しかった。
初火鍋となる友人は「俺蒙古ギリギリ食えるぐらいだけど大丈夫?」と初めは心配していたが、食べ進めるにつれ美味しい美味しいと気に入ったようだった。「俺1人じゃ絶対こんなところ来ないわ...新しいジャンル見つけられた」と感心した様子だった。

笑顔でピースを向ける友人

さらにこの店は、火鍋だけでなく一品料理もコースに含まれている。
私たちはミミガーと中華版病みつきキュウリみたいなものを一品として頼んだが、これらもしっかりと美味しいし、お酒にとても合う。これで5000円行かないというのは本当にコスパが良いと思う。
ガチ中華初心者にも楽しめる味でコスパも良い店であり、ガチの中華に興味があるけどどの店に行けば良いか分からない...という人におすすめの店だと思うのでぜひ行って見てほしい。あっというまに1時間半がすぎ、私たちは店を出た。動けなくなるぐらいお腹いっぱいであった。

結局この日は電車に乗って中華を食べて寝ただけという、およそ東京に旅行で来ている人とは思えない異常行動をしていたが、そもそもそれが目的で東海道を上ってきたので仕方がない。
この日はそのまま友人宅に泊まり、2日目に備えた。

次回。
東京ガチ中華巡り旅2日目。
ガチを通り越してゲテモノと化した鍋を食べにいく!編
お楽しみに。

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