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2021オーストラリア代表(ワラビーズ)について-2(北半球+α編)

☝前回の記事はこちらです。

G'day! 前回のトップリーグ編に引き続き、今回はオーストラリア代表の北半球のプロリーグに縁のある選手達についてざっとまとめてみました。

英国のチーム、フランスのチームに大分けされますが一部ニュージーランドのチームに在籍した選手もいます。また、ジェームス・オコナーは英国とフランス両方を経験しています。
(※今回のメンバーにURC経験組はいないようです)

1.ワラビーズのメンバー:英国組

北半球に在籍した経験のある選手の中でも行き先に多いのは英国のチームのようです。

●James O'Connor(ジェームス・オコナー):UtilityBK(SO) 代表56caps

2013-2014:ロンドンアイリッシュ
2014-2017:トゥーロン
2017-2019:セール・シャークス

2013年から2019年に亘ってプレミアシップ・Top14でプレーしています。2019年のワールドカップ以降はレッズに戻っています。

17歳でスーパーラグビーでデビュー(当時はフォース)し、ワラビーズとしても18歳(2008年)でイタリア戦の時に初出場+3トライを挙げています。
2013年に泥酔でいったん代表・オーストラリアのチームから除外されて以降、主戦場を北半球に移しました。
トゥーロンでプレーしていた時はマット・ギタウやクウェイド・クーパーもチームメイトとしてプレーしていました。
代表復帰は2019年頃で2020年以降はSOを中心にプレーしています。


●Matt To'omua(マット・トゥムーア):UtilityBK(CTB) 代表57caps

2016-2019:レスター・タイガース
ワラビーズは2013年からで現在はレベルズに在籍していますが当初はブランビーズの選手で2008-2015年までプレーしていました。(18歳頃デビューという事ですね)
SOでは正確なゴールキックが光り、CTBでは危機察知能力が高くディフェンスで持ち味を発揮する選手という印象です。また、ゲームIQも高いので予想しないタイミングでグラバーキックを仕掛けることもあります。

フィールドを離れると、2014年にカフェのオーナーになり、2020年からボウリング場のオーナーにもなっています。また、2016-2018年にMBA(経営学修士)を履修しこちらも取得しており、経営者としての一面も持っています。

ただ、2020年後半に離婚があり、2021年のレベルズでのパフォーマンスは2020年の時と比べてやや劣る印象でした。経営者としての仕事とプロラグビー選手としての仕事と離婚と重なって心労がたたったのでしょうか。いずれにしても普通の人ではないです。

2023年のワラビーズも目指す一方で出場機会はあまり恵まれていません。選手兼コーチのような立場になっている印象です。レベルズでは10番(SO)が多いですが、ワラビーズでは12番(CTB)に配置されることが多いです。



2.ワラビーズのメンバー:フランス組

●Brandon Paenga-Amosa(ブレンドン・パエンガ=アモサ):PR 代表14caps

2021-2022?:モンペリエ
2021年後半からTop14のモンペリエでプレーすることになっています。2021年12月頃までは帯同するらしいので、11月のテストマッチシリーズが終わり次第モンペリエに合流する形になるのかもしれません。

元々はレッズのアイドル的存在で2番を務め、タニエラ・トゥポゥとともに強力な最前列を形成していました。

2年の契約と言われているので2023年のワールドカップに間に合うか分かりませんが、ワールドカップ代表に選ばれるにはラインアウト時のスローイングが課題になってくると思います。
これがモンペリエでのプレーで変化があるか見てみるのも良いかもしれません。


●Matt Philip(マット・フィリップ):LO 代表18caps

2020-2021:ポー
2020年のAUシーズン終了後、フランスのTop14のポーに移籍し、2021年の前半にTop14シーズンが終わった時にオーストラリアに帰ってきました。
オーストラリアではレベルズに所属しており、テストマッチでは主にLOの一翼を担っています。
動画はポー在籍時にトライを決めたシーンです。(緑色の4番がマット・フィリップ)


●Nic White(ニック・ホワイト):SH 代表42caps

2015-2017:モンペリエ
2017-2020:エクセター・チーフス

ニック・ホワイトはトゥムーア同様2013年からワラビーズに選ばれています。2020年にオーストラリアに帰ってからは古巣ブランビーズでプレーしています。髭がお洒落なのもあってごく一部の人からマリオと言われています。

テイト・マクダーモットとワラビーズのSHのポジションを争っており、マクダーモットがテンポの良さと攻撃力が武器としていればホワイトはいやらしさとゲームメイク能力の高さが魅力の選手です。日本代表でいうと田中史朗に近いタイプかもしれません。


●Izack Rodda(アイザック・ロッダ):LO 代表29caps

2020-2021:リヨン
202cmの身長を誇るLOです。大体日本代表NDSのワーナー・ディアンズと同じくらいですね。
2017年からレッズに加入し同年、ワラビーズにも選ばれます。2020年にレッズからの減俸を宣告されチームを去る形になりました。そのためのリヨン加入ですね。
2021年中盤からオーストラリアに復帰しましたが契約したのはレッズではなくフォースでした。

2021年のワラビーズの好調・ラインアウトの改善にはこのアイザック・ロッダ選手の存在も実は大きいのかもしれません。


●Duncan Paia'aua(ダンカン・パイアウア):SO/CTB 代表0caps(*)

2019-:トゥーロン
(*)代表capはないが、2017年にバーバリアンズとの試合でワラビーズとして出場。31-28で勝利。このとき31点のうち16点を一人で稼ぐ。

テストマッチ出場回数がないにもかかわらず2021年、ギタウルールにのっとって召集された選手です。
2014年から2019年までレッズでプレーしていました。
2017年のバーバリアンズとの試合でSOとして16点を稼ぎワラビーズの勝利に貢献し国際的に注目されだします。(テストマッチとしてはカウントされず)
そして2019年にトゥーロンと契約し今に至ります。

2017年当時はマイケル・チェイカと方針が合わず代表に選ばれることはありませんでしたが、2021年になって代表に帯同するようになりました。まだ出場はありませんが日本代表戦・11月のテストマッチシリーズのどこかで試しに出場することがあるかもしれません。
(タイプ的にはどちらかというと天才肌・暴れん坊という印象なので、フィン・ラッセルや山沢拓也に近いイメージを持っていればいいと思います)


3.ワラビーズのメンバー:その他

●Pete Samu(ピート・サム):No8・FL 代表14caps

2016-2018:クルセイダーズ
NZのラグビーチームで育ちワラビーズに選ばれた選手です。
2012-2013年にRandwick(エディー・ジョーンズがプレーしていたチーム)というシドニーのクラブチームでプレーしたのち、2014年からTasman(NZの国内プロリーグのチーム。強い。)に移籍。
2016年からクルセイダーズの選手になりました。
2018年にブランビーズに移籍し、ワラビーズに選ばれて以降、オーストラリアに定着しています。

足の速さとフィジカルを兼ね備えた選手という印象が強く、オーストラリアよりはニュージーランドに多くいるタイプの選手です。いずれにせよディフェンスを突破され独走させるような状況を作ってはいけない選手でしょう。


4.まとめ

北半球に渡った選手は将来有望な成長期に渡ることが多く、複数年の契約ののちワラビーズとして戻ってきた場合は若手に対するメンター的存在になっている選手が多い印象を受けました。

4年後くらいにはパエンガ=アモサがかつてのオコナーやトゥムーアのような感じになっていくのかもしれませんね。

次回はオーストラリア国内を中心に日本代表戦に当たって個人的に知っておいた方が良い選手をピックアップした記事を書きたいと思います。

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