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2021オーストラリア代表(ワラビーズ)について-3(国内編)

☝前回の記事はこちらです。

G'day! 今回はオーストラリア代表の国内リーグ(のみ在籍経歴あり)の選手について数人ピックアップしていきたいと思います。

1.ワラビーズのメンバー:国内組

国内生え抜き組は大半は若い選手です。ごくまれに特定のチーム一筋という選手がいますが、少数派ですね。また、若い選手を中心にピックアップしたので大半が2018、2019年以降スーパーラグビーデビューの世代になっています。

●Taniela Tupou "Tongan Thor" (タニエラ・トゥポゥ/トンガの雷神):PR 代表34caps

2016-:レッズ
トンガ出身、NZ留学を経てワラビーズになったパワーとスピードを兼ね備えたプロップです。
2017年に21歳でワラビーズのデビューを果たし、2019年頃から定着しだします。NZの高校卒業時に北半球、NZのブルーズ・チーフスからもスカウトが来ましたが兄弟がオーストラリアに住んでいた関係でレッズを選ぶことになりました。2020年はメンタルコントロールに難がありましたが2021年現在、改善傾向にあります。

怪我がなければ2023年W杯にもほぼ出てくる選手で、日本代表戦でも彼を止められるかどうか・スクラムで彼と対峙した時に踏ん張れるかは大きなポイントになると思います。逆に言えば彼がいるスクラムを止められれば日本代表のスクラムは前途有望でしょう。


●Tate McDermott(テイト・マクダーモット):SH 代表10caps

2017:オーストラリアセブンズ代表(4caps)
2018-:レッズ
まだ23歳とワラビーズの中でも若いスクラムハーフです。個人的に日本代表戦で出場して斎藤直人選手と戦うのを見たい選手です。

スクラムハーフにはパスの上手いタイプ(ex:アーロン・スミス)・レフェリー含めコミュニケーションに長けているタイプ(ex:TJペレナラ)など様々なタイプがありますが、マクダーモットのタイプは南アフリカのデクラークに近く自ら先陣を切るタイプのSHという印象です。デクラークが好きなラグビーファンは彼も好きになると思います。


●Jordan Petaia(ジョーダン・ペタイア):CTB/WTB/FB 代表12caps

2018-:レッズ
2019年に19歳にしてラグビーワールドカップで代表デビューした選手です。(vsウルグアイ戦・大分)
10/23に行われる日本代表戦も大分で行われるので不思議な縁がもしかしたらあるかもしれません。

プレー自体は身体能力の高さと背の高さ、見る人を幻惑するステップが持ち味の選手です。特に敵陣22mのハイパント処理では非常に警戒すべき選手と言えるでしょう。


●Len Ikitau(レン・イキタウ):CTB 代表7caps

2019-:ブランビーズ
今年2021年にデビューしたばかりの選手です。初テストはフランス戦です。
運動量の高さ・ディフェンスを買われてデビューしましたがトライも取るなど全方面に活躍しています。

12番に入ったサム・ケレビとの組み合わせが強力でラグビーチャンピオンシップの後半戦の4連勝に繋げました。


●Noah Lolesio(ノア・ロレシオ):SO 代表8caps

2019-:ブランビーズ
2020年のオールブラックス戦でワラビーズデビューしたSOです。デビュー戦の後半すぐに初トライを決めます。
そして、2021年もフランス戦・ABs戦では先発しました。第3戦の南アフリカ戦からクウェイド・クーパーが先発したことで出場メンバーからは外れています。強風の影響で調子が狂ったので立て直しの時期かもしれません。
2020後半~2021前半のSOの層が薄い時期に孤軍奮闘した選手ですが、2023以降もメンバーの動向次第で頑張り時がまた来る可能性はあります。


●Lachlan Swinton(ラクラン・スウィントン):FL 代表6caps

2019-:ワラターズ
2020年に代表デビューののち、レッドカードを出された選手です。
代表としては6試合出場していますが、およそ半分の試合でイエローカードもしくはレッドカードを出されています。大抵タックルが高すぎるのが原因です。

ただそれでなおメンバーに選出され続けるのはフィジカルの高さ・ターンオーバーと相手に気後れしないメンタリティの強さには定評がありそれが買われている印象です。


●Angus Bell(アンガス・ベル):PR 代表12caps

2019-:ワラターズ
2020年に19歳にしてプロップ(1,3番)として史上最年少の代表選出・試合出場を果たします。それ以降、代表に控え中心ではあるものの、定着しています。フロントローは体の強さが求められるためデビューが23-25歳になる選手も多く10代で選ばれるという事は相当のポテンシャルがあるという事でしょう。


●Reece Hodge(リース・ホッジ):UtilityBK(WTB/FB) 代表51caps

2016-:レベルズ
2016年にスーパーラグビーデビューを果たし同時にワラビーズのデビューも果たします。1994年生まれ・27歳と日本代表だと若手ですがワラビーズの中では年齢の高い方になります。

2017年の日本代表戦ではリース・ホッジがSOを担当しました。2020年でも1回だけSOで出場し、24-22で主力の半分を休ませたオールブラックスに勝利しています。基本的にはFBやWTBの方が多いです。

40-50m級のロングキックが必要な場面で彼が召喚されることが多いです。(2020年は勝敗を分けるシーンでのキックが多く決めきれない事が多かったです。2021年はクーパーなどキッカーが多くなったので心理的にも楽になっているかもしれません)


●Feleti Kaitu'u(フェレティ・カイトゥウ):HO 代表3caps

2020-:フォース
2017年にNZ国内リーグのカンタベリーに所属したのち、2018年にフォースに加入(当時はスーパーラグビーからチーム除外されていたのでグローバルラピッドラグビーのチームとして)、2020年にスーパーラグビーのデビューを果たします。ワラビーズのデビューは対南アフリカ戦第1試合でした。その時は途中出場ながら28-26で勝利しています。

HOでありながら足が速くバックスの要素を持ち合わせた選手という印象です。ワラビーズHO共通の課題ですがラインアウトのスローイング・スクラムのセットピースが更に向上するとコンスタントに出場できる選手になると思います。

タニエラ・トゥポゥとは同じトンガ出身という事もあり仲が良いようです。


2.まとめ

ここでは説明はしませんでしたが他にも若手で運動量・フィジカルの高い選手はいます。ただ、選手層がデイヴ・レニーの手腕によりこの2年で急激に厚みを持ち出したのでコンスタントに出場は難しくなってくるかもしれません。

フォワード陣の場合はフレイザー・マクライト(FL)、ロブ・レオタ(FL/LO)、ポネ・ファアマウシリ(PR)がいます。

バックス陣にはハンター・パイサミ(CTB)、ライアン・ロナーガン(SH)など。


未出場の2人にフォーカスして下に動画を上げておきます。

↓ポネ・ファアマウシリ
PRながら196cmと長身。今は日本でいうNDS枠で召集されている印象だが、レベルが1段階上がると怖い選手になる。

↓ライアン・ロナーガン(動画2:18~)
ロングキックに強いスクラムハーフ。スクラムハーフ本体のスキルが身に付くと代表に定着してきそう。(ニック・ホワイトやテイト・マクダーモットなどの方が現時点ではSHとしてのスキルは高い)


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