【海外雑記】香港の街並み-1
※これは香港の街並みコラムです。長くなるので分割しています。
※画像は自分で撮影したものとGoogleMapのストリートビューのスクリーンショットが大半です。
エリア分類
香港の街並みは建築時期・建築地に応じて表情が変わっていくのが特徴です。古い街並みが築年数がかなり経っていることもあり失われていく可能性が高い街並みも多いと感じました。そこから何故この街並みになったか?について興味を持ったのがきっかけです。
最終的に建築基準法(Cap.123F)から見ますが、その前に街並みについて書いていきます。
大分けすると3つくらいの属性に分かれます。(かなり大雑把)
a.九龍・香港(だいたい路面電車が走っているエリア)
かなり古くからある建物が多いです。建築年数で見ると築50-60年前後の物件が割安で出されています。
(商業施設・オフィスビル・再開発がなされたところは総じて超高層ビルになっています。これも九龍・香港に多いです。こちらは有名すぎるのでここでは省略します)
上の物件が築56年・18㎡で7000HKD(=9.5万円,2020年12月のレート)です。内装のリノベはなされているもののワンルームでトイレシャワーは1つの空間にまとめ上げられていることが多いです。
(141の置屋の間取も大体こんな感じです)
GoogleMapのストリートビューから引用すると窓が広い中規模のビルがひしめき合っているエリアです。
大きな特徴として、1-2Fが店舗・3F以上が住宅という組み合わせが多いです。(3階以上の階数はばらつきがある。香港島の方が階数は幅広い)
トランスフォーマーのロケ地としても有名になった怪獣大厦もこのパターンですね。(※現在は撮影禁止)
日本の商店街に存在する集合住宅と似た形態だと思ってもらえれば良いです。
しかし、1980年代に入ると道路に面して建てるのではなく、該当地域でもいわゆる団地のような形態を採るようになっていきます。(太古城・紫灣)
また、湾仔(香港の中心部の一つ)では新しい建物も増えてきており、街並みの表情も新旧入り混じったものになっています。
↑左端・道路の右側の建物は比較的新しい(1990年代以降)です。道路の左隣、右側の奥の方にある建物は1980以前に建てられています。
上空から見た場合、建物の高さと建築時期が大体一致していることがわかります。1970年前後、1990年前後に高度制限に何らかの変更が加わったのではないかと推測します。
b.新界1・香港島の一部(天水圍、沙田、將軍澳、海怡半島)
こちらは比較的新しい建物が多いです。沙田・元朗は1980年代、他は1990年以降と、築10-30年のタワマンが林立しているエリアです。
元朗中心街はやや古めでa.の建物とこの新しいタワマンの中間の形態をとっているケースが多いです(体感)
天水圍のタワマン物件です。賃貸で2LDK・50㎡・12500HKD(=月17万円程度)、築13年の物件です。分譲と賃貸が入り混じっているのですが、分譲の場合7500万円程度で売り出されています。
(今後の動向でさらに不動産価格が下がる可能性は十分にあります…)
GoogleMapのストリートビューから引用するとこのような風景になります。晴海フラッグや幕張ベイタウンを縦に10倍に伸ばしたような感じですね。
c.新界2・その他(山頂・離島・村)
山頂(The Peak)はトップ0.1%の富裕層が多く住むエリアのイメージです。ファーウェイのCEOがカナダに亡命する前に一時的に滞在したりしていましたね。
GoogleMapのストリートビューから見ても豪邸・低層住宅が多く見えます。
離島は色々な所があるのですが観光スポットとして知られているのは坪洲、太澳(厳密には離島ではないですが)などです。
香港の喧騒を忘れてしまうような光景が広がっています。島ごとに建物の密集度合いは異なります。(漁村か、ビーチリゾートかでもかなり変わりそうです)
開発されていない所(=村)は古い香港の住宅の形態を残しています。香港・九龍から近いところだと三家村・馬環村が古い香港の集落の形を残しています。(所々香港政府の収用があるので近いうち再開発されるかもしれません)
↑馬環村の道。この道を辿っていくと「鯉魚門三家村舊礦場」という撮影スポットに行けます。
やや人が多い村の場合は、低層の住宅~高くても3-4階程度です。場所によっては部外者の立ち入りが禁止されているパターンもあるので注意書きの看板に注意する必要があります。下の写真は元朗駅の北側に位置する東頭村付近で撮影しました。
↑このように村民以外の人・地上げ屋の立ち入りを禁止しており、違反した場合最悪通報されます。大体塀や門の内側に入らないようにするのが無難でしょう。
住居の観点で見ると、商業地域の集合住宅・住居地域の団地・昔からある村の3つに大分けできます。(実際はもっと複雑だと思いますが)
ここまでが香港の住宅についての大雑把な説明です。この背景を踏まえた上で香港の建築基準法(Cap.123F)の気になった箇所を取り上げていきます。
また、高度制限の記述についても取り上げられればベストという風に考えています。
-次回に続く-
↑第2回記事のリンクです。法律の話が絡みますが、何故香港の建物は窓が広いのか?という話です。
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