CMディレクター、中島信也氏。京都の職人と絵コンテ模様のふろしきを制作。166人のクリエイターとともに出展。
1990年から毎年行われ、現在も企画展が11月26日(火)~12月21日(土)まで、
銀座で開催中のチャリティープロジェクト。今年のテーマは、「ふろしき」。「ふろしき百花店」。
前回のブログ記事の赤沼夏希氏と同様に、大手CM制作会社、東北新社のCMディレクター中島氏もオリジナルデザインのふろしきを出展している。
「僕は、この企画展はだいぶ前から参加していて。20年以上前に、何か創ってみないか、
と、誘われたのがきっかけですね。トートバッグ、ポーチ、ソックス、小皿など、いろいろ創りましたが。
CMの絵コンテをモチーフに、毎年制作しています。絵コンテ模様をけっこう気に入っているんですよ。
仕事で膨大な数のコンテを制作しているのですが。映像だけが残っていく。
だから、絵コンテが、映像ができたと同時に天に昇っていくというイメージでふろしきを制作しました。」
このふろしきは、購入することもできるんですね。
「若い女性に買ってもらいたいですね。サブバッグに洋服を入れて歩いている人がいますが。
そのかわりに、洋服をふろしきに包んで、歩いてもらいたい。」
CMディレクターとしてデザイン界を見てきて、気になるアートディレクターはいますか。
「ADC(アートディレクターズクラブ)に入っていますが。すごいと思う人は、大貫卓也さんですね。
大貫さんは、直感で最初に決めても、それを徹底的に検証します。100案ぐらいはいつも創りますね。
オリンピックのエンブレムのラフも何千個と創っていますからね。
カップヌードルのCMのときのマンモスも、大きさを拡大コピーで100通りぐらい創って。
デザインをするように、映像を処理していく感覚だった。大貫さんは、締め切りを伸ばさせるくらい、妥協はしなかったです。」
決して妥協しない。やはり自分との闘いなのだ。
「グラフィックが元気なころといえば、やはり1980年代ですね。西武とかパルコとか、世の中を牽引していたし、
グラフィックは、常に人々の関心の的でした。いまは、ちょっと元気がないなあ、と、感じる。
1980年代は美大でデザインを学ぶ男子も多かったのですが。いま美大は、8割ぐらいが女性ですからね。
これからは、女性のアートディレクターがもっと増えると思う。
いまの時代、みんな、デザインに興味がないんじゃないのか、と感じるときもある。
僕が若いころは、デザインで商品を買いましたからね。ソニーだって、僕らは、デザインで買っていた。
デザインに触れることによって、次の時代をイメージできるというものがけっこうあったと思う。」
中島信也氏は、デザイン界に熱いエールを送っていた。
これからは、デザインが、日本の希望の光になるのだ。
アートディレクターが、日本人の希望の光になるのだ。
僕たちは、待っている、君という日本人の希望の光を。
撮影:前田 洋一(株式会社スタジオヨンジュウイチ)
※この記事は2019年12月16日に掲載されたものです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?