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浅草の老舗十和田のそば職人、川村崇氏。十和田のご主人でもある川村氏は、そば職人になって、修業時代も含めて、28年になるという。今では浅草・十和田の看板としてお店に立ち。人気のお店の暮坪そばは、浅草の観光の目玉のひとつとなっている。

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お蕎麦屋・十和田は、昭和44年、1969年に創業。約50年あまりの歴史をもつ老舗であり、東京では、
一軒しか創っていない伝統の逸品、暮坪そばで有名なお店である。


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川村氏は、十和田の二代目。

「そば職人になったのは、父も祖父もそば打ちだったので。それを継ごうと思って、十和田で働きながら修業しました。」

「木鉢3年、のし3か月、包丁3日、というそば職人になるための、有名な言葉がありますが。」

「その言葉は意識したことはないけど。木鉢に関しては、何年やってもいつも100%の完成度になるのは難しい。

たぶんどんな職人もそうだと思いますけど。とくにそばに関して、やっぱり毎日、毎日、100%の出来というのは、
ほとんどありえないので。

日々、精進ですね。そば打ちは、気候によっても違いますし。
のしはおぼえれば、
何か月では無理だけど、何年かでできるようになると思います。包丁はおぼえちゃえば、一番早いですかね。

木鉢、のし、包丁のなかでは、木鉢がすごく深いですね。技術はもちろんですが、体力も重要です。
相当、体力を使うので、
やっぱり腰を痛めないようにすることが大事ですね。」


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「お蕎麦屋で修業することは、お蕎麦の学校で学ぶことよりどんなメリットがありますか。」

「そばって、ちょっと特別じゃないですか。私の師匠は父でしたが、蕎麦屋でしかできない修業があると思うんです。
修業では体力を維持することが一番たいへんです。
自己管理もしっかりとして。

それと、やはり毎日、
そばの出来が違うので、それを楽しめることが大切です。自分でも満足のいくものができたときは、うれしいですね。

あと、新そばの11月、12月の時期は、盛り上がりますね。香りが全然違うので。木鉢、のし、包丁などのそば打ちも、
自然とモチベーションが上がります。
蕎麦屋の運営のスキルもしっかりと学びました。毎日、毎日、店にいて、
原価のこととかいろいろ勉強しましたね。」


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「浅草・十和田さんは、暮坪そばでも有名ですね。」
岩手県遠野市暮坪地区で約400年にわたり伝えられ栽培されてきた、
幻の薬味と言われる暮坪かぶ。

「暮坪そばの魅力は、なんといっても深い味わいのある香りでしょうか。
見た目は、大根ですけど、
香りがめちゃくちゃ豊かですね。暮坪は、そばを引き立てる薬味として、
とても相性がいいと思います。

たれ、そば、暮坪の組み合わせは、たいへん魅力的です。」
「おそばとはなんでしょうか。」

「讃岐うどんのように、毎日、毎日、味わってもらいたい食べものですね。身体にもいいですし。

それとそば湯も楽しんでほしいです。
最後に深味のあるそば湯を飲むことで、すごく満足度も違うし、
身体もポカポカにあったまるし、栄養価も高いんです。締めは、そば湯で決めてほしいですね。」

「これから、どのようなそば職人になりたいですか。」

「誰にも真似できないような、味が響くおそばを創りたいですね。
シンプルなもりそばを食べて、
美味しいと言ってもらえればうれしいですね。本当におそばを好きな人は、薬味をいれないで、
のりもかけないで食べるものです。たれ、そばだけの、シンプルのもりを見れば、職人の実力がわかります。」


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「多くの個性的な浅草のお蕎麦屋を、どう思われますか。」

「やはり自分の実力をみてもらうことになるので、ライバル店が多いのはうれしいです。
お互い刺激しあって、
浅草のお蕎麦屋をもりあげていければいいですね。」

川村氏は何年も修業を重ねて、そば職人になった。

その顔には、ストイックな生き方を選んだ、
人間としての誇らしさが表われていた。

生きるとは、修業であるとよく言われるが。
川村氏は、生きること、
そしてそば職人であることを修業として、
人生のさまざまな壁をのりこえてきたのである。


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僕は、インタビューが終わったあと、浅草の街を歩いた。
お蕎麦屋が多いな、と、身体の奥から感じた。

浅草寺などの観光スポットに意識がいってしまうが。
どっこい浅草の個性的なおそばも、
観光客をよぶ強力な観光資源になっていると思う。


僕は、心地よいカフェも、
カジュアルなスィーツショップも好きだが、
浅草のお蕎麦屋に期待したい。

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コピーライター/インタビュアー/吟遊詩人/キャッチコピーは、生きろというメッセ―ジも持っている。食の広告ではこれを食べて、衣服の広告ではこれを着て、採用の広告ではここで働いて、生きろと。今日も僕は「みんな、生きろ」とキャッチコピーを創り続ける。