イラストレーター、スージー甘金氏。イラストレーターは、チャラチャラしていないとダメですね。イラストには仕事の要素もありますが。遊びの要素も強いですからね。売れっ子イラストレーター、スージー氏の貴重なメッセージである。
2020年2月21日~3月4日まで、イラストレーター、スージー甘金氏の展覧会が、東京・原宿で開催された。
長年、お仕事をしているCM音楽会社のミスターミュージックさんの40周年を兼ねたコラボ企画の個展。
2月末日、僕は、こころをワクワクさせながら、原宿のスージー氏の個展会場に出かけた。
展示されている作品は、80年代から始まっていて、今もなお創り続けられているミスターミュージックのグリーティングカード用として描かれた、アナログ&デジタルの約70点。
「今回の個展は、前に本も創ったのですが、ミスターミュージックさんの40周年記念と私とのコラボ展です。約36年間、描き続けているグリーティングカードのイラストの集大成です。自由度が高い作品ですが。暑中お見舞いやクリスマスカード、年賀状と、使用目的がきまっています。」
こうしてスージー氏のイラストが壁一面に集められて展示されると圧巻である。
スージー氏のイラストへの情熱がビシビシと伝わってくる。
「イラストレーターは、ある意味、チャラチャラしていないとダメなんです。イラストは遊び要素が多いですからね。イラストを遊び道具のようにして仕事をしますからね。それと、私自身は、基本的にはマニアックな絵が好きなんです。一部の人が支持する絵ですね。へんなものを描いた絵とか、毒の部分がなくては、ダメだと思う。キレイとか、かわいいとか、かっこいいとかはいいんですが。やはりそれ以外の表現があるといいですね。あまり一般的ではない変わった表現ですね。
若いイラストレーターでいま注目している人は、Kneeenue(キーニュ)さんですね。日本人が描いたイラストっぽくないところと、性別不明の描きかたがおもしろいと感じました。」
さすが、スージー氏、他の人の才能を見つけるのが早い。的確な視点をもっている。
小学生などの未来のイラストレーターに一言、という質問もしてみた。
「絵が好きなら、ずっと描いていってもらいたいですね。へんな意味ではなくて、例えば、ひきこもりの子の場合は、だいたい絵が好きでしょ。絵は、自分の世界に入らないと描けないから。たまに回りの人とうまくやりながら、ひきこもって絵を描いていってほしい。
イラストレーターになるには、若いときに、いろんなクリエイターに観てもらい、アドバイスをたくさん受けることですね。僕が刺激を受けた人は、元祖ヘタウマ・イラストレーター湯村輝彦氏ですが。師匠というより、ファンでしたね。」
僕も、湯村輝彦氏にはデザイナー時代、多大な影響を受けた。
「私のイラストは、私を知らない若い人にもっと観てもらいたいですね。そしていろんなものを吸収してほしい。個展の会場に来てくれた20代ぐらいの女性は、お母さんがファンでした、と、言っていました。お母さんに、私のイラストが描かれたTシャツを買っていったら、ものすごく喜んだと言っていましたね(笑)。」
イラストの話になると、すこぶる饒舌になるスージー氏。
これは、もうイラストと恋愛をしているのだと言っていい。
仕事と恋愛する。それも、自分の道を極めるひとつの方法だと思う。
仕事のスキルを高めるのなら、恋愛感情が生まれるぐらい、仕事と恋愛をしよう。
仕事が恋人。
あなたは、いまどれくらい仕事と恋愛していますか。
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