2019年TCC新人賞受賞。博報堂の熱気溢れるCMプランナー、鈴木智也氏。
「お茶は、揉まれて傷がついて、ええ味が出るんですって。」
2019年の東京コピーライターズクラブ、新人賞受賞作品。
僕のこころに一番刺さった、サントリー 伊右衛門のCMコピーである。
傷ついたりしながらも、いい味を醸し出すようになる人。
制作者は、CMプランナーの鈴木智也氏。ぜひ、鈴木氏にお話しを聞きたく、大手広告会社の博報堂にお伺いした。
「実は、エモーショナルなCMが僕自身ならではの作風ではないのです。
仕事、お題が出て、これはエモーショナルなものを創るのが、正しい答えだな、と思い、完成したCMなんです。
僕は、こんな課題があるけど、これを解決するコミュニケーションはなんだろうと考えて、CMを制作するタイプ。
エモーショナルだけでなく、笑いに関しても、興味もありますし。
まだまだ自分の中で、新しいコマーシャルの世界に挑戦してみたい、という気持ちがあります。」
鈴木氏は、毎回のCM創りによって、毎回違う答えを探し出していくタイプのクリエイターなのだ。
「これからは、クライアントの方がまかせてくれる、そういう関係をつくっていきたい。
商品を与えられたときに、これが自分なりの答えじゃないか、というのを確実に発揮できる環境にしていく。それが僕の進もうとしている道です。
CMは、自分の中では、ちょっと過激な言葉になってしまうけど、壮大な実験かなと思っていて。すごく奥の深い世界だと感じています。
そこに足を踏み入れた以上は、さまざまなコミュニケーションの実験をしてみたいと考えています。
それによって、自分の中にいろいろな引き出しが増えたりとか、もっと勉強をしていくきっかけになったりとか、一歩でも二歩でも前へ進むことができればと思っています。
自分の人生においてCMは、自分の可能性を拡張してくれる大きな存在です」
鈴木氏のCMにかける深遠な夢は、遠い未来をまっすぐ夢みるように、いま、広く、大きく、ゆっくりと動きだそうとしている。
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