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フードディレクター、クリエイティブディレクターのエドワード・ヘイムス氏。浅草で人気のおみそ汁専門店MISOJYUのメニュー開発をはじめ、お店のブランディングを考えたり、内装のディレクションまでも行う、外国人クリエイターである。エドワード氏がメニューを創った、MISOJYUの朝やお昼の食事。おみそ汁をメインにして、日本人が忘れかけていた味覚を思い出させてくれる、画期的なメニューなのだ。

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エドワード・ヘイムス氏は、東京生まれの外国人。18歳で渡米。1970年代、当時のアメリカのオーガニック料理に
刺激を受けながら、写真家として活動、その後日本に帰国。独特の感性を活かし、フードディレクター&
クリエイティブディレクターでエドワードマジックを駆使しながら、さまざまなキャリアを積んでいる。


「フードディレクター、クリエイティブディレクターとは、エドワード氏にとってどんなお仕事でしょうか。」

「メニュー開発から、お店の内装、器、ショップコンセプト、ブランディング、プレゼンテーションなど。
全部含めての総合的なディレクションの仕事ですね。」


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「情報収集なんかは、主にどういうことをしていますか。」

「話題のお店とかは、必ず食べに行きますね。あと、食に関しては、世界の動向を必ずチェックしていますね。

ネットにそういうチャンネルがあるので。海外の専門チャンネルで情報収集しています。ジャンルに関係なく、
情報を追っていくということはとても大切です。例えば、食でいえば、いま肉のかわりにプラントフードを使う傾向があるんです。

フェイクミートというやつ。
それって健康に良さそうですけど。実は違います。
オーガニックでも気をつけないと、シンボルだけで動いちゃうとまがい物に出会うことも多々あります。

オーガニックだから全ていいわけではなくて。やはりタネから、土から、環境から、全部考えたうえでのオーガニックだったらいいけど。
健康だ、ということで売っていく商法がたくさんあるから。

日本だけじゃなくて、
世界中でそうなんだけど。気をつけてみていくことが必要です。美味しくないオーガニックもあるし。
生産者が熟練している人じゃないと、美味しい野菜は作れないと思います。若い子たちは、真剣にオーガニックを栽培したいと行動しているけど。
美味しい野菜を作るには、ものすごく時間がかかります。」


「フードディレクターのお仕事をして、どんな経験が活きていますか。」

「私は本職は写真家だったのですが。いまは食も含めて、クリエイティブとしての情報収集を独自にしたり、
試したり、生産者の方にも会いにいったりしていますね。
以前は、写真家として世界中の食を巡りましたが。

その食の世界を入口にしてクリエイティブの領域に入りました。写真家としては、ファッションのコマーシャルフォトが中心でしたが。
帰国したバブルの頃、食の撮影で三ツ星とか、
ミシュランとかの特集が多くあって。
それがきっかけで、食の裏側とか、生産者とかを知ることになり。
ワイナリーもいいところは
ほとんどまわって、味見をして、シェフと話して、フルコースなどの工程も見せてもらって、キッチンなども見てきました。
その経験がいま活きていますし、
これからも活かせたらいいなと思っていますね。」


「浅草MISOJYUに関してですが。エドワード氏は幼少の頃、日本に居たときからおみそ汁に馴染んできたのでしょうか。」

「おふくろが新潟の人だったんですね。
小さい頃から、おみそも、ぬか漬けもなにもかも手作りだったんです。
発酵食品を子どものときから食べていたので、おみそ汁に、違和感はまったくなかったです。
おみそなんか、特に馴染み深い素材でしたね。」


「18歳でアメリカに渡ったとき、オーガニック料理に刺激を受けたということですが。」

「オーガニックは、アメリカのヒッピーから発生していったんです。
ヒッピーの人たちは、ドラッグにすすんだ人と、
インテリの人たちの共同生活にすすんだ人とに、別れていったんです。
その共同生活のコミューンみたいなところから、
共同農業というのが生まれました。
アメリカは、当時、ジャンクフードの天国でした。
そこにローカルな手作りの食を見直そうと始まったのがオーガニックフードでした。
その第一派で有名なのが、カリフォルニア州のバークレーにあるレストラン、シェ・パニースであり、オーガニック料理の母と言われる
アリス・ウォーターズ氏でした。
私も1970年代にシェ・パニースに食べにいっていたんですね。
サンフランシスコのコミュニティにもいたし、オーガニックはわりと身近にあったんです。」


「浅草MISOJYUのコンセプトは、朝食と素材を大事にしよう、というのがあったと聞いていますが。」

「そうですね。朝食も大事だし。
野菜も基本的に無農薬を使っていたり、おみそも有機みそにするとか。
素材にすごくこだわっています。
朝食でおみそ汁を飲むということは、もともと日本の文化に普通に
あったことだし。
それが朝食は洋食化しちゃって。パンも大好きだけど、
またおみそ汁とごはんの朝食を見直そうという考え方から生まれました。」


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「浅草にオープンしたのは、どんなきっかけだったのですか。」

「書道家の武田双雲氏を中心に、チーム地球というプロジェクトがありまして。そのチーム地球の人たちと話していて、発酵食が話題になって。
なかでも、みそは発酵食の代表のひとつだね、ということになり。
みそ汁をメインにして、大きな具材を入れ、あとおにぎりなんかがあれば完全食になるねということになって。
日本の発酵文化を世界に紹介しようと、日本の観光地のメッカである浅草にお店を出すことに決めたんです。」


「おみそ汁のおみそは、島根県の山奥で見つけたそうですね。」

「そうです。おみそは、有機みそを使おうと最初から決めていて。
国内の有機みそを全部、試しました。
白みそを試したとき、島根の山奥の「やさかみそ」さんの白みそが甘さ加減、塩加減がちょうど良くて、
決めました。おみそ汁の出汁もいろいろ探して、北海道の昆布漁師から直接、真昆布を仕入れています。」


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「僕がMISOJYUで注文した、豆乳とホタテのとろーりみそポタージュと梅のおにぎりは、どんな感じなのでしょう。」

「海外の方たちにも味わってほしいと思って、いわゆるクラムチャウダー的なクリーミーなスープを感じるようなおみそ汁にしました。
アレンジみそ汁ですね。白みそベースなので、具材は里芋とかカブとか、
どちらかというと白みそに合う野菜を使っています。
トッピングにホタテをゆずみそととびこで和えたものを、
そのままのせています。
ミルキーな味になるように、ひと手間、アクセントをつけています。
梅のおにぎりは、
有機のオーガニックの梅干しペーストに、シソを絡めたシンプルなものになっています。」


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「フードディレクターとして、メニュー開発で気をつけていることはありますか。」

「まず生産者のところへ行って、商品をみて、いろいろ取り寄せて味を比較します。例えば、おみそはどこも美味しいけど、
塩気とか、甘味とかで一番ほどよいものを選びます。
そのお店やコンセプトに合ったものを選ぶのが大切です。
それぞれ特徴があるから難しいけど。自分の味覚の感性を重視しますね。」

「フードディレクター、クリエイティブディレクターになるために、どんな学びが必要ですか。」

「ご存知だと思いますが。まず、なるだけ食べ歩くことが重要です。自分で味を感じていないとね。
一番いいところへ絶対に行くべきですね。自己投資です。高いけど、そこからいろいろと比較していったほうがいい。
いいところを知らないで、
自分の好みだけで食べていると、ほとんど経験にならないから。
フードディレクターって、これからはもっと環境とか、生態系とか、地球とか。お店じゃなくて、地球に関わるような仕事になってくると思う。
あと、インターネットは圧倒的に英語の情報が多いし。
いい情報をチョイスできるから、ぜひ、英語を好きになってほしい。
日本のインターネットの情報では、受け売りしか入ってこないから。
いい情報を得るのは難しい。ネット時代は、英語は必須です。」


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日本人よりも日本人らしい外国人。
日本をとても愛している、エドワード氏。
日本人の繊細な感性と外国人のナチュラルな感性を併せ持ち、
独自の世界観をもっていると想う。
これからの日本の食の世界は、エドワード氏のような感性、世界観が必要ではないのか。

浅草MISOJYUによって、食に新しい風が吹いている。
美味しさの感じ方も変わるかもしれない。

僕は、想う。
これからは、舌で感じる美味しさよりも、
こころから感じる美味しさへ。

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コピーライター/インタビュアー/吟遊詩人/キャッチコピーは、生きろというメッセ―ジも持っている。食の広告ではこれを食べて、衣服の広告ではこれを着て、採用の広告ではここで働いて、生きろと。今日も僕は「みんな、生きろ」とキャッチコピーを創り続ける。