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黙っていても存在感のあるやつになれ。上司にそう育てられた。小笠原聖佳(おがさわらせいか)。

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皆さま、人生の60きっぷ、そしてクリエイターズファイルと、ブログにいつも訪問してくださり、ありがとうございます。

人生の60きっぷ・ブログを本格的に立ち上げたのが昨年の6月中旬。

その後、ブログは、クリエイターズファイルにリニューアルしましたが、この6月で、1周年を迎えました。

これも、皆さまが積極的に、小笠原のブログに訪問してくださるおかげです。感謝です。

ここで、僕が若いとき、上司から、どういうふうに育てられて、コピーライターになったか、お話ししましょう。

いま想うと、本当に独特な育てられ方をしたなと、感じています。

コピーライターになったころ、僕の上司は、オリエンテーション、プレゼンテーション、撮影立ち合い、録音立ち合い、企画会議、あらゆる仕事場に、連れていった。はじめてだから、何も話せない。

それなのに、なぜ?

上司は言った

「小笠原はしゃべらなくていい。ただそこにいるだけでいい。そこにいるだけで存在感のある人間になれ。」

と、よく言われた。

僕は、決して無口ではなかった。だが、慣れないいくつもの仕事場に出向くと、緊張し、無口になった。

ただそこにいるだけでいい。それで存在感が出せるだろうか。

何度も自問自答した。しゃべらなくては、存在感は出せないのではないか。

上司は、僕がコピーを書いていないときは、いつもプレゼンテーションや撮影立ち合いなどに連れていくようになった。

そのうち、話さなくても堂々としているようになった。

上司は、言った。

「そう、それでいい。少しずつ存在感が出てきたぞ」。

僕は、会社で、コピーを創っているときも話さなくなった。

が、それが集中力を養う結果になった。

集中してコピーを考えているとどうなるか。創作欲がよりいっそう湧いてくるのである。

そうして上司に、しゃべらなくていい、そこにいるだけでいい。と、言われ続けているうちに、話さなくても、堂々とフツウにしていられるようになった。

沈黙や無口を恐れなくなった。いい意味でも、悪い意味でも、あいつ、誰?とよく言われるようになった。

そういう育てられ方をしてきたから、話さないぶんだけ、いっそうコピーに集中するようになった。

話さないぶんだけ、コピーにこだわりをもつようになった。

そして無口のぶんだけ、いいキャッチコピー創りへの強い意欲が生まれた。いまなら理解できる。

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上司は、僕を内面から、コピーライターとして育てたのだ。

コピーライターとしての、書き方や企画力、発想力、そうしたスキルではなく、僕のこころを、コピーライターに育ててくれたのだ。

※この記事は2019年6月24日に掲載されました。

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