言葉遊びが楽しい。コピーライターがオーナー兼プロデューサーのカフェ、「なんとかプレッソ2」
大規模な開発により、ネオ・スーパー・シティに生まれ変わろうとしている渋谷に、僕はウキウキしながらやってきた。
目指すは地上47階建ての、渋谷スクランブルスクエア。
このビルの2階にあるコピーライターが創ったカフェ「なんとかプレッソ2」がいま注目されている。
店名を聞いただけで、オーナー(友人と共同経営)の昼はコピーライター石井ツヨシ氏の、センスある言葉の感性にビビッと反応してしまう。
石井氏は、2018年に、神戸女学院のコピー「女は大学に行くな、という時代があった。」が、SNSや新聞、テレビで話題になった注目のクリエイターである。
「コピーライターになってからは、ミーハーになることをこころがけています。新製品が出たら、試してみたり、受け手として感性をおもしろがるようにしている。
コピーライターになり、上司から言われて、こころに残っている言葉は『頭で書くな、こころで書け。』というアドバイス。
この言葉は、今までコピーを書くうえでの助けだったり励ましになっています。
制作会社から、フリーのコピーライターになってからは、本来の自分にあった仕事が増えている気がする。」
カフェのオーナーになっても、コピーライターへの熱力で、こころを躍らせている石井氏。
先日、知人と話をしているとき、自分は3つのことを気にしていることが分かったんです。
ひとつは、言葉。次が、こころが動いたことを探していること。
例えば、『ぱんつくった』という、うちのカフェの商品があるのですが。
理屈じゃなくて、フルーツがたくさん載っているのがうれしく、こころが動いてしまった。
3つめは、気づき。うちの『サンド不イッチ』という商品は、ネーミング通りに、上下のパンが違うんだけど。
これは、なんでサンドイッチは、上下のパンが一緒なんだろうという気づきから生まれたんです。」
感覚的かなと思うと、とてもロジック派でもある石井氏。
「言葉についても考えていることがあって。例えば、『クチベタな人がひねり出した、ひとこと。』
上手く話せないけど、でも上手く話すほうが伝わるとは限らない。
クチベタは、クチベタなりに伝わることがある。そう実感しています。」
石井氏のカフェは、展開ブランド名にエネルギーを注いでいて楽しい。
例えば、「ぱんつくった」は、パンツクッタコトアル?というフレーズをネーミングにした、フルーツのオープンサンド。それと同じデザインのボクサーパンツも販売していて、おもしろい。
「ニクヨーカー」は、都市と肉欲がコンセプトの、肉を使わない健康志向のホットドッグ。
「パンも飛べるはず」は、明日の朝が楽しみになるパンを、ということで創られた、会社帰りなどに買いたい食パン。
「へのへのこーひー」は、スイーツコーヒーという新しいジャンルのコーヒー。
店名に、商品名に、次々と言葉の新しい風を注ぎこむ石井ツヨシ氏。
「なんとかプレッソ2」は、まさに言葉遊びカフェと呼びたくなる、ウルトラユニークなショップだ。
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