デザイナー、赤沼夏希氏。京都の職人とオリジナルのふろしきを制作し、166人のクリエイターとともに出展。
アートやデザインの面白さをたくさんの方に味わってもらおうと、1990年から毎年開催され、
今年も11月26日(火)~12月21日(土)まで、銀座で行われているチャリティープロジェクト。
今年は、167人のクリエイターが京都の職人とともに創る、オリジナルデザインのふろしきがテーマでした。
タイトルは「ふろしき百花店」。グラフィックデザインの登竜門、2019年・JAGDA新人賞を受賞した期待の星、大手広告会社、博報堂のデザイナー、赤沼氏も参加し、
今までにない新感覚で風呂敷をデザイン。
「ふろしきって、伝統的な技法なので、なるべくそう見えないようにしたいな、と、思いまして。
マーカーを使って、ストレートに表現。実家で犬を飼っていて。
犬をふろしきのモチーフにしても面白いなと感じまして。犬の種類は、ボストン・テリア。
足が白い靴下を履いているような不思議なかわいらしさをもつ犬で。
その犬を描く線もデジタルでなく、揺らいでいる線がおもしろい、と思い。
マーカーで手描きの線を描いたんです。」
手描きの線から赤沼氏独特の味わいがうまれ、デジタルでは決してできない、斬新な表現になった。
犬の顔は、どうしてデフォルメされたのだろう。
「足が長いのが特徴なので、なるべくその足が目立ったほうがいいな、と、思って。」
動物が好きなんですね。
「動物の発想は、民族系から出ていまして。
民族系のライオンとか獅子とか、そういう動物がおもしろいなとずっと思っていて。
それを身近な動物で表現すると犬になるのかな。」
このふろしきは販売もされ、購入することもできるそうですね。
「ボストン・テリアを飼っている方に、このふろしきは持ってもらいたいですね。
こういう一枚絵は、掛け軸みたいに飾ってもらっても素敵だと思う。
ふろしきのデザインは、畳んだときをメインにするパターンと一枚絵をメインにするパターンがあるんですね。
もし次、創る機会があったら、畳んだときをメインにしてデザインしてみたい。
例えば、ふろしきをまいたときに犬に見えるとか。」
来年もこうした企画のお話があったら、挑戦してみたいですか。
「ぜひ、チャレンジしたいですね。
こういう企画展は、忙しいデザインの仕事の合間での、こころの開放と新しい自分発見になっていると思います。
デジタルも好きですけど、ぬくぬくした体温を感じる、
手描きの線とかが最近、気になっています。」
赤沼夏希氏の手描きの線に、
僕は、人間を感じる、
僕は、生きているを感じる。
その不器用な線からは、
人間の一生懸命生きている姿が見えてくるんだ。
撮影:前田 洋一(株式会社スタジオヨンジュウイチ)
※この記事は2019年12月5日に掲載されたものです。
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