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もしゲームの中に閉じ込められたら 4

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オレはハヤテ。22歳。

大学4年。就活の真っ只中だ・・・。

今のところ、東京の企業数社から内定をもらっている。

そのうちの1社に就職を決めた。

一人暮らしする部屋も確保し、あとは引越しを待つばかり。

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トオルは、一旦ゲームを中断した。

キャラクターが大学生まで進んだ。

次のステージでは、東京。

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オレはハヤテ。

東京のIT企業に就職した。

就職して2年・・・

会社がやばい。

先日、社長が突然亡くなってしまった。

会社の経営に関して、社長の親族が口を出してきているらしい・・・。

噂では、リストラもあるかもしれない。

そんな噂が飛び交っている上に

先日、オレを可愛がってくれている山下先輩から誘われた。

「知り合いの会社(大手製薬会社)でオペレーターを探している。

ハヤテ、そこに行かないか?給料もいいらしいぞ」

このお誘いは、先月早々に会社に見切りをつけ辞めていった島崎先輩の

就職先だった。心配したオレをそれとなく誘ってくれたのだ。

しかし、まだ正式に会社の方向性が出ていなかった為、この会社に残る

決断をした・・・・途端に・・・・

会社からリストラの話が来てしまった!

確かにオレは入社2年目、まだまだペーペーだけど・・・

オレか?

リストラは社歴が浅い人間が主に選ばれた。

中堅所でも、何人か対象になっている。

「こんなことなら、山下先輩の誘いを断らなければよかった・・・泣」

まあ、そんなことも言ってられまい。

幸い、会社都合の退職とあって、次の仕事はすぐに決まった。

次の勤務先は虎ノ門。電車で五十分だが乗り換えが1回で済むので

かなり楽だ。

新しい会社にも慣れた頃、ふとオレは電車の中で強烈に感じた。

「これでいいのか?」

「毎日、毎日、電車に揺られ、会社に出社する毎日でいいのか?」

なぜか分からないけれど、強烈に、鮮明に伝わってきた感覚。

「なんだろう、この強く鮮明なメッセージは・・・」

しばらくそのことについて感じていたが

「そうはいっても、オレはサラリーマンの家庭に育った。

サラリーマン以外の生き方を知らない。どうすればいいのかも分からない。」

強烈なメッセージにもかかわらず、深く気にしないことにした。

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トオル

トオルは、ゲームの中のキャラクターハヤテに、ヒントを送った。

しかし、キャラクターの覚醒がまだほとんどできていない為、

そのメッセージに気がつくことが出来なかった。

「う〜〜ん、始めのリストラの試練で、メッセージを受け取れるようになったかと思ったけど、まだ早かったか。よし、どんどん続けよう。」

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©️2020/1 ひかり

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