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もしゲームの中に閉じ込められたら 15

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ハヤテ(トオル)は、常に自分がどんなことを考えているのか意識するようになった。

いろんな人にも会いに行った。

視点が高くなることで、見えてくることが沢山あった。

この世界のステージは段階があるが、ステージが低いキャラクターの性格は「依存的」であるキャラが多いこと。

それ以外にも、ステージが低いと他のキャラクターを攻撃しやすい、狡猾、騙す、足を引っ張る、そういった行為に走ることが多いこと。

全てはキャラクターが選択している現実が現れるということは、そのキャラクターが口にしていることに注意していれば、自ら、どんなキャラクターであるかを暴露してくれているということ。

目の前の現象を見ることで、自分の思い込みを知ることができること。

ステージの高いキャラクターは、自分の知っていることを発信、表現しながら楽しくゲームに参加していること。

そこで、ハヤテ(トオル)はふと、思った。

オレは、一体、何を望んでいるんだ?

自分の思い込みが反映されるということは、自分が望む思い込みを反映させればいいわけだ。自分が望むことだったら、軽やかな気分になるから、感情もコントロールできる。

今まで自分の望みなんてあまり考えたことなかったな。トオルのオレもハヤテのオレもサラリーマン家庭に育った。どこかの組織に所属して、定年まで働いて、その間に結婚して、可愛い子供に恵まれて、引退後のわずかな時間で人生の自由を楽しむ。それが当たり前だと思っていたけど、このゲームの世界ではそれは当たり前ではにことに気づいた。

自分の望みを明確にし、自由に軽やかに人生を楽しんでいるキャラクターがいるということは、それを望めば、この世界のオレもそれができるということではないか?それが覚醒しているということなのではないか?

ハヤテ(トオル)は、自分の望みを掘り下げることにした。

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©️2020/1 hiro


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