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木製パネルに絵を描く① (下地処理)
800×800mm サイズの絵を描くことになり、その下絵っていうのはこんな具合に作成するんだよ、という記事を2週間前に書きました。
で、この続きです。
今回は、木製パネルに直に描きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1681709420323-GsYtoZXewO.jpg?width=1200)
木製パネルは、ベニヤ合板の裏面に角材を組んで補強して作られているもので、ここに紙を貼って絵を描いたりする他に、写真や布を張り込んで作品を制作する方もいます。
今回の場合は下地が木のままの方が都合が良いので直接描くんですけど、その際に気をつける点についてを先に触れておきたいと思います。
それは、ベニヤの種類。
木製パネルに用いられるベニヤは主に2種類で、ラワン材とシナ材です。
ラワンは表面が粗めで凸凹がありヤニが出やすい素材で、シナの表面は比較的きめ細かくヤニが出にくいという特徴があるため、直接描く場合は「シナベニヤ」の木製パネルを使うのがポイントです。
シナベニヤはヤニが出にくいといってもゼロではないので、下地処理としては「ヤニ止めシーラー」を塗った方が心配ないんですが、今回制作するものは「モデリングペースト」と「ジェッソ」を使うので、シーラーは塗らないことにしました。
ちなみに、モデリングペーストとは、「アクリル画に立体感をつける盛り上げ用の地塗り材」をいいます。
パテ状の下地剤なんですけど、「粗い粒子を含んだ色のついていない絵具」みたいなもんですかね。
盛り上げると立体感が生まれ、 乾くと固形化してナイフ等で削れます。
ジェッソとは、「上に塗る絵具の定着や発色を良くするための地塗り剤」のことで、目止めの役目も果たし、絵具のような色材としても使用できるっていう便利なアイテムです。
要するに、「この2つで下地処理をする」ってことですね。
とはいえ、「ベニヤの下地としてモデリングペースト&ジェッソを直接塗る」っていうのは初めてなので、これで大丈夫かは正直わかりません。
描き上がらないとなんともいえないので「正解かどうか今はわからない」というのは先にお伝えしておきます。
レポートってことで、参考にしていただくと良いかと思います。
出来上がりイメージはこんな感じで
![](https://assets.st-note.com/img/1682049401135-WdlRwvLyeH.jpg?width=1200)
モデリングペーストは背景 (赤) 部分に、ジェッソは人物部分に塗ります。
まずは、モデリングペーストから。
モデリングペーストはたくさんの種類があるんですけど、今回の作品は表面にざらつき感が欲しいので、ホルベインの「パミス」を使うことにします。
![](https://assets.st-note.com/img/1681712180122-CUBCbGHJQH.jpg?width=1200)
これは、仕上がりがコンクリートっぽくなるんですね。
ペインティングナイフなんかで塗りつけていくのが一般的ですが、ウチにはそれがないので、タイル貼りの道具からスクレーパーを代用することにしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1681712488741-9jzXSYCALF.jpg?width=1200)
使いづらそうな印象だったんですけど、思いの外キレイに塗れましたね。
![](https://assets.st-note.com/img/1681795074889-MAYmcQ0ZNT.jpg?width=1200)
ざらつきと凸凹具合がいい感じになりました。
次に、ジェッソを塗ります。
ジェッソ部分の表面はなるべく滑らかにしたいので、ホルベインのジェッソS 微粒子タイプを使うことにしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1681795194241-01HiqPGjpQ.jpg?width=1200)
一度に厚塗りしないで数回に分けて塗るとキレイに仕上がるので、乾かしながら塗り重ねていきます。
ごく普通の刷毛を使うと毛が抜けたりしてとても煩わしいので、スポンジブラシで塗ります。
![](https://assets.st-note.com/img/1681795668960-yQT2OdZt0Z.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1681795931530-XobDEmNrJU.png?width=1200)
少し水を加えると塗りやすく美しく仕上がるんですけど、スポンジブラシを使う場合はスポンジに水を含ませすぎないように気をつけて。
なぜなら、こうなるからです↓
![](https://assets.st-note.com/img/1681795948496-cXsrG7gRZg.png)
思った以上に水を吸い込みますから、スポンジを水に浸したら指で絞って、ジェッソを塗りましょう。
何が最悪って、「あ、垂れた」と反射的に拭いたらモデリングペーストがゴソッと剥がれる、っていうね。
( パネルを立てて塗っているので下に垂れちゃいましたけど、平の状態で塗る際も要注意です )
ジェッソは速乾なので数十分で乾くんですけど、モデリングペーストは指触乾燥まで30分くらい、塗り重ねできる乾燥までは数時間かかるんですよ。
ジェッソから塗ればよかったわ〜。
でももう遅いので、気をつけながら3回塗りました。
独特なニオイがあるので(アクリル絵具と同じようなニオイ) 、換気しながら乾燥させます。
完全乾燥は1日あれば十分ですが、念のため2日ほどそのままにしておいて、この乾燥待ちの間にお試しをしてました。
ジェッソを塗った部分はペンで描きたいので、キレイに描けるかどうか?を試してみます。
端切れの板にジェッソを塗ってヤスリをかけたところにペンで描くんですけど、普通の (いつも使っている) ドローイングペンではなくこのペンを使う予定で
![](https://assets.st-note.com/img/1681798522906-mwv2RY28X0.jpg?width=1200)
極細までしっかり描けるか?確認したところ
![](https://assets.st-note.com/img/1681798571754-iSSgO41H2C.jpg?width=1200)
描き味は問題ありませんでした。
端切れの木が桐だっため表面の凸凹がキツく、インクが筋(溝)に入ってしまいましたけど、滲みやカスレなどはないので大丈夫そうです。
この後の作業の準備は整ったので次へ進むつもりが、モデリングペーストの盛りが甘かったのか?所々ベニヤが透けて見えてしまっているのがわかり、中断。
![](https://assets.st-note.com/img/1682050436115-7QOT1WIUR4.jpg?width=1200)
乾いたら水分が飛んで、やせてしまったようです。
薄く塗りすぎたんでしょうね。
もう一度この上から塗り重ねることにしたので、この続きはもうしばらく先になりそうです。
モデリングペースト選びに参考になりそうなサイトがありました。
興味ある方はこちらをのぞいてみてください。
続きはこちら↓
みなさまのご支援に感謝します。