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アクリル絵の具

数年前から、作品はペン画が主になっていて、絵の具を使うことなんてほとんどなくロッカーの奥にしまい込んでいたんですけど、「カラー作品を描いて欲しい」というリクエストがあったことから、久しぶりにアクリル絵の具で描いてみようと思いましてね。

カラー作品では昨年、壁画や

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シャッター画、

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最近では、金属プレートに簡単な絵を描いたくらいで

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紙に描いたものはひとつもありません。

あまりにも久しぶりすぎて、しまい込んでいた絵の具がちゃんと使えるのかどうかもわからないので、チェックがてら感覚を取り戻すためにまずは絵の具の色見本を作ることにしました。
作成するのは、ホルベインアクリラガッシュの色見本です。

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いくつか、昔のチューブが混ざっています。
今の絵の具チューブはポリエチレン樹脂製になっていますけど、30年くらい前はアルミニウム製?で、入り口で絵の具が固まるとフタが開かなくなって無理やり開けると引きちぎれる、っていうシロモノでした。
この、ひと昔前のシロモノのいくつかは、固まったり分離したりしてダメになっていましたが、写真にあるものは今でも大丈夫そうだったので使ってみることにします。

その前に、
ガッシュって何?
アクリル絵の具のこと?
という方もいると思うので、簡単に説明しましょう。

まず、アクリル絵の具というのは、顔料とアクリル樹脂の溶液で練られた絵の具のことで、乾燥が早く乾くと耐水性になります。
で、透明タイプのものを主に「アクリリック」(←メーカーごとに若干呼び名が違います)といい、不透明タイプを「(アクリル)ガッシュ」といいます。
簡単にいうと、「ガッシュ」と呼ばれないものはほぼ透明タイプです。

透明タイプ(アクリリック)は、塗り重ねることで下の色を生かした作画ができるのが特徴です。
アクリル絵の具の代名詞ともいえるリキテックスで試し塗りをしてみます。
イエロー→レッド→ブルーの順に塗り重ねると、こんな感じに↓下の色が隠されることなく混ざった状態になるのがわかりますか?

リキテックス3色

透明タイプは筆跡やムラが残りやすいので、丁寧に塗り進めることを心がけるのがポイントですが、ムラを模様として表現することで偶発的な絵柄を楽しむことも出来ますし、リアルな描写にも向いています。
淡い水彩画はもちろん油絵のような描き方も可能で、アクリル樹脂が多く柔軟性があるため厚塗りをしてもヒビ割れることはなく、独特の艶のある作品に仕上がります。
付着力が強く、ガラスや木材、コンクリートなど様々な素材にも描けますよ(その際は、下地処理が必要です)。
透明タイプの製品は、ホルベインアクリリック/ターナーゴールデンアクリリックス/アムステルダムアクリリックカラー、などがあります。

不透明タイプ(ガッシュ)は、筆跡が残りにくく均一でマットな仕上がりになるのが特徴で、質感としては、艶のない粉っぽい印象です。
濡れている状態では沈んだ色合いですが、乾くと鮮やかな色味になります。
不透明なので下の色に影響されにくく、ベタ塗りで表現するイラストなどに向いています(細密描写も可能です)。
ただ、厚塗りすると割れてしまうので、透明タイプで出来る油絵のような塗り方は出来ません。厚塗りをしなくても、丸めたり折り曲げたりすると画面が割れることがあるので、持ち運びの際は注意しましょう。
乾くと耐水性ですが表面が汚れやすい(擦るとテカる、傷がつく)ので、仕上がったら保護スプレーをかけると良いと思いますよ。
ちなみにワタシは、ホルベインのデザインコートを使います。

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これは、スプレー後もその上から描けるので、保護しながら描き進めることが出来るんですね。
先にも言ったように、ガッシュは乾くと表面が粉っぽくなって滑りが悪くなるので、塗り重ねる際にこれを使うと表面が滑らかになって塗りやすくなります。
(商品説明には「鉛筆や木炭の定着液としても使える」と書いてありますけど、ちょっと弱いように感じます。これらを完全に定着させたい時には、「フィキサチーフ」をオススメします。)
不透明タイプの製品は、ホルベインアクリラガッシュ/ターナーアクリルガッシュ/アムステルダムアクリリックガッシュ、などがあります。
(補足:ホルベインのサイトを見てみると、ガッシュの名称は「アクリラガッシュ」から「アクリリックガッシュ」に切り替わるようです。)

ってことで、今回は「ガッシュの色見本」を作ります。
A4サイズのイラストレーションボードに2×3cmの長方形を均一に配置できるよう、計算して直線を引き

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マスキングテープ でガードしながら色を塗っていきます。

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2〜3度塗り重ねると綺麗に仕上がるので、根気よく丁寧に作業して、4時間ほどで持っている全ての色が塗り終わりました。
マスキングを剥がしたら、カラーのナンバーと名前を書いて完成です。

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今後、数色増やす予定なのでまだ加わりますが、現時点での色見本としてはこれで完了になります。
色が移り変わる感じに絵の具チューブを並べてから塗ったんですけど、完成したものをじっくり見てみると、色の並びが気になるところがあります。

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実際に塗ってみないとわからない、ということですね。

ワタシがホルベインのガッシュを使うのは、ターナーに比べて絵の具ののびが良いように感じるからですが、色数は全107色です。
ターナーは全221色なので、いろんなカラーを楽しみたい方はターナーアクリルガッシュの方が良いかもしれませんね。

カラー作品の画材としてはリキテックスも外せないんですけど、まずはガッシュでリハビリする感じで、アクリル画の感覚を呼び起こしたいと思います。

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