悩ましきこと。

自分の処遇についてはまだ決めかねている。ただ、コミュニティを広げる機会は残しておきた気もするが、いかんせん代償が大きいからなあ。すぐにきめられることではない。

わたしはある時から、オンライン上の方のコミュニティのほうが、広く、密になったので、ネット社会にへんな危機感とかはない。逆に危ない気もするが、それで事故ったら道を歩いてて事故に合うようなものだろう。影響は大差ないような職業をわたりあるいている。
そして、年末忙しすぎて遊び相手がいなくなったので、アプリを再開した。じつに1年ぶりである。
今回は前回と意味合いがぜんぜん違うので、釣り画像も使ってないし(名誉のために一応言っておくが、被写体はすべてわたし本人であり、『こういう画像を使ったらどんなひとが釣れるのかなワクワク』という加工はした)、正直に友達がほしいで登録している。
マッチングアプリをするようになって、こじらせ系の大人と呼ばれる年齢が、一定数集まることを知った。
今回も、そのいわゆるこじらせ系がこれでもかってくらい自分を下げてきたので、面白そうと思ってマッチングしたわたしに失礼である旨のことを伝えたら、過去の話をされた。そして、わたしは自分の小学生のころの事件を思い出した。

ひとりは、転校生だった。近所だったこともあって、よく遊んだ。彼女の弟は母親似で美少年だった。彼女は父親似だった。だいたいそんなもんだ。だが、ここの夫婦、顔面偏差値が違い過ぎたのだ。当然のように彼女は男子にからかわれ、あろうことか彼女はそれをネタにしていた。わたしはいまでもその風潮が大嫌いなので、あすこを地元と呼びたくない。まあわたしも幼稚園に上る前に引っ越してきた民なので、地元民ではないからな。
彼女はそれでも無視されるよりマシだと思っていたのか、どんどんネタにしていった。わたしはホントにそれが嫌で、なんどもそういう話をした。彼女には辛かったのではなかろうか。3年生くらいのときに、父親の転勤で祖父母の家で暮らすことになった。わたしは、友達だと思っていたので手紙を書いた。返事も来た。いま思えば、結構ひどいことをしたのかもしれない。彼女は、戻る予定の年を超えても、戻っては来なかった。

どうように、わたしの学年にはマドンナがいた。明るく可憐な少女だった。男女ともに彼女が大好きだった。いまでいう、学校カーストの最上位にいるような子だった。
彼女の周りには、いちばん母集団の大きい女子グループの誰かしらが常に一緒にいた。しかし、彼女にはただひとりの親友がいたはずだ。彼女は優しかったのか、他の子が一緒に行きたがるのを断ったりしなかった。ちなみにわたしは、彼女が転校する日まで一度も話したことがなかった。
ウチの学年は、ヤンチャもヤンチャで、校庭の使用が禁止になったり、『ちょっと男子ィ』っていったり、そんな感じだった。そして、女子のイジメは陰湿だった。自分のグループ以外の女子を徹底的に陥れることをしていた。いま思い出しても怖すぎる。
男子は男子で、女子にモテたかったし、可愛い女子には好かれたかった。当然である。なので、破局しろといわんばかりにカップルを冷やかした。前述したマドンナには特定の彼氏はいなかったので、ちょっかいをだしてはとてもかわいいはにかみ笑顔と声で『もぉ〜なんでそういうこというの?』といわれるたびに男子は喜んでいた。
そして事件は起こった。
小学6年生の夏、彼女は転校することになったのだ。
担任は、『彼女が嫌だということを言う方もする方も勿論悪いが、それを止めなかったほうも同罪だ』といった。それから、クラスの全員に彼女がどういう状態だったか、知っていること、やってしまったことを言わせていった。
彼女の腰巾着と化していた女子は、自分を正当化することばかりを述べた。男子はからかってしまった事実を認めた。わたしは、本気で興味がなかったので無関心でいたけど、それでも知っていることがあったが、正直彼女はずっと笑っていたので、嫌がっているとは思わなかった。おそらく、クラスにいた全員がそうだったのだろう。
それでも、彼女は『転校したい』と親に切り出すまで、小学校のほぼ全てをひとりで耐えていたのだ。
そのあと、謝るにせよ何にせよ、ひとりずつ彼女に声をかける機会が設けられた。取り巻きだった子たちは、守ってあげられなくてごめんねと泣いた。彼女は笑っていた。わたしはホントに話したことがなかったので、ただ一言『元気でね』といった。彼女は泣いた。
そして、彼女はいなくなった。

それからもいろいろあった。
小学生から中学卒業するまで転校生同士で付き合っていたカップルは冷やかされ続けたのだが、あの二人はどうなったのだろうか。
わたしたちの幼稚園のときからの友人が、『みんなあの二人を冷やかしてたけど、俺も好きだったんだよ』と年の瀬に言った。高校1年生のときだった。みんなでバヤリースオレンジを飲み明かして、チャリで初日の出を見に行った。

ここまで書いた、だれひとりの行く末も知らない。
ただ、なんとなく、どうなったのか気になった。

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