宇野維正先生考察第七十九段 FM 802 THE OVERSEAS 前編の宇野先生編
久しぶりの宇野先生考察は恒例のタナソーとの大阪トークショーの際の関西キャンペーンの宇野先生の発言をピックアップしていきます。
それでは始めて行きます。
『はい、映画音楽ジャーナリストの宇野維正です』
深町さん「お二人は仲直りはされたんですか?」
タナソー「仲直りと言うか元々、友達でもないので。」
『そう、仲良くないですね』
『バンドとかでもそうじゃないですか。もう関係は完全に壊れてるのに興行のためにビジネスのために付き合い続けると言う。どのバンドだとは言いませんがそう言う物だと思って頂ければ』
『コーチェラは10人ぐらい誘って全員断られ、いよいよぼっちざコーチェラで行こうかと思ったんですけど、ただフェスって本当に一人だと寂しいじゃないですか。特にコーチェラみたいな世界中の陽キャの集まりみたいなフェスだと。流石に怯んで。なんせ僕はバッドバニーとフランクオーシャンが一番好きなアーティストで、BLACKPINKも観たかったんで。こんなトリが三つとも超好きなんて今後ないだろうなと思ったけど結局行かなかったんですが。配信で観てましたけどフランクオーシャンは配信もなくモニョモニョモニョって感じでしたが。無理してでも行っておけば良かったなあとまでは思わなかったのでちょっと残念』
『一番の目的だったフランクオーシャンはあれはあれで観たかったなあと思ったけど、期待していたような完璧なパフォーマンスではなかったし、バッドバニーも期待していたようなオーディエンスの盛り上がりではなかったし。配信で十分楽しめたとは思う。ロザリアだけは会場で観たかったけど。』
タナソー「でも、ロザリアは配信で観た方が楽しめる内容だった」
『そうなんだよねー』
『バッドバニーがLAで単独ライブをすればヒスパニック系の人たちが集まってスペイン語で大合唱になる。でも、コーチェラではそうはならなかった。数年前までコーチェラにラッパーも沢山出ていたが最近はコーチェラに出ないでローリングラウドに出たりしてコーチェラにラッパーが出なくなった。あれはラップのプレゼンスが落ちてるとかではなく棲み分けが進んできた。フェスは独特なものになって来た』
『俺は一体感を大事にしているからフェスの棲み分けは賛成している。フジロックとかサマソニとかってまあ今年のケンドリックラマーとか来ますけどずっとラップやブラックミュージックのスロットが少ないと言われてましたけど、コロナ前は海外のヘッドライナーはラップだらけなのに海外と違い過ぎると思ってたけど、気付いたら海外のフェスもロックだらけに戻ってしまって』
『だからサマソニとかフジロック の今のスロットが意外に世界基準になっていて気が付いたら一回りしてたみたいなね』
『BLACKPINKのライブは四人は最高だったけど冒頭のドローンを筆頭に訳がわからない演出が多くて演出面では課題を突きつけられと思う』
『コーチェラのトリとして最先端の物を届けられたと言われると疑問が残る。ファンが喜ぶだけのものだったと思う』
タナソー「ロザリアみたいにお金をかけないライブがー」
『あれはお金が掛かってます。ダンサーはマドンナのツアーメンバーとかですから。世界のトップダンサーって本当に数が限られてるんですよ。かつて80年代とかってマイケルジャクソンとマドンナがダンサーを取りあったりする。日系のダンサーとかもいらっしゃいましたけど。本当にロザリアのあとBLACKPINK観るとよく分かりますけどダンサーのギャラが一人20倍ぐらい払ってる。だからロザリアのステージは本当に金が掛かっている』
『BLACKPINKのライブはこの間の東京ドームがあってその後のコーチェラで、これから大阪もありますけどやってる事一緒だからさあ』
『フランクオーシャンへのバッシングを見てるとアーティストがこれからもトレンドのリーダーとして変革していく時代は本当にこれからも続くのかな?ってそんな気がしてる』
『ウィークエンドやドレイクみたいなやたら手数が多くて実は大人なビジネスがちゃんと出来る人は別として、それこそリアーナだってスーパーボウルやった後も子供のことはあるにしても相変わらず作品は出ないしさ。ビヨンセだってツアーをなかなかしないじゃないですか。本当のトップアーティストが、下手に動くとプロップスが落ちるみたいなことの象徴が今回のフランクオーシャンだったんじゃないかな?と思う』
『カリスマドリブンの音楽シーンは変わって来てるしね。国内見てもそうだし。僕とかって今日もフランクオーシャンの服着てますけど。宇多田ヒカルや小沢健二の本を書いて来たし、吐出した才能への興奮みたい物で音楽を聴いて来た僕みたいな人間からすると寂しいと言うか民主化され過ぎてると言うか偶発化され過ぎている感じがする。良くも悪くも』
『ダフトパンクの最近の解散した後のメンバーのインタビューが最高だった。2020年代に置いてロボットであると言うのは最悪のコンセプトだと。AIがここまで来た時代にロボットがカリカチュアでもなんでもなくなった。こんな時代にもうロボットは出来ないと。みんなロボットじゃんと。なるほどなと。匿名性みたいなものが変わって来た』
タナソー「PinkPantheress, Ice Spice でBoy’s a liar Pt. 2です。」
久しぶりの更新は大阪トークショウよりも真面目にカルチャーについて語るラジオでした。翌週のNewJeansおじさん降臨の方が楽しめると思いますので続きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?