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サクソバンク証券で米個別株オプション取引ができるようになりました~サクソ証券かIB証券か迷っているあなたに~

日本でもネット証券口座開設が急増中のなか、外国株式や外国株式オプション取引に関心を持つ人も出てきました。今般、配当に加えたリターンも可能となるオプション取引がサクソバンク証券でも可能となりました。あなたにはどちらが適しているのでしょうか?
   BOS(バフェット・オンライン・スクール)トレーナー  青山創星


P.S.
2021年10月4日からサクソバンク証券で特定口座の受付が始まりました。
特定口座についての詳細はこちらもご参照ください。
https://fpsdn.net/fp/saoyama/column/5579


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【この文章の対象者】
・外国株式、外国株式オプションでの投資をしている人、考えている人
・どの証券会社がいいか迷っている人
・IB証券とサクソバンク証券の違いを知りたい人


こんにちは、青山創星です。


世界のネット証券の口座が急増しているようです。

【サクソバンク証券で米個別株オプション取引ができるようになりました】


「新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から株式相場が急落した3月以降、米国の大手では新規口座開設数が2倍以上に伸びたほか、英国でも3倍近くに跳ね上がった」
「日本でも新型コロナが取引のデジタル化を後押ししている。ネット証券と対面証券のそれぞれ大手5社の口座数を見てみると、3月末時点でネット証券の合計は1235万口座と前年同月と比べ14%増えた。一方、対面証券はほぼ横ばいにとどまっている」(日本経済新聞 2020年5月26日)

そんな中、2020年5月2日からサクソバンク証券が外国株式オプション取引サービスの申込受付を開始しました。

今まで日本で米個別株のオプションを使いたいという時に選択できる証券会社は実質的にIB証券一択の状況でした。

このことはいったいどんな意味を持つのでしょうか。

最近、外国株、特に米国株への投資に興味を持つ日本人も増えてきました。しかし、まだその投資手法は米国に比べると大きく後れを取っています。
米国人といえども広く一般の国民が高度な投資手法を使っているとはいえずIFA(独立系金融アドバイザー)を通じてが主流のようです。
しかし、様々な投資手法を使って資産形成をしているという点では日本は大きく後れを取っています。

米国ではごく普通に資産形成に個別株オプション取引が利用されているようです。
オプション取引とは、一言で言えば株式の保険といったものです。
人間の保険は人間がけがをしたり死亡した時のリスクをカバーしてくれます。
それと同じように株式に何かがあったときのリスクをカバーしてくれるのがオプション取引というわけです。
しかも、更にすごいことには、オプション取引の場合には自分が保険会社にも簡単になれるということです。
保険会社にもなれるということは、自分がリスクを負う代わりに保険料をもらえるという立場にもなれるということなのです。
人間の保険について考えるとちょっと考えられないことでしょうが、株の保険に関してはそんなことが可能なのです。

アメリカで株式投資をしている人の中にはごくごく普通に株式についての保険会社の役割を引き受けている人がいます。
これを行うと、株式の配当とは別に更に保険料が定期的に入ってくるからです。
でも、賢明な人はこう考えるでしょう。
そんな怖いことできやしないと。
わずか数万円の定期収入が得られることと引き換えに何億円も支払わなければならないリスクを負うなんて怖くてできない。
そんなこと本当にやる人がいるのか。
とても賢明な疑問です。金融の教科書にも書かれています。無限大のリスクを負う可能性があるからオプションの売り手(保険会社)になってはいけないと。
しかし、ごくごく普通に行われているのです。
確かに、何も知らずにオプションの売り手になるととてつもなく大きなリスクを負うことになります。
しかし、ちゃんとしたルールを守ればリスクを限定しながら定期的な保険料収入を得ることが可能なのです。
そして、米国ではごくごく普通にそれが行われているのです。

それに比べて、iDeCoやNISA、投資信託、ETFといったものですら知らない人が多いのが日本の現状だというのは寂しい限りです。

しかし、最近では日本でもその取引手法を教えるところも出てきています。
実は日本の株式についてもオプション取引は行われているのですが、ほとんど知られていません。
そのため取引量もほとんどないに等しいくらいです。
これはとても残念なことです。
もっともっと取引が活発になれば日本人の資産形成の手法も多様化していくのではないかと思います。

こんな悲しい状況ですが、日本でも米国株投資をすればオプションを使って配当収入以外に定期収入を得るということができるようになります。
米国株の取引はSBI証券、マネックス証券、楽天証券といった日本のネット証券の他、IB証券やサクソバンク証券などでも行うことができます。
しかし、米国株式オプション取引のできるところは限られています。
それが先ほど申し上げたように、今まではIB証券ほぼ一択と言っていい状況だったというわけです。
しかし、それにサクソバンク証券という選択肢が加わることになりました。

このことは、投資に目覚めている人たちにとっては朗報です。
しかし、米国株式オプション取引は米国株式取引と一体となって行うことが前提となります。
そのようなことを勘案したうえで一体どの証券会社を使って投資をしたらよいのか、迷うところです。
ここでは、米国株式、米国株式オプション取引を行うにあたってIB証券、サクソバンク証券、そして日本のネット証券を代表してSBI証券(米国株式オプションはできません。米国株式の方だけです)を使うとどんな違いがあるのかについて詳細を比較してみたいと思います。


サクソバンク証券は、デンマーク金融監督庁の認可を受けコペンハーゲンに設立されたグローバルオンライン銀行であるサクソバンク(Saxo Bank A/S)の100%子会社の証券会社です。
そして、日本で金融庁の認可を受け第一種金融商品取引業者に登録している証券会社です。
これに対してIB証券は、米証券取引委員会(SEC)等の監督下にあり、米国コネティカット州のグリニッチに本社を持つ証券会社です。
両社に口座を持つことによる大きな違いは、日本国内に口座を持つことになるか米国内に口座を持つことになるかという点です。
日本の規制当局の監督下にある国内に口座を持つのか、米国の規制当局の監督下にある米国に口座を持つのかという違いがあることになります。

それらの違いは、具体的にはどのような点に表れてくるのでしょうか?

一つは顧客保護という観点、もう一つは資金の移動や税制の違いといったところに違いが表れてきます。
ここでは二つ目の違いである資金の移動や税制の違いなどに焦点を当てながら両者の違いについて比較してみたいと思います。

両社の違いを更に鮮明にするために、外国株式や外国株式オプションに関して、IB証券とサクソバンク証券の他に日本のオンライン証券で外国株式の取り扱いのあるSBI証券も比較してみます。



【取扱商品はどう違う?】


IB証券については、オフィシャルページには取扱い銘柄数等についての記載がありません。
Wikipediaによると「2018年11月現在[8]、世界31カ国の株式、先物、オプション、債券、金利、23種の外国為替、CFDを単一口座から取引出来ることが最大の魅力である。
世界120の取引所及マーケットセンターに接続されており、その大多数の取引所の会員資格を保有しいる」とのことです。
米国株式も米国株式オプション取引もできます。


サクソバンク証券については、オフィシャルページに「話題の米国株式だけでも6,000銘柄以上。中国株式(深セン・上海・香港)や欧州株式も取引可能」とあります。
米国株式に加えて、米国株式オプション取引もできるようになりました。


SBI証券については、オフィシャルページに「米国株取扱い国数はネット証券No.1」「米国株式約3,500銘柄」等とされています。米国株式取引はできますが、米国株式オプション取引はできません。


【サクソバンクではNISAや特定口座は使えるの?】


IB証券の口座は国内上場金融商品取引用口座(IBSJ口座)と海外上場金融商品取引用口座(IBLLC口座)に分かれています。
前者は、日本法人のインタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社が提供する一般口座で、後者は米国Interactive Brokers LLC との契約を日本法人であるインタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社が口座開設の媒介を行っている海外口座となっています。
つまり、前者は日本におけるルールに従うこととなりますが、後者は資産はIBLLC社での管理となり、税法、取引ルール、リスク開示情報等は全て米国におけるルールに準ずることになります。


外国株式の取引について、サクソバンク証券は一般口座の取り扱いしかありません。

これに対して、SBI証券では一般口座のほかに特定口座やNISA口座も扱っています。


但し、サクソバンク証券は公式ページの中のQ&Aで「現在特定口座には対応しておりません。特定口座の提供準備ができましたら、ホームページ上でアナウンスいたします 」としています。
将来特定口座に対応する予定があるようです。
但し、ここにも書かれていますが、一般口座で保有している株式を特定口座に移すことはできないので注意が必要です。

★★★追記:2021年10月4日、サクソバンク証券で特定口座の申し込み受付が始まりました★★★
特定口座についての詳細はこちらも参考にしていただければと思います。
https://fpsdn.net/fp/saoyama/column/5579


【IB証券への送金は外国送金。サクソバンク証券への送金はどうなの?】


おそらく実務上一番大きく違いを感じるのは自分の口座への入金や口座からの出金についてでしょう。


IB証券の外国株や外国株オプションを扱うIBLLC口座への入出金は外国送金の扱いとなります。
送金の手数料もマネロン(マネーロンダリング:犯罪行為で得た現金の出所を消し正当な手段で得た資金と見せかけること。資金洗浄)のチェックも外国送金の取り扱いとなります。

これに対して、サクソバンク証券やSBI証券の口座への入出金は国内送金の扱いとなります。

このことが送金の手続きや手数料に大きな違いを生みます。

<証券会社の自分の口座への送金の場合>
IB証券の自分の口座へお金を送るときには、金額などによっては資金の出所を証明する書類の提出を求められることもあります。
自分の口座へ送るのになぜそんなことが必要なのかと思われるかもしれませんが、マネロンのチェック上行われる措置です。
手数料は基本的に外国送金の取り扱いですので数千円の送金手数料がかかります。
自分の銀行の円預金から払い出してドルに換えて送るときには円から外貨への両替の為替相場の中に両替手数料(1ドルあたり0.25円~1円程度)が含まれています。
また、手続きで間違えやすく面倒なのは、IB証券の自分の口座にお金を送るときには、2つの手続きが必要だということです。


1つはIB証券に対してどの銀行からいくら送るかの「事前入金通知」をする必要があります。これは、IB証券の口座の自分のWEBページで手続きをします。これによってIB証券は送られてきた資金があなたからのものであることを知ることができるのです。そんなことは送る銀行(あなたの銀行)が知らせているから、いちいち自分でIB証券に知らせなくていいんじゃないかと思われるかもしれません。しかし、外国送金の場合、資金の移動と支払指図は別々に行われることが多いのでこのような手続きが必要となるのです。


2つ目は、実際の資金の移動のための送金手続きです。これは銀行に行ってする送金手続きのことです。
ここでも注意が必要なのは、自分の口座の無い銀行に現金を持っていきなり行って、IB証券の自分の口座に送金したいといっても受け付けてくれないということです。
また、自分の口座のある銀行であっても、現金ではだめで自分の預金口座からの振り替えでしか送金を認めてもらえないのが普通です。
ですから、送金したい場合はあらかじめその銀行の自分の口座にお金を送る等用意しておく必要があります。
これもマネロン上の措置です。

余談になりますが、日本はマネロン対策では先進国の中では最も遅れていると言われていて、国際的に注目を浴びています。そんなこともあってここ1、2年急速にマネロン上のチェックが厳しくなってきています。


IB証券に円の資金を送るのも外国送金になります。
「非居住者に対する円建ての国内送金」ですが、取り扱いは外国送金の取り扱いです。
日本の銀行ではこの種の送金の取り扱いが少なく、銀行の窓口に行ってIB証券の日本にある円の口座に送金したいといってもほとんどわかる人がいないため送金するのには大変な困難が伴うこともあります。
円の送金の場合は両替手数料を取ることができないので、それに代わるものとしてリフティングチャージやハンドリングコミッションといった手数料を取られます。
一般的には外国送金手数料は1件あたり5,000円~8,000円程度でリフティングチャージは送金金額の1/20%程度です。
但し、三菱東京UFJ銀行では、円建ての送金では送金手数料として700円を取られるだけでリフティングチャージ等は取られません。
(2022年3月28日現在です。手数料はよく変更になりますのでその都度ご確認下さい)
三菱東京UFJ銀行でも支店によっては「非居住者に対する円建ての国内送金」に慣れていないところが多いのが現状のようです。出来ればテレビ電話窓口のある支店に行って手続きをすると比較的スムーズに手続きができます。本店の専門の担当者とやり取りができるからです。支店に突然行ってこの手続きをしたいと言うと、担当者が混乱して上司やいろいろな部署や本店に聞きまわって数時間経ってしまうという事例もたくさん報告されています。
なお、サクソバンク証券では口座には円しか置いておくことはできません。
外国株式を買うとき等にはその都度ドルに両替して購入することになります。
サクソバンク証券の口座は日本国内の口座ですので円資金を送るときは国内送金の取り扱いになります。

手数料も安く非常に簡単に送金することができます。
また、提携金融機関からであればクイック入金サービスを利用して手数料無料で即時入金することもできます。この点はSBI証券も同様のサービスを行っています。

<証券会社の自分の口座からの出金の場合>

IB証券では、出金については月1回までは無料、2回以降は1,600円となっています。
外国送金の取り扱いとなるため、受取銀行側(自分の口座)でも数千円の着金手数料がかかります。

これに対してサクソバンク証券では送金手数料は月3回までは無料(サクソバンク証券負担)で、ひと月内に3回を超えた分は顧客側が負担することとなっています。
国内送金の取り扱いなので、受取銀行側(自分の口座)での手数料はかかりません。



SBI証券でも受取銀行側での手数料はかかりません。


【手数料がこんなに違うとは❢❢❢】


IB証券は取引毎に手数料を固定した体系の固定型と取引所手数料等のIB証券のコストを勘案してIB証券の実手数料を付加した手数料体系の変動型の2種類の手数料の方式があります。


前者は取引毎の手数料の把握が容易で、ボリュームディスカウントポイント以下の取引量の個人口座に適しているとのことです。
後者は取引量が大きい場合に適し、月中取引実績によりボリュームディスカウントが適用されることからコストの分析が必要な金融機関、または取引量の多い個人トレーダーに適しているとのことです。

まずは、外国株式の手数料を比較してみます。
国や地域によっても手数料率は異なるので米国株についてIB証券については固定型で米国株についてサクソバンク証券、SBI証券と手数料を比較してみます。
手数料は随時変更の可能性があります。取引にあたっては都度ご確認ください。(2022/1/14時点)


●IB証券:1株あたり0.005ドル、1注文あたり最低手数料1ドル、1注文あたり最大手数料は取引代金の0.5%となっています。
●サクソバンク証券:約定代金の0.20%、最低手数料5ドル、最大手数料15ドルとなっています。
サクソバンク証券の場合は口座に円の現金しか置いておけないので取引にあたってはその都度両替の必要があり、両替手数料0.25%(NYSE MKT)がかかります。
●SBI証券:約定代金の0.495%、最低手数料0ドル(約定代金が2.02米ドル以下の取引については約定代金の0.45%が0.01米ドル(1セント)未満となるので切捨てで手数料無料)、最大手数料20ドルとなっています。
https://www.sbigroup.co.jp/news/pr/2019/0709_11595.html


以上より3つのケースについてそれぞれの手数料を比較してみます。
●50ドルの株100株:IB証券では1ドル、サクソバンク証券では10ドル、SBI証券では22ドル
●50ドルの株1,000株:IB証券では5ドル、サクソバンク証券では15ドル、SBI証券では22ドル
●0.25ドルの株1,000株:IB証券では2.5ドル、サクソバンク証券では5ドル、SBI証券では1.2375ドル
となり、いずれの場合もIB証券が圧倒的に安くなっています。


さて、外国株式オプションの手数料についてはどうでしょうか。


IB証券

「オプションの料金体系は地域・通貨建てにより定められており、料金体系の選択はできません」とされています。
発注時にデフォルトのまま発注すると発注先が「SMART」となりスマートルーティングが適用されます。
スマートルーティングというのは発注内容を「複数市場へ照会することにより、最良価格にて電子的に注文執行を可能にするルーティング機能」とされています。
つまり、これにお任せすれば自動的に一番お得な市場で買い物をしてくれるというわけです。

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オプションの手数料は、コントラクト数が1か月あたり10,000以下で、プレミアムが
0.10ドル以上の場合、1コントラクトあたり0.65ドル
0.05ドル以上、0.10ドル未満の場合1コントラクトあたり0.50ドル
0.05ドル未満の場合、1コントラクトあたり0.25ドル
1注文あたりの最低手数料は1ドルです。
なお、自分で発注先の市場を定めて発注するダイレクト発注の手数料は1コントラクトあたり1ドルで、1注文の最低手数料は1ドルです。


サクソバンク証券

1コントラクトあたり3ドルで最低取引手数料はなしとなっています。
サクソバンク証券の場合は口座に円の現金しか置いておけないので取引にあたってはその都度両替の必要があり、両替手数料1%がかかります。


以上より、IB証券についてはデフォルトのスマートルーティングを適用した場合で5つのケースについて手数料を比較してみます。
●プレミアムが2ドルのオプションを1コントラクト:IB証券では1ドル、サクソバンク証券では3ドル
●プレミアムが5ドルのオプションを2コントラクト:IB証券では1.3ドル、サクソバンク証券では6ドル、
●プレミアムが0.075ドルのオプションを3コントラクト:IB証券では1.50ドル、サクソバンク証券では9ドル
●プレミアムが0.03ドルのオプションを5コントラクト:IB証券では1.25ドル、サクソバンク証券では15ドル


となり、コントラクト数が多いとサクソバンク証券はIB証券の10倍以上の手数料となることがわかります。


ここで、為替手数料について比較しておきましょう。
IB証券の口座には資金をドルでおいておくこともできますし円でおいておくこともできます。
ということは、自分の銀行からドルを送っても円を送ってもよいということになります。
どちらの場合も外国送金の扱いとなるため送金手数料や両替手数料で数千円から場合によっては1万円くらいの手数料を取られたりすることになります。
しかし、既にお話ししましたように三菱UFJ銀行や三井住友銀行から円で送る場合は800円の手数料で済みます。この場合は日本の銀行特有の高い為替手数料も取られずに済むことになります。
IB証券で米国株や米国株オプション取引をする時は円で支払うこともできますしあらかじめIB証券の口座の中で円をドルに両替しておいてそのドルで支払うということもできます。
この場合の両替手数料が異常にと言っていいほど安いのです。
1,000,000,000ドル以下の場合、0.2ベーシスポイント、最低手数料2ドルなのです。
0.2ベーシスポイントというのは0.002%です。
例えば、今1ドルが100円だとして計算してみましょう。
10,000ドルであれば1,000,000円です。

日本の銀行の両替手数料はだいたい1ドルあたり0.25円~1.00円くらいです。
1円としてみましょう。
10,000ドル×1円=10,000円となります。

IB証券では、
10,000ドル×0.002%=0.2ドル
0.2ドル×100円/ドル=20円
但し、最低手数料2ドルなので、
2ドル×100円/ドル=200円

となります。
つまり、自分の銀行でドルに換えてからIB証券にドルで送って使う場合と、IB証券に円で送ってIB証券でドルに換えて使う場合とでは為替手数料だけで10,000円と200円の差になるというわけです。

ここまでは、IB証券でのお話でした。
では、サクソバンク証券ではどうでしょうか?
サクソバンク証券では円でしか置いておけません。
ですから、外国株式や外国株式オプション取引をする都度為替手数料を取られることになります。
手数料率はすでに書きましたが、外国株式では0.25%、外国株式オプションでは1%となっています。

同じように、今1ドルが100円だとして計算してみましょう。
10,000ドルであれば1,000,000円です。
外国株式では
1,000,000円×0.25%=2,500円

外国株式オプションでは
1,000,000円×1%=10,000円

となります。

IB証券での両替手数料は200円ですので、圧倒的な差があることになります。


【口座維持手数料や口座の最低残高は?】


IB証券もサクソバンク証券もSBI証券も口座維持手数料や口座の最低残高といったものはありません。
IB証券では口座残高が10万米ドル相当額未満の場合4か月目以降について、基本額(10ドル)からその月に支払った取引手数料の総額を差引いた金額が課金されていましたが、2021年7月1日から口座維持手数料は廃止されました。
また、口座開設にあたっては、IB証券では外国株式用の口座については下限金額の設定はありませんが2,000米ドル相当額未満ではマージン口座の機能を使うことができないとなっています。
サクソバンク証券では、口座開設にあたっては最低10万円の入金を求められます。


【自動的に雪だるま式に複利運用できるって知ってましたか?】


米国株については、配当金を受け取らず自動的に再投資に回すDRIP(Dividend Re-Investment Plan)というサービスを提供している証券会社があります。
IB証券もサクソバンク証券もこれを提供しています。
このサービスの最大のメリットは自動的に複利運用ができるということです。
利益が利益を生む雪だるま式の運用が自動的にできるのです。


複利運用を阻んでいる最大の原因は生まれた利益なり配当をさらに運用に回すという手続きが面倒だということです。
これを完全自動化できるメリットはものすごいものだと思います。
また、この時にかかる手数料は無料となっています。


但し、自動的に配当金で株を買ってもらえるとはいえ税金はかかります。
ですから、配当よりも自社株買いや内部留保によって企業内で投資してもらった方がよいという考え方をする方もおられると思います。


IB証券では、「口座設定」メニューの「配当の選択」で「再投資する」を選ぶことによってすべての株の中の配当再投資可能な銘柄について一括してDRIPを設定することができます。

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これに対して、サクソバンク証券では「口座管理」→「各種設定/問合せ」→「配当金再投資(DRIP設定)及びコーポレートアクション」で個別銘柄ごとにDRIPを設定することができます。


【日本語の対応状況は?】


これは米国株式を取り扱う証券会社を選ぶうえで意外と重要な要素です。
SBI証券は当然ながら日本語が全てについて基本となっているので最も便利と言えるでしょう。
サクソバンク証券もIB証券も説明は日本語で書かれています。
またスタッフも日本人がいるのでどちらもとりあえず大きな不便はないかもしれません。
しかし、IB証券は米国の証券会社なので、メニューの深いところへ行くと英語の説明しかない場合も多いのが現状です。



さて、いかがでしたでしょうか。ここまでで比較の結果をまとめてみましょう。
「取扱い商品」については主要な米国株式と米国株式オプションは両社ともに取り扱いがあるのでほぼ互角といえるでしょう。
SBI証券は米国株式の主要銘柄は大丈夫ですがオプション取引はできません。
選択肢の幅という点では圧倒的に差を付けられている状況です。

「対応口座種別」については、SBI証券が特定口座やNISA口座にも対応しているという点で圧倒的に優位にあります。
サクソバンク証券が特定口座に対応すればその差は縮まります。


「入金及び出金」については、IB証券の方が外国送金の取り扱いであるのに比べてサクソバンク証券では国内送金の取り扱いなので圧倒的にサクソバンクの利便性が高いと言えます。
SBI証券はサクソバンクと同等と言えます。


「取引手数料」については、外国株式、外国株式オプションのいずれについてもIB証券が圧倒的に有利です。
SBI証券は日本の証券会社としては頑張っていますが海外の証券会社に比べるとまだまだといった感じですね。


「口座維持手数料」は3社とも課されませんので引き分け。


「DRIP(配当金再投資)」については、個別株式毎に設定できるサクソバンク証券が鼻先一つ先行。


「日本語対応」については、SBI証券、サクソバンク証券、IB証券の順。


外国株式オプション取引をする場合は、その対象となる株式(原資産)の取引も同じ証券会社で行う必要があります。
例えばPutオプションを売っていて権利行使をされた場合は、オプション取引をしている証券会社の口座に株式が入ってきます。
例えばCallオプションを売っていて権利行使された場合は、オプション取引をしている証券会社の口座の株式が売却されることになります。
ですから、外国株式取引とそれに関連する外国株式取引オプション取引は同じ証券会社で行うことになります。
このことも考慮してどの証券口座を使うのかを考える必要があります。


【マニアックな世界への扉】

ここまでで米国株式、米国株式オプション取引をするにあたってIB証券、サクソバンク証券、SBI証券のどれを選んだらよいかについての比較の材料はほぼすべてそろいました。


ここからは、マニアックな情報になります。


一つは税金の処理についてです。日本の規制を受けるSBI証券、サクソバンク証券と基本的には米国の規制を受けるIB証券とでは税金の処理の取り扱いが異なります。
私は税金の専門家ではないので一般的に考えられることをこれら証券会社等がネット上に公開している情報を基に比較してみます。
間違ったり理解が浅かったりする部分もあるかもしれません。
また、個別事情によって判断、解釈も異なることがあると思います。
現状ではまとまった情報が他にはないので、あなたの便宜を図ることになればと思いまとめてみました。


詳細、正確な情報に関しては必ず税金の専門家にご相談ください。


また、サクソバンク証券に無料で口座を作るだけで使える凄いサービスがあります。
「オートチャーチスト」というものです。


これのほんのさわりだけですが、どこをどうやったらそのサービスが使えるのかといった使い方の具体的な手順やどんなことができるのかについて書いてみました。


そして、最後にIB証券のTWS(トレーダーズ・ワーク・ステーション 取引をするためのプログラム)の凄い機能である「アダプティブ・アルゴ注文」という機能について書いてみました。


これは、特にオプション取引では大きな効果をもたらすと思われる機能です。
オプション取引では、株式の現物取引に比べてビッドとアスクの価格の開きが大きくなることが多いようです。
売ろうとしたときにビッドで売ってしまうとかなり損をしてしまう可能性があります。
そうならないように、プログラムが自動的に発注価格を変化させながら自分の指示した範囲内の最良の価格で取引をしてくれるという機能です。


なんとこれが無料で使えるというのですからすごいことです。
これはアルゴ取引と呼ばれるものの一種です。


一昔前まではアルゴ取引というのはプロ投資家である機関投資家のようなところでしか使えなかった機能です。
IB証券を使えば、そんな機能が個人でも無料で使えてしまえるようになっているのです。


一昔前は超超ディープな世界です。
今でもIB証券を使っている投資家のうち何パーセントの人が使っているのかなあというくらいディープな世界です。
(トレーダー(投機家)の方にはおなじみの機能かと思います)


ディープな世界の一端に触れてみたいというマニアックな方だけこの先の世界にお進みください。
そうでない方はこの先に進んでもちんぷんかんぷんでがっかりすると思います。
また、「超」マニアックな方は期待しすぎないようにして下さい。
この先に書かれているのは超マニアックな世界のほんの入り口の部分だけだからです。


ですから、この先に進んでいただきたい方は「超」マニアックな世界の入口に触れてみたい方、ということになります。


くどいようですが、もう一度確認します。
あなたは「超」マニアックな世界の入口に触れてみたいですか?


Yes なら先にお進みください。
No なら絶対に先にはお進みにならないようくれぐれもご注意ください。

そして、入ってみて期待外れだったと思った方は遠慮なく返金申請をして下さい。


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