2023年11月4日(土)雑記
ちょっとだけ人生に疲れていた。別に死にたいわけでもないのだが。
公園のやや弱っている木(折れそう)から枝分かれした、太い枝の下に30秒ほど立っていた。
この枝が折れて、頭に当たって、あわよくば脳挫傷でもしないかなという魂胆である。
人生にほんのちょっとだけ疲れていた。科学的にいうとセロトニンが減少した状態だと思うのだが、ほんのちょっとだけ死にたくて、でも自殺を実行するほどの気概もなかった。
その太い枝の下で30秒ほど待てども、枝は一向に折れる気配もなく。ささやかな僕の自殺衝動は未遂というか、失敗に終わった。
神様はいじわるで、先月同級生が亡くなったとの連絡をくれた。難病だった。脳に腫瘍ができる病気で、若くして、その子は死んだ。
僕は中学以来彼女に会っていなかったのだけれども、世の中のいいところだけを集めたような女の子だった。
世の中は不公平だ。神様は僕に木の枝の一つも落としてくれないのに、世の中の善意を集めたような彼女には、難病を与えた。
僕は彼女の幸福を願って泣いた。僕は自分の不幸を思って泣いた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?