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花札衛のいろは(NR限定戦)

初めまして、くりーむと申します。今回はマスターデュエルで行われるNR限定戦でオススメしたい花札衛(カーディアン)デッキの紹介をします。
解説部分は全文無料です。後書きのみ有料とさせて頂きますので、もし良ければ投げ銭感覚で購入して頂けると今後の活動の励みになります。


1.花札衛とは?


花札衛デッキは展開力とドロー力に非常に優れたテーマであり、モンスターを特殊召喚しながらカードをドロー、そのカードが花札衛モンスターであれば様々な効果を発揮し更なる展開を行えますが、ハズレてしまった場合は引いたカードを捨てなければならないギャンブル要素の高いデッキです。展開に絡むほぼ全てのカードにターン1が存在せず、手札がある限り展開を続けられるのも特徴です。
相手の盤面を解決する性能にも長けていて、エクストラデッキに頼らずとも展開ついでにカードを破壊しそのままライフを削り切る事が可能です。
今回のレギュレーションではSR以上のカードが使えない為様々な弊害があり、初動の枚数に少し不安が残りますが1度回り出すと手が付けられない程のパワーがあるので使っていてとても楽しいデッキです。
先攻でも後攻でも非常に高いパフォーマンスを発揮出来るデッキであり、上手く回す事が出来ればどんな相手にも勝てるポテンシャルを秘めています。


2.各カードの解説


花札衛モンスターにはメインデッキに13種類とシンクロモンスターが4種類存在しています。
花札衛シンクロモンスターは全てSR以上である為今回のレギュレーションでは使用できず、エクストラデッキはテーマ外のモンスターを使う必要があります。効果によっては花札衛モンスターしか出せなくなってしまう縛りが付いてしまうので、エクストラデッキからの展開を行いたい場合はそれらを上手く回避しながら回す必要があります。
今回はこのデッキレシピを前提として解説を進めていきます。

・攻撃力が100の花札衛モンスター

  (以下「カス札」と表記します)

本家花札における「カス札」がモチーフのモンスター達です。
「カス札」には召喚条件が存在せず、下級モンスター2種はそのまま通常召喚出来ますし最上級モンスター3種もモンスター2体をリリースする事でアドバンス召喚出来ます。
《花札衛-松-》以外の「カス札」は自身のレベル未満の花札衛モンスターが存在する時に手札から特殊召喚出来る共通効果を持っています。ただしこの効果の発動後は花札衛モンスター以外を一切出せなくなってしまうので、エクストラデッキに花札衛モンスターが存在しない今回のルールでは基本的にこの効果は使わずに展開します。
後攻時や先攻の3ターン目以降でエクストラデッキに頼らずともLP8000を削り切れる、もしくはゲームを有利に進められると判断した場合にのみ使います。安易に使ってしまうとどれだけモンスターを並べても何も生み出せなくなってしまうので注意が必要です。

《花札衛-松-》は一番シンプルな初動です。通常召喚出来る下級花札衛モンスターは2種類しか存在しない為、召喚権によってモンスター数を増やせるこのカードはとても重要です。破壊された時の効果も優秀で《激流葬》等の妨害を踏んでしまっても1ドローに変わり手数の増加に繋がります。

《花札衛-芒-》は「カス札」の共通効果と手札を入れ替える効果を持っています。
手札を入れ替える効果はとても優秀で2枚目以降の《花札衛-松-》やその他デッキに居て欲しいカードを戻しながら展開札を探しに行けます。特に「カス札」達は持っていても仕方ないのでどんどん戻してドローに変えてしまいましょう。

《花札衛-柳-》は「カス札」の共通効果と墓地の花札衛モンスターをデッキに戻して1枚ドローする効果を持っています。
ターン1が無い為、このカードを何度もフィールドに送り出してドローを繰り返す事がデッキを回す上で重要となってきます。
デッキ内に居て欲しいカードは積極的に墓地へ送り、このカードで戻す事で再利用を狙います。

《花札衛-桐-》は「カス札」の共通効果と攻撃を無効にしドローを行う効果を持っています。
「カス札」の中で唯一受動的な効果を持っており、能動的にアドバンテージを稼ぐことが出来ません。
ただしその効果は強力で、存在する限り実質的なバトルフェイズスキップになります。
高打点でビートダウンする代わりに除去性能が乏しいデッキ相手であれば、しばらくの間時間を稼ぐ事が出来ます。

《花札衛-桜-》は「カス札」の共通効果を持ちつつも《花札衛-松-》と同様に通常召喚出来る下級モンスターで初動の1枚です。効果は若干ピーキーでフィールドの花札衛モンスターをリリースする事で1枚ドロー、それが花札衛モンスターであればデッキから花札衛モンスターをサーチもしくは特殊召喚出来ます。
自身をリリースする事も出来ますし、この効果で特殊召喚する場合は縛りが付かないので《花札衛-芒》《花札衛-柳-》をデッキから特殊召喚する事でそれぞれのドロー効果を活かす事が出来ます。
ハズレを引いた時に失うアドバンテージが大きいですが、逆にリターンも非常に大きいカードなので祈りながら効果を発動しましょう。


・攻撃力が2000の花札衛モンスター

     (以下「光札」と表記します)

本家花札における「光札」がモチーフのモンスター達です。
通常召喚する事は出来ず、《花札衛-桜に幕-》以外の「光札」はそれぞれ対応するレベルの攻撃力100の花札衛モンスターをリリースする事で特殊召喚する事が出来ます。
例えば《花札衛-松-》をリリースする事で《花札衛-松に鶴-》を特殊召喚出来ると言った形で、名前やイラストを見ればすぐに分かるようになっています。
共通効果として特殊召喚に成功した時に1枚ドロー、それが花札衛モンスターであれば特殊召喚する事が出来ます。ただし召喚条件を無視する事は出来ないので、特殊召喚出来るのは「カス札」のみとなります。
この効果にも《花札衛-桜-》と同じく花札衛モンスターしか出せなくなる縛りが付かないので、上手くデッキトップから「カス札」を引き当てる事でモンスターを増やしつつドローを重ねる事を狙いましょう。

《花札衛-松に鶴-》は「光札」の共通効果と戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に1枚ドローする効果を持っています。
「光札」は全て攻撃力が2000なのでアタッカーとして優秀であり、フィールドのカードを破壊しながら並べる事が出来ればLP8000をあっという間に削り切る事も可能です。
ですが基本的には運に左右されるデッキなので、戦闘後にドローを行いリソースを回復出来る②の効果はワンキルに失敗した場合のリカバリーとして非常に優秀です。

《花札衛-芒に月-》は「光札」の共通効果と戦闘でモンスターを破壊した時に1枚ドローする効果を持っています。
《花札衛-松に鶴-》とフィールドに存在している時の役割はあまり変わりません。あちらは直接攻撃でもドローする事が出来るので、モンスターを戦闘破壊するのはこちらで行う程度の認識で大丈夫です。

《花札衛-桐に鳳凰-》は「光札」の共通効果と戦闘ダメージを与えた時に1枚ドローする効果を持っています。
《花札衛-桐-》が場に居るのは「光札」の効果で偶然ドローした時のみであり、かなり限定的な場面となるので腐る可能性の高い《花札衛-桐に鳳凰-》は採用を見送っています。

《花札衛-柳に小野道風-》は「光札」の共通効果を持ちます。また、戦闘関連の効果を持たない代わりにこのデッキで2種類しか存在しない貴重なチューナーモンスターとなっています。
レベルが11と非常に高くどう見てもシンクロ召喚に向いていませんが、②の効果によりシンクロ素材とする全てのモンスターをレベル2として扱う事が出来ます。
非チューナーがどのようなレベルを持っていたとしても2体であればレベル4のシンクロ召喚、3体であればレベル6のシンクロ召喚が行える形です。
この効果のおかげで盤面にどんなレベルのモンスターを並べたとしても問題なく狙いたいレベルのシンクロ召喚が行えるのがこのデッキの特徴です。

《花札衛-桜に幕-》は「光札」の中でも独特な効果をしており、手札から効果を発動する事で1枚ドロー、それが花札衛モンスターであれば自身を特殊召喚出来ます。
花札衛しか出せない縛りもつかず、フィールドがどんな状態でも手軽に使える非常に扱いやすいモンスターです。
このカードをどれだけ特殊召喚出来るかがカギとなるので《花札衛-柳-》の効果で優先的にデッキに戻して再利用します。
手札から捨てる事で花札衛モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる効果も他の「光札」の戦闘を補助するのに有用であり、総じて優秀なモンスターと言えるでしょう。


・攻撃力が1000の花札衛モンスター

     (以下「タネ札」と表記します)

本家花札における「タネ札」がモチーフのモンスター達です。
通常召喚する事は出来ず、共通効果はフィールドの花札衛をリリースする事で特殊召喚し1ドロー、ドローしたカードが花札衛モンスターであれば強力な追加効果を適用出来る形となっています。
これらのモンスターは全ての花札衛モンスターをリリース元に出来るので非常に使い易く、デッキの潤滑油となるカード達です。

《花札衛-萩に猪-》は「タネ札」の共通効果を持ち、ドローしたカードが花札衛モンスターであれば相手モンスター1体を対象を取らずに破壊する効果を持ちます。
このカードの存在が花札衛デッキの後手性能を支えており、1ターンに何度も効果を発動する事で相手フィールドのモンスターを破壊してワンキルを通すのがメインの勝ち筋となります。
今回のレギュレーションでは時械神、マジェスペクター、真竜が弱体化しており破壊効果が通しやすい環境になっているのも追い風です。

《花札衛-紅葉に鹿-》は「タネ札」の共通効果を持ち、ドローしたカードが花札衛モンスターであれば相手の魔法・罠カードを対象を取らずに破壊する効果を持ちます。
《バージェストマ・ディノミスクス》《激流葬》《強制脱出装置》等の罠カードが流行すると予想されている環境なので、それらを除去しながら展開出来るのは他のデッキに無い利点です。
この破壊効果はデッキトップ次第かつ対象を取らないので伏せが2枚ある状態で効果を使うと、相手に2枚とも消費するか残って欲しい方を割られない様に祈るかの嫌な2択を迫る事が出来ます。

《花札衛-牡丹に蝶-》は貴重なチューナー枠の1体です。「タネ札」の共通効果を持ち、ドローしたカードが花札衛モンスターであれば相手のデッキトップ3枚を操作する事が出来ます。
どんな花札衛モンスターもリリース出来るので非常に使いやすいチューナーで、トップ操作効果により相手のデッキタイプを把握しつつ次に引いて弱いカードを乗せる事で疑似的なハンデスを行う事が出来ます。


・魔法カード


このデッキはトップから花札衛モンスターを引かなければ展開が止まってしまうので、構築段階で可能な限り魔法・罠カードの枚数を減らす必要があります。
なのでそのリスクを加味した上で入れる価値があると判断したカードのみを採用するのが基本となります。

《花積み》はデッキの上に花札衛を3種類選んで乗せる効果と、墓地に落ちた次のターンから墓地の花札衛を回収する効果を持っています。
乗せるカードは手札の状況に合わせて選択するので慣れが必要ですが、効率の良いモンスターの増やし方をすれば展開を大きく補助することが出来ます。
例えば手札に《花札衛-松》《花積み》がある場合デッキから
1枚目:《花札衛-桜に幕-》
2枚目:《花札衛-松に鶴-》
3枚目:《花札衛-柳-》
と乗せる事で花札衛しか出せない縛りを付けずにモンスターを3体並べ、更に《花札衛-柳-》の効果で1枚ドローする事も出来ます。
この様に「光札」の効果で「カス札」を引けるように調整すれば展開を伸ばす事が出来るので、今の状況でモンスター数が必要なのかチューナーが必要なのかを見極めて使いましょう。
墓地効果もシンプルながら優秀で次のターンでの発動にはなりますが、手札に欲しい花札衛モンスターを回収しながら展開をスタートできます。

《札再生》は墓地から花札衛モンスターを回収しつつ手札から召喚条件を無視して花札衛モンスターを特殊召喚する効果と、花札衛モンスターの効果で墓地へ送られた場合にデッキトップ5枚の中から魔法・罠カードを手札に加え、残ったカードを並び替える効果を持っています。
手札から特殊召喚する花札衛モンスターは回収したモンスター以外でも良い為、墓地から《花札衛-桜に幕-》を回収しながらリリースの確保が難しい「光札」を特殊召喚すると効率良く展開出来ます。
このカードは魔法カードでありながら②の効果でハズレとして引いた場合にアドバンテージを稼ぐ事の出来る貴重なカードでもあり、運が絡むとは言え展開補助になる可能性もある優秀なカードです。


・エクストラデッキ


基本的に展開の終着点として目指すのは大型シンクロモンスターで、花札衛チューナーの全てのモンスターをレベル2として扱う共通効果により偶数レベルのシンクロモンスターをメインで採用する事になります。
またレギュレーションの関係で初動と手数が足りていないと感じた為、それを補うために融合ギミックを採用しました。
今回紹介するカードはほんの一例であり、他にも様々なモンスターを召喚する事が出来るので環境次第で入れ替えながら使っていきたいです。

《聖珖神竜 スターダスト・シフル》はレベル12のシンクロモンスターで、厳しい召喚条件に見合う強力な効果を持っています。
攻撃力も4000と高く先攻で出すモンスターとしては最高クラスのパワーですが、レアリティRのカードに《バージェストマ・ディノミスクス》や《強制脱出装置》が存在するので相手のデッキによっては少し不安が残るモンスターです。
《花札衛-牡丹に蝶-》の効果を使えば相手のデッキタイプを確認できるので、そこで得た情報から目指す着地点を考えるのが重要です。

《真閃珖竜スターダスト・クロニクル》はレベル10のシンクロモンスターで、墓地のシンクロモンスターをコストで除外する事で1ターンの間カードの効果を受けなくなります。
召喚条件の関係で墓地には最低でも2体のシンクロモンスターが存在するので、相手ターンに1回とその返しの自分ターンにもう1回使う事で安全に攻める事が出来ます。
相手のデッキが罠カードの多いデッキタイプである場合はこちらを出す方が結果的に場持ちが良くなる可能性が高いです。

《覇勝星イダテン》はレベル5以上の戦士族2体を素材に融合召喚出来るモンスターです。
今回の構築では「カス札」の手札から特殊召喚する効果を使わないので引いてしまった場合は手札に残り続けてしまいます。
そこで《融合》を採用しそれらを攻撃力3000のモンスターに変換出来るようにする事で攻め手を追加するプランを取りました。
特徴的なのは③の効果で、戦闘する相手モンスターがレベル10以下だった時その攻撃力が0になります。

《天融星カイキ》は特殊召喚に成功した時に戦士族モンスターを融合召喚する効果と相手ターンに自身を墓地から特殊召喚する効果を持っています。
墓地から特殊召喚する為の条件は「元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つレベル5以上の戦士族モンスター」が存在する事です。これは《覇勝星イダテン》の①の効果で《天融星カイキ》をサーチしつつ、②の効果で墓地へ送りながら攻撃力をアップするだけで達成できます。
つまり《覇勝星イダテン》の融合召喚に成功すると《天融星カイキ》の効果を相手ターンにそのまま使えるという流れになっています。
この効果は手札からも融合素材を使用出来るので手札の花札衛モンスターを使えば毎ターン《覇勝星イダテン》を出す事も可能で、戦線維持に大きく貢献してくれます。

《覇道星シュラ》はお互いのバトルフェイズに相手モンスター全ての攻撃力を0にする効果、戦闘するモンスターの攻撃力をレベルに応じて上昇させる効果、相手によって破壊された時に《覇勝星イダテン》をエクストラデッキから特殊召喚する効果を持っています。
エクシーズモンスターやリンクモンスターにも対応している代わりに自身の攻撃力が0なので、直接攻撃でライフを削る事は出来ません。
《天融星カイキ》の効果で《覇勝星イダテン》と融合する事でそのままの流れで出てきますが、素材のまま維持する方が強い場面もあるので相手の動きを見ながら融合するかどうかを選ぶべきでしょう。
花札衛モンスターの中にはレベルが高いモンスターも多く存在しているので、相手がモンスターを横並びさせている状態なら一気にライフを削り切る事が出来ます。


《ドロドロゴン》はカード名が記された融合素材の代わりになれる効果と、このカードを含む融合召喚を自分フィールドで行う効果を持っています。《融合》を引けていない時でも効果を使う事で《覇勝星イダテン》の代用となり花札衛モンスターと共に《覇道星シュラ》を融合召喚出来ます。相手のモンスターの攻撃力が高く花札衛ギミックのみで処理できない場合にシンクロから融合に繋げて倒す事が出来るので入れておいて損は無いでしょう。

《召喚獣アウゴエイデス》は《ドロドロゴン》の効果で《覇勝星イダテン》《覇道星シュラ》のどちらかと融合を行って召喚します。
妨害にもなる破壊効果を持ち、素材にした《覇勝星イダテン》を墓地から除外する事で攻撃力を3000アップ出来るのでライフを大きく削りながら戦線維持が可能です。
融合ギミックが回っているが花札衛ギミックがあまり動いていない、と言った時に役に立つカードです。

大型シンクロモンスターの素材となるシンクロモンスター達です。
《古神クトグア》はランク4エクシーズを並べるデッキに、《古神ハストール》は時械神デッキ等の強力なモンスターを召喚してくるデッキに強いのでこれらを上手く使う事で相手の計算を狂わせることが出来ます。

役割を終えた《花札衛-紅葉に鹿-》2体を大型モンスターに変換できるので採用しています。このルールにおける破壊耐性持ちの攻撃力4000は中々突破されないので是非エクシーズ召喚を狙いたいです。

《No.25 重装光学撮影機フォーカス・フォース》はお互いのターンにレベル5以上のモンスターの効果を無効に出来る効果を持っており、基本的には《花札衛-牡丹に蝶-》を2体並べてエクシーズ召喚する事になります。
チューナーを使うので勿体ないのですが、このカードがあると時械神の破壊耐性を突破しやすくなるので出来れば入れておきたいカードです。 

・採用しなかった魔法・罠カード


《花合わせ》はデッキから「カス札」を4体も特殊召喚出来るパワーカードですが、縛りが厳しく今回の構築では不採用としました。
最初から後攻を選択してメインデッキのみで戦う場合は強く使えるので、そういった構築で組む場合は採用を検討できます。

《超勝負!》はシンクロモンスターをデッキに戻す事で花札衛モンスター4体を墓地から特殊召喚し1ドロー、ドローしたモンスターが花札衛なら更にそのカードも特殊召喚して一気に5体のモンスターを並べられる凄まじいパワーを持っています。
これらのモンスターは効果が無効化されず、特殊召喚した全ての花札衛モンスターの効果が発動し手札が凄い勢いで増えるので後の展開も非常にやりやすいです。
ただし《札再生》で手札から出したモンスターには蘇生制限がかかってしまい特殊召喚出来ない点やハズレを引いてしまった時のデメリットが重過ぎる点、本来墓地から特殊召喚したいはずの花札衛シンクロモンスターが全て使用不可である点を加味すると少し扱いづらいと考え、今回の構築では不採用としました。
とは言え決まってしまえば一気にアドバンテージを稼ぐ事が出来るのでデッキを回すのに慣れてきたら採用してみても面白いと思います。
※採用した構築を追記部分で解説しています。是非そちらもご覧下さい。

花札衛シンクロモンスターが存在しないので発動すると墓地へ送られます。
イカサマはやめましょう。


3.回す時に意識する事


・どのカードがモンスターを増やせるのか理解する

花札衛デッキはそれぞれの共通効果で花札衛モンスターをリリースして新たな花札衛モンスターを出す事を繰り返すデッキですが、それだけだとフィールドのモンスターの数は増えません。
今回のコンセプトは花札衛モンスターしか出せない縛りを付けずに展開する事なのでそれを踏まえてその役割を持っているのはどのカードであるか、また縛りがついてしまうのはどのカードなのかをまず把握する必要があります。
フィールドの花札衛モンスターを増やす方法は以下の通りです。

・《花札衛-松-》《花札衛-桜》を通常召喚する。
・《花札衛-桜に幕-》を手札から特殊召喚する。
・「光札」の効果でデッキトップから「カス札」を引き当てる。
・《札再生》で手札から花札衛モンスターを特殊召喚する。
・「カス札」の共通効果を使う。(花札衛縛りが付く)

1番下は展開に絡める事が出来ないので、上4つをメインに展開していく事になります。
中でも《花札衛-桜に幕-》《札再生》は引けば引くほどモンスターを増やせる使いやすいカードとなっていて、この2種類をどれだけ集められるかが展開力に直結します。
「光札」の効果は基本的に《花積み》や《札再生》の墓地効果とセットでなければ狙えないので場に出すタイミングが少し難しいです。
まれに遭遇するケースですが《札再生》の墓地効果で《札再生》がもう1枚捲れた場合に、残り4枚の中から「カス札」を乗せながら《札再生》で手札の「光札」をフィールドに送り出す事でドローを「カス札」に確定させモンスター数を増やす事が出来ます。
この様に細かい部分を詰めていく事で展開の自由度は上がっていくので、ソロモードで一人回しをして練習すると段々スムーズに回せる様になると思います。
もし展開中に着地点が遠いと感じたら展開を諦め、リソースを確保して次のターン以降に改めて展開する事も視野に入れましょう。トップのみを頼りに無理矢理「タネ札」を連打してもあまり良い結果にはならない事が多いです。

・妨害の踏み方を考える

レギュレーションが発表され様々なデッキが考察されています。いわゆるTiar1と呼ばれるデッキタイプはこのルールでもそれなりに安定して妨害を構えられ、普通に展開するだけでは止まってしまう事もあります。
前の項目で書いた「フィールドの花札衛モンスターを増やす方法」はイコールで手数としてカウント出来ますし、融合ギミックもある為妨害の貫通能力は高い方だと思いますがそもそもデッキ自体が不安定なので初動を潰されるだけで負けるゲームもあると思います。
ですが、このデッキは相手に弱い妨害の撃たせ方をする事でこちらの手数を実質的に増やす事が可能です。以下に例を紹介します。

(例)
手札に《花札衛-桜-》《花札衛-紅葉に鹿-》《札再生》
相手フィールドにセットカードが2枚(1枚は妨害カードとする)

この状況で《花札衛-桜-》を召喚すると効果を発動する前に《バージェストマ・ディノミスクス》《強制脱出装置》を撃たれた場合に追加で展開する事が出来なくなってしまいます。
この場合に重要なのは「裏側守備表示の花札衛モンスターもリリース出来る」という点で《花札衛-桜-》を手札からセット、この時点で《強制脱出装置》を発動されると先程と同じ展開になりますが相手視点ではこのモンスターが何か分からない上に、まだ手札も残っている為あまり除去を撃ちたくありません。
そういった心理を逆に利用しセット状態の《花札衛-桜-》をリリースし《花札衛-紅葉に鹿-》を特殊召喚する事で効果発動。相手は罠カードを発動すればもう片方のセットカードが破壊され、発動しなければドローと選ばれたカード次第で撃ちたかったはずの罠カードが破壊されてしまいます。
《札再生》を使う為には墓地に花札衛モンスターが必要であり、墓地へ行く前に除外やバウンスを受けたくない時にはこういったプレイが必要になる事もあります。

・8000取れるパターンを覚える

後攻で上手く展開が繋がらず途中で花札衛縛りを付けるしか無くなった時、手なりでプレイしているとフィールドが埋まってしまってライフを削り切れないパターンが発生します。
この場合は《クロシープ》を採用する事である程度計算が楽になるので、画像の構築には入っていませんが入れておいても良いと思います。

若干見切れてますが今回使用するのはシンクロモンスターがリンク先に存在する時に適用する効果で、自分フィールドのモンスター全ての攻撃力を700アップさせる事が出来ます。 
少しややこしいのですが、発動するタイミングとしては

・リンク先にシンクロモンスターを出した時
・リンク先にシンクロモンスターが居る状態でリンク先にモンスターが出た時

と言った条件で攻撃力がアップします。
ワンキルを狙う状況では主に《クロシープ》のリンク先に《古神ハストール》をシンクロ召喚するのですがこのシンクロ召喚時に効果を発動する必要は無く、その後の展開でもう片方のリンク先に花札衛モンスターを出す事で《クロシープ》の効果を起動させる形になります。
つまり他の花札衛モンスターの攻撃力も上げたい場合は《クロシープ》のリンク先を空けておいて最後にリンク先に特殊召喚する事で全てのモンスターの攻撃力を700アップさせることが出来る訳です。
この効果を使えば《クロシープ》《古神ハストール》さえ出してしまえばその後は花札衛縛りが付いても問題無いのでワンキルが非常に狙いやすくなります。
以下に頻出するワンキルパターンを示します。

《クロシープ》+《古神ハストール》+「タネ札3枚」 
→(1400+3000+1700×3=9500)
《クロシープ》+《古神ハストール》+「光札1枚」+「タネ札1枚」  →(1400+3000+2700+1700=8800)
《クロシープ》+《古神ハストール》+「タネ札2枚」+「カス札1枚」
→(1400+3000+1700×2+800=8600)

これを覚えておけば強引な展開によるワンキルも比較的通しやすくなるので、是非活用して頂ければと思います。

3.5.追記(3/20)

・花札衛を使う上での最大の誤算

noteを書いてからしばらく友人とNR限定戦をやっていた所、今回のイベントで間違いなくTiarトップレベルのパワーのあるメタルフォーゼデッキに手も足も出ない事が分かりました。
これはこの構築を組んだ理由である

・高攻撃力のモンスターを並べてターンを返せば相手は処理に手こずり、仮に盤面を返されてもその次のターンに残ったリソースで勝ち切れる。
・後攻からでもフィールドのカードを大量に破壊し、ワンキルもしくは有利な盤面を形成してそのままテンポを取れる。

と言った前提が全く成り立たない事が原因です。
メタルフォーゼデッキの全てを理解するのは難しいと思うので、とりあえずこちらの3枚のカードを見て頂ければと思います。

《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》《メタルフォーゼ・ミスリエル》は共にこちらの攻撃力の高いモンスターを容易に手札に戻す事が可能で、これでは《覇勝星イダテン》が2体並んだ盤面はもちろん《覇道星シュラ》ですらも破壊された時の効果を発動出来ずに処理されてしまいます。
また《メタルフォーゼ・ミスリエル》《メタルフォーゼ・カウンター》は《花札衛-萩に猪-》で除去しても後続がどんどん沸いてきてしまうカードで、せいぜい1ターンに3~4回程度しか使えない破壊効果ではとても間に合いません。
この相性の悪さにより先攻なら容易に突破されてワンキル、後攻でも除去が全く追い付かずに負けるといったゲームが多発します。
そこで《融合》による最低限の動きの確保を諦めて《超勝負!》を採用し突破不可能な盤面でもワンチャンス残せる構築を作りました。

エクストラはまだ未確定な部分が多いです

元々《超勝負!》はリスクが大き過ぎるカードで、ハズレを引いた瞬間に負けがほぼ確定してしまうデメリットからパワーカードである事を理解しつつも採用を見送っていました。
しかし、メタルフォーゼ以外には勝利出来てもトップシェアに成り得るメタルフォーゼに対してほとんどのゲームで負けてしまう現状は見過ごせません。
なので更に運要素が増えますが《超勝負!》を採用し上振れた時にデッキパワーを上げるプランを取る事にしました。

・具体的なプラン

結論から言うと《No.77 ザ・セブン・シンズ》の①の効果を使います。
《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の無効効果は《花札衛-萩に猪-》で簡単に踏めるのでさほど脅威ではありませんが《メタルフォーゼ・ミスリエル》と《メタルフォーゼ・カウンター》の後続を特殊召喚する効果だけはどうにもなりません。
ですが《No.77 ザ・セブン・シンズ》の①の効果は破壊を介さない除外であり、どちらの効果も発動させずに相手フィールドを更地にする事が可能で、この効果さえ通す事が出来れば後は残ったモンスターで4000ぶんの打点を用意するだけでワンキルが成立します。
《No.77 ザ・セブン・シンズ》はランク10、11の闇属性エクシーズモンスターから重ねてエクシーズ召喚する事が出来ますが、それだと①の効果を発動出来ないのでレベル12の花札衛モンスターである《花札衛-桐-》を何とか2体並べてエクシーズ召喚します。
《花札衛-桐-》をフィールドに出す方法はいくつか存在しますが1番簡単なのは《花札衛-桜-》の効果で、ここで先程の《超勝負!》が重要になります。手段としては以下の通りです。

(1)《花札衛-桜-》の効果で《花札衛-桐-》を特殊召喚し花札衛チューナーと合わせてシンクロ召喚を行う。
(2)《超勝負!》の効果で《花札衛-桜-》《花札衛-桐-》とほか2体を特殊召喚する。 
(3)《花札衛-桜-》の効果で再びデッキから《花札衛-桐-》を特殊召喚する。
(4)《No.77 ザ・セブン・シンズ》をエクシーズ召喚し①の効果で相手フィールドを一掃、残ったモンスターと手札で4000打点を確保する。

基本的にはこのルートが分かりやすい勝ち方です。《超勝負!》を引く事が前提にはなりますが着地点は見えていますし、ターンを返したら確実に敗北するので残りのリソースを気にせず回して《花札衛-芒-》の手札入れ替え効果や《札再生》の墓地効果で探しに行きましょう。

・どちらの構築が良いのか?

これに関しては答えを出す事が出来ません。《覇勝星イダテン》の打点を押し付けて勝利できる相手であればわざわざ先攻で《超勝負!》のリスクを負う必要は無いですし、《融合》はどれだけ事故っていても打点を確保してくれる優秀なカードであるのには変わりないからです。
ですが個人的にはやはりメタルフォーゼに対しての勝利プランを用意しておきたいのと、《超勝負!》を採用すれば先攻で強力なシンクロモンスターを出せる確率は上がるので運要素が強くなったとしてもデッキパワーを上げたいです。
完全に個人の趣味の範疇ですので少しでも安定した動きを求めるのか、それとも上振れを狙ってハズレたら敗北濃厚の博打カードを採用するのかは人それぞれだと思います。
とは言えそもそも最初から博打デッキである事には変わりないので、安定を求めるだけでは勝てない相手が存在するなら運に頼ってみるのも悪く無いかもしれませんね。

4.最後に


ここまで読んで頂きありがとうございました。花札衛デッキは安定性の代わりに爆発的なパワーを持っているデッキであり、回すのが本当に楽しいデッキです。
また《覇勝星イダテン》周りのギミックは今後遊戯王を続けていく中で使う可能性がほとんど皆無なカードであり、このような形で強く使えるのを嬉しく思っていたりもします。
まだイベント開始まで期間もありどのようなデッキが環境を作るかは分かりませんが、どんなデッキにも勝てる可能性のある花札衛デッキを是非作ってみてはいかがでしょうか?

何か質問等があればTwitter(@yoshi44125)までお気軽にお願いします。



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