【J-REIT】NBFの決算から見るオフィス市況

去る2024/2/15に日本ビルファンド投資法人(NBF、銘柄コード8951)の決算がありました。
NBFは三井不動産系のオフィス特化型REITですね。三菱地所系列のジャパンリアルエステイト投資法人とともにJ-REITの黎明期を作った銘柄であり、J-REITを代表する銘柄でもあります。
空気読まない超大型POでマーケットから総スカンを食らったというおちゃめな過去もありますが、基本的には王者三井の気概が常に感じられる銘柄です。
そんなNBFの決算から足元の不動産マーケットへのインプリケーションを考えてみましょう。以下、画像は特記がない限りすべてNBFの決算資料から拝借しています。

稼働率の底打ちはほぼほぼ確実に

これは半年前(2023/6期)の決算でほぼわかっていたことではありますし、三鬼商事のオフィスデータからも周知の事実ではあるのですが、オフィスの稼働悪化はボトムアウトしました。来期も今季より僅かながら上昇する予想となっています。
オフィスは一般に半年前解約予告であることが多いので、来期の稼働率はかなり精度高く予想できます。
来々期となると見通せない部分もありますが、そこでも上昇ということでまあ、問題ないかと思います。大型解約は解約予告が出てなくても雰囲気でわかることも多いですしね。
ただ、2025年にはまた大量供給が控えています。いい加減オフィス作るのやめろよ 2023年ほどの規模ではないですし、足元コロナからの揺り戻しの需要が続いているので乗り切れるといいなとは思っていますが2024年後半には2025年竣工物件の内定率にまた注目が集まってくることでしょう。


物件収支の悪化もボトムが近い

ただ、稼働率が回復すれば収支がすぐにコロナ前に戻るか?というとそんなことはありません。市場賃料が下がる中でテナントの入れ替えが発生すると契約賃料が下がります。また、コロナ以降のインフレで光熱費が上昇、オーナー負担の共用部のインパクトが大きいオフィスは費用面でもダメージが大きかったです。ただ、そんな「内部成長」もようやくボトムが近い予想を出してきました。

24/6期にかけてはまだ内部成長が足をひっぱりますが、24/12では内部成長がほぼトントンです。まあ、修繕費を先送りにしたりすると見せかけはよくできるので精査は必要にはなりますが、確実に固定資産税は今年上がってくる中でのこの水準なので、少なくともお化粧すればごまかせるレベルまでは回復してきてると言えます(お化粧してるかは知りません)。また、ある程度保守的に予想は出すのが世の常なのでその点からもポジティブかと思います。

オフィス鑑定はいい加減ピークでは


今期キャップレートが下がった物件は41物件で先期の15物件からは大幅に増加しています。
この増加自体は鑑定会社のキャップレートの付与方針の変更のタイミングでは?と言われると何も反論できないこともあってあまり大きな意味は持たないかなと思っています。
ただ、41物件キャップレートが下がっているのに価格が上がった物件が10物件しかないというのは意味があることだと思います。

キャップが下がったのに物件の価格があがらないということはNCFが下がっているということです。
固都税/水光熱費の上昇、ER取り直しによるCAPEXの上昇、市場賃料下落によるトップラインの見直しなど複合的な理由があるとは思いますが、少なくとも「鑑定を上げる」判断ができなくなりつつあります。(逆にCapいじりつつ、NCFいじりつつ、鑑定評価額を横ばいにする鑑定士の先生のエクセルスキルは大したもんです)
まあ、そもそもCap水準がほかセクターより低い、インカムのグロースは見込めない、インフレには耐性どころか逆に弱いオフィスを今選好するのは、予算的にお金を大量に投下しなければならないというニーズがないのであれば避けたいかなと思っています。

まとめ

とくに結論はないんですが、オフィスの賃貸ファンダメンタルズはようやく冬の時代が終わりつつあるかなという感覚を持っています。価格は上がらなさそうですけどね。J-REITはだいぶ下がったとはいえ引き続きオフィスの割合が大きいので、このセクターの状況が改善することは指数全体にとってもポジティブです。
あと、2.5%でSクラス買いましたとかは全銘柄やめてね。あと、空気読まないPOはやめてね。

※本文章はいかなる投資行動も推奨するものではありません。


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