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自己満映画感想『ナイブズアウト/名探偵と刃の館の秘密』

『ナイブズアウト/名探偵と刃の館の秘密』

ライアン・ジョンソン監督最新作です。近作だと、前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』や『ルーパー』などのSF映画を撮った監督の作品とは思えないコテコテのミステリー映画です。とはいえ調べてみると、どうやらそれ以前の過去作は未見ですが、いわゆるミステリーが得意な監督なようです。勝手にSF系とか言ってごめんなさい。本作についても本人が「アガサ・クリスティにささげた」と言っているらしいです。失礼しました。脚本も監督自ら手がけています。

人気の推理小説家であるハーラン・スロンビーが85歳の誕生日パーティーの翌日、死体となって発見されます。依頼を受けて、そこに現れた凄腕私立探偵であるブノワ・ブランが、一癖も二癖もあるスロンビー一族の面々と、事件の謎に立ち向かっていくが…てなお話。ブラン役は007のダニエル・クレイグが演じます。見た目はボンドなんだけど、コミカルなのもイケるところが好きですね。

正直、中だるみするところがあり、そこはイマイチでしたが、全体的には推理モノがそこそこ好きな身としてはとても楽しめました。現代版のアガサ・クリスティ式のミステリーというのが、一番しっくり来る説明な気がしますね。個人的には古畑任三郎が大好きなので、展開に古畑感を感じてアツくなってしまいました。刑事コロンボを思わせる展開ね。そっからまた捻りがあって楽しかった。

音楽も古畑オマージュか!?と思わず感じてしまうような場所があり、勝手にニヤニヤしてしまいました。さすがに影響して無いと思いますが…(笑)要はアガサ・クリスティオマージュなんですけど、そういえば三谷幸喜もアガサ・クリスティが大好きですよね。豪華キャストのコメディ感を交えた演技合戦という点でも、三谷幸喜感を感じる部分はあるなと勝手に感じておりました。

この映画、エンドロールの短さ(スタッフも少なめ)からも、ハリウッド作品にしては、そこまで撮影とかにはお金を掛けて作っていないのでは無いかと予想出来ます。ただし、キャストにこれでもかという感じで金を使ってます。

主演のダニエル・クレイグやハーラン・スロンビー役のクリストファー・プラマーをはじめ、キャプテンアメリカのクリス・エヴァンスとか、ジェイミー・リー・カーティス(懐かしい!)、ドン・ジョンソン(懐かしい!)、ヘレディタリーでめちゃ顔怖かったトニ・コレット、『ノック・ノック』に出てたアナ・デ・アルマスや、13の理由のハンナ役のキャサリン・ラングフォード、ヨーダの声でおなじみのフランク・オズまで…。あとITの子役も出てました。豪華キャストが個性的なキャラクターを演じ、演技合戦していく様はめちゃ楽しかったです。続編も決まってるらしいので、この形式でシリーズ化されるのが楽しみでなりません。

エンドロールのキャスト紹介からも、キャストやキャラクターづくりにめちゃくちゃ気合いが入った作品だというのが伺えます。とっても良かったです。

ライアン・ジョンソン監督、スターウォーズでボコボコに言ってすみませんでした、という感じで続編も楽しみにしています!