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クレイジータンク通信 vol.189 『AI台頭時代だからこそ「面倒くさい」ことの価値が上がる』

クレイジータンク通信(通称:クレタン通信)は、2020年7月よりスタートし、現在まで毎週つづいている「クレタンの今」をお届けする2000-3000字程度の通信です。2021年10月までは、クレタン関係者やファンクラブの方、十数名の方に限定的にお送りしてきました。しかし購読者の皆さまからのフィードバックもあり、2021年10月下旬より、有料にてnote公開を行うことになりました。さらに、2023年10月からは、試験的に無料公開をスタートすることにいたしました。

毎週、クレタンが何をしているか、また、何を考え行動しているのかについてお伝えしていく場です。クレタンは常に未来に向かって自分たちが「挑戦をつづける当事者」になることを大切にしています。変化する社会を生きるみなさまにとって、挑戦へのきっかけや原動力となれば幸いです。気になったときにふと立ち寄ってみてください。



◆クレイジータンク通信 vol.189◆


2月も最終週になりました。週末の3連休は急激な寒さに見舞われた関東でした。例年の冬はこのくらいの寒さが毎日だったことを考えると、人間の慣れ、というのは怖いものですね…。

さて、今週の通信では、クレタンメンバーの子どもの習いごとで起きた事象をきっかけにあらゆることが合理化されていくAI台頭時代において、何が大切な価値として評価をされるようになるか、について書いてみたいと思います。

ぜひ、ご一読ください。



 【AI台頭時代だからこそ「面倒くさい」ことの価値が上がる】

先日クレイジータンクのメンバーが子どもの習い事のことで考えさせられることがあった、と組織内ミーティングで共有がありました。

それは、メンバーのお子さんが所属するスポーツチームの試合に行った時のことでした。

クレタンメンバーのお子さんが所属するチームは数十年続く歴史あるチームで、設立当初からコーチをしている方がご年配になった今でも続けられていて、古き良きところも、古き悪きところもある…と、メンバーは感じているとのこと。

所属する子どもたちの親御さんにもかなりの協力が求められ、当番をこなしたり、試合の時には一日がかりで付き添い、係りの役割を遂行したりなど大変なことも多く、親御さんがそこまでやりたくない・やれない、という理由で入部を諦める子どもたちもいるそうです。

その大変さを感じる中で、「今どきじゃないよね」という声もちらほら聞こえてくることもあるといいます。

一方、試合相手となった隣り町のチームは、指導もチームの諸々の運営も外部委託しており、その分「月謝」としての費用はかかるものの、所属する子どもたちの親は、普段の送り迎え以外は「お客様」として試合を観覧すれば良いだけ、という体制です。親側は子どもを気軽に入部させやすいため、所属する子どもたちの数は、5倍近く多くいたように見えたとのこと。

これだけを聞けば、外部委託したほうが、結果的に選手層も厚くなり、親も負担がなく、専門の方々が依頼をもとに適当な対応をこなしてくれ、三方よし、と感じる方も多いのではないかと思います。

しかし…

当日の試合の様子を見ると、大量の子どもたちが所属していることもあり、一人ずつの出場できる時間がとても限られ、親サイドも普段からチームの様子を見ているわけではないため、試合での立ち回りやルールなども十分な認知がされていない様子で、会場内で混乱が生じているように見えたとのこと。

クレタンメンバーが所属するチームでは、普段から当番や手伝いをしている親たちということもあり、チームメンバーの子どもたち全員の名前と顔を把握し、自分以外の子どもにも必要な時には注意をしたりなど斜めの関係性もできているため、試合という貴重な子どもたちの経験の場を、十分に全員でサポートしながら、良い雰囲気で終えることができたとのことでした。

両チームとも、良い面、悪い面どちらもあるでしょうし、さらにそれは、人によって感じ方や捉え方が違うのは間違いありません。

しかし現在、日本では人口減少が進み、世界的に進化を遂げる生成AIの台頭も併せて、世の中が大きく変わっています。その変化により失われていくもの、価値化されていくものは明確になるだろうと考えています。

そしてその一つが「面倒くさいことの中に価値があるということ」だとクレイジータンクでは考えています。

かの有名な宮崎駿監督も、常に「面倒くさい、面倒くさい」と言いながら絵を描いていたといいますが、いまや絵も小説もプレゼン資料もロゴもホームページも、これまで人間が手をかけて創り上げてきたさまざまなものが、今は、数行のプロンプト入力をすれば、AIが認識し制作できる時代になっています。

生成AIにより「圧倒的効率」「圧倒的合理主義」が進む時代に、あえて面倒くさいことや手間がかかることを選び、実行できる人、行動できる人の価値が今後評価されていくだろうと、クレタンでは予測しています。


たとえば、クレイジータンクがアドバイザーとして関わる「保けん野菜」サービスでは、加入者のお子さんが野菜や身の回りのことについて学ぶ「やさい研究会」という習いごとのようなサービスを提供しています。


この中で、最近、「かてい農園」プロジェクトととして、子どもたちが実際に野菜を育てる時間を持っていますが、この時間は結果的に親サイドの協力や行動を無くしては成り立ちません。

土やプランターを準備することはもちろん、研究会(オンライン)の時間に合わせて、プランターを室内に入れたり、プランター近くでPCをセッティングしたり、気まぐれに水やりを忘れる子どもたちたちの代わりに水をあげたり、「がんばって育ってね〜」と話しかけてみたり…(笑)




結果的に、「子どもやさい研究会」の場でありながらも、親も一歩踏み込んで「関わる」状態が発生しています。

これは決して意図してそうした訳ではありませんが、親が一歩踏み込んで関わり子どもと一緒に興味を持ち行動することで、子ども自身もそこから興味が深まったり、楽しさを学んでいくのではないか、と参加者の様子を見ながら考えています。



面倒くさいこと、一歩踏み込んで活動することは今後ますます意識して選び取らなくては出来なくなっていくことのように思います。「面倒くさい」を選び行動できるか。今後、私たち人間がAIと共存していく中での大きなテーマになると、考えています。


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かてい農園プロジェクトを進める「子どもやさい研究会」の様子は、保けん野菜のnoteでも紹介しています。併せてご一読ください!


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