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2021年10月環境における純【メタルフォーゼ】の使用感

0.はじめに
本記事は、2021年10-12月環境における中速型純【メタルフォーゼ】の使用感及び対面感の覚書です。筆者の過去記事の構築にかなり近い構築を使用しているか、それに興味がある方でなければ直接役立ちはしないと思います。また、各種カードなどの説明は一切ないため、メタルフォーゼカードの知識がない方には読みにくいかもしれません。カテゴリ解説記事はいつか書きます……とは過去記事でも書いているのですがいつになるやらわかりません。
もちろん、本記事を通じて中速型メタルフォーゼに関心を抱いて頂ければ嬉しい限りです。どうぞよろしくお願いします。

1.短いまとめとレシピ

短いまとめ
・元々苦手だった高速型デッキが勇者ギミックを搭載しさらに苦手になった
・デストロイフェニックスガイには先手を取れれば対等以上に戦える
・メタゲームの流れが向かい風

レシピ
今期使用しているレシピは以下の通り。サイドは色々試しながら変更しているので割愛。

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モンスター 31枚
メタルフォーゼ・ゴルドライバー 2
メタルフォーゼ・シルバード 3
パラメタルフォーゼ・メルキャスター 3
メタルフォーゼ・バニッシャー 1
メタルフォーゼ・スティエレン 3
メタルフォーゼ・ヴォルフレイム 3
レアメタルフォーゼ・ビスマギア 3
アストログラフ・マジシャン 1
バオバブーン 3
マジシャンズ・ソウルズ 2
イリュージョン・オブ・カオス 1
増殖するG 3
灰流うらら 3

魔法 6枚
錬装融合 1
重錬装融合 1
混錬装融合 2
ハーピィの羽根箒 1
三戦の才 1

罠 3枚
メタルフォーゼ・コンビネーション 2
メタルフォーゼ・カウンター 1

EXデッキ 15
メタルフォーゼ・ミスリエル 2
メタルフォーゼ・オリハルク 1
フルメタルフォーゼ・アルカエスト 1
パラメタルフォーゼ・アゾートレス 1
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム 1
閉ザサレシ世界ノ冥神 1
召命の神弓-アポロウーサ 1
アクセスコード・トーカー 1
トロイメア・ユニコーン 1
トロイメア・フェニックス 1
灼熱の火霊使いヒータ 1
サクリファイス・アニマ 1
No.3 地獄蝉王ローカスト・キング 1
幻影騎士団ブレイクソード 1

過去記事からの変更点は、out クロノグラフ、ソウルズin ヴォルフレイム、イリュージョン・オブ・カオスです。ソウルズのコストと3枚目のソウルズという二つの役割をイリュージョン・オブ・カオス1枚に押し込めたので、クロノグラフをヴォルフレイムに変更できました。共通P効果を1枚増やせたのは大きいです。

2.勇者ギミックについて

今環境を語る上で欠かせない要素その1。主に高・中速デッキが採用し、貫通力及び捲り性能を高めました。これに対する難点はいくつかあります。

(o)高速デッキは元々苦手
本構築の基本思想は「後続を用意しながら無理せず1妨害(アルカエスト)、できれば重錬装で」であり、元々手数の多い相手の処理は苦手です。その展開デッキが勇者ギミックによりさらにお手軽に手数を追加して来る以上、不利に磨きがかかったというものです。
制限改訂により超展開デッキ【電脳堺】が姿を消し、【鉄獣戦線】が数を減らした一方で、【幻影勇者】と展開寄り【勇者グッドスタッフ】という苦手な展開デッキが生まれてしまいました。

(i)そもそも勇者自体に対抗手段がない。
こちらが先攻で相手のデッキを把握する前、理想展開+上振れでローカストキング設置まで行ったとしましょう。(盤面についての解説は過去記事にあります。)

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盤面はこんな感じ(+手札にメタルフォーゼ)。見ればわかりますが、アラメシアが通った後、グリフォンライダー召喚とドラコバック発動まで、それを止める手立てがありません。厳密には重錬装で出したアルカエストでグリフォンライダーを対象に取り、止めに来たところにローカストキングでグリフォンライダーを無効にし3000の壁を建造、ということはできます。が、見ての通りアラメシア1枚から始まった攻防でほとんど全てを失っています。ドラコバックでカウンターを戻されれば無防備となりますし、またローカストキングを戻しカウンターを別処理という手もあります。いずれにせよ、残る4枚の手札による相手の展開で蹂躙されます(こちらの理想展開が通っているということは先攻中に相手が手札を使っていない点にも注意)。
一応相手が勇者搭載と分かっている場合は、ミスリエルではなくオリハルクを置いておくことで重錬装からトークンを破壊しにいけます。しかしこれではエレクトラムの回収が遅れ、3ターン目の展開ハードルが一気に上がります。そうはいっても2ターンで負けるよりはマシなので悪い選択ではありません。上振れている場合は混錬装で出したミスリエルを錬装でオリハルクとし、エレクトラム回収を実現しながら錬装の墓地効果でGうららを狙いに行くこともできます。ちなみにオリハルクに墓穴を受けて負けたことがあります。

(ii)先置きのグリフォンライダーもそれなりに辛い。
グリフォンライダーを置かれている場合、エレクトラムを出す前に処理する必要があります。処理をするには融合をするしかありません。そこまでにカードを3枚消費します。南無。ミスリエルにグリフォンライダーを受けて「Pにメルキャスター、場にP1枚、手札にP2枚」のような状態からエレクトラムまで届いてようやくスタートラインという感覚です。

3.デストロイフェニックスガイ(以下デスフェニ)について

今期を語る上で外せない要素その2。低速から高速まで、勇者以上に多くのデッキに採用されています。結論から言うと、こちらのデッキが正常に機能している限りは、デスフェニ自体とはある程度対等に戦えます。概ね以下の理由によります。超融合については割愛。
(i)アルカエストはデスフェニに強い
(ii)バニッシャーでデスフェニを処理できる
(iii)手間はかかるがミスリエルを安定供給できる
(iv)コンビネーションのタダ乗りができる

(i)アルカエストはデスフェニに強い について。アルカエストは対象に取り装備カードとする効果であるため、解決時にアルカエストがいない場合対象のモンスターは墓地へ送られます。また、装備状態でアルカエスト本体が破壊された場合、装備モンスターはルールにより破壊されます。従って、アルカエストでデスフェニを対象に取ろうとした時に起こり得るのは大体以下の二つです。
1.アルカエストチェーン1デスフェニチェーン2→デスフェニ自爆を強要できる(多分カウンターを失う)、
2.デスフェニチェーン1アルカエストチェーン2→相手は装備状態のデスフェニを破壊しない限り、デスフェニループが途切れる(ループ断絶かカウンター維持を強要できる)。
つまりこちらから仕掛けるメリットはないため放置がよろし。相手としてはデスフェニを使うわけにはいかないので、バトルフェイズまたはその他の処理手段を強要できます。HEROでない限りフュージョン・デステニーは最後の一手であるため、ここのやり取りで優位に立てるのは大きいです。もちろん、フュージョン・デステニー以前の攻防でアルカエストを失っていることも多いですが、メインギミック内に回答があることの重要性は疑いようがありません。

(ii)バニッシャーでデスフェニを処理できる
について。バニッシャーはフィールド・墓地のモンスター1体を対象に除外する効果であるため、デスフェニ起動後であればデスフェニがどこにいても除外できます。特に、デスフェニは破壊効果であるためそのままカウンターに繋がるため、デスフェニ側はカウンターを除去せざるを得ません。これと(i)の組み合わせにより、理想盤面(ミスリエル+カウンター+重錬装)でのデスフェニ耐性はそれなりに高く、デスフェニ+1手くらいなら凌げることが多いです。またバニッシャーはミスリエルの蘇生でも起動できるので、3ターン目の攻防中にデスフェニを除外するという役割も持てます。

(iii)手間はかかるがミスリエルを安定供給できる について。文字通りです。これによりメタルフォーゼのP効果、混錬装セット、ミスリエル召喚まででデスフェニを強要できます。デスフェニを釣った後は可能なリソースで再展開を試みます。ミスリエルのバウンス効果を使用していないため、二体目の召喚でデスフェニを処理することも可能です。(ii)にある通り、ミスリエルによるバニッシャー蘇生も有効です。

(iv)コンビネーションのタダ乗りができる について。コンビネーションは相手の融合召喚にも反応します。デスフェニのレベルは8であるため、メインデッキのメタルフォーゼ全てに留まらず、なんとミスリエルまで蘇生できます。(i)も踏まえてアルカエストはデスフェニに対面させたい、より厳密には重錬装セット状態でデスフェニを使われると重錬装を失うかアルカエストを着地狩りされる(しかしカウンターには繋がる)ため、フュージョン・デステニーに重錬装をチェーンするのが理想的です。このときコンビネーションをチェーンしておくことで、融合素材としたミスリエルをそのまま蘇生できます。ミスリエルの蘇生効果は複数回使えるためこのミスリエルは実質二回分の壁になり、壁にビスマギアかメルキャスターを使用できればその分後続にも繋がります。もちろんここまで理想的でなくとも、コンビネーションの蘇生効果が通るだけで結構違います。特に、守備表示のメルキャスターをデスフェニ単騎では戦闘破壊できない点は大きいです。
以上より、今期はコンビネーションの重要性が前期より高いです。多少無理をしてでも(手札の温存用Pを消費してでも)置きに行く価値はあります。

4.不利なカードの流行

環境が推移するにつれメタゲームが進み、王宮の勅命、虚無空間、魔封じの芳香の採用が増えていきました。前者2枚はメインデッキに入ることも多く、通った瞬間ゲームの様相を大きく変える強力なカードです(だからこそ抹殺の指名者用にメイン採用率がさらに上がるという事情もあるわけですが)。メタルフォーゼがこれから受ける煽りは大変大きく、いうまでもなく勅命は致命的です。P召喚の後リンクまたはXを通してようやく対処できるだけで、それもまたあらゆる妨害への耐性を持たず、かつP効果でリソースを溜めることもできません。平たく言うと、勅命の処理に出したモンスター(だいたいブレイクソードかトロイメア・フェニックス)の効果が無効になるだけですべてを失います。虚無空間についてはメインデッキ内には羽根箒しか回答がなく、ゴルドライバー通常召喚からの戦闘破壊に全てを賭けるくらいのことしかできません。魔封じに関しては敗北直通と言ってもいいでしょう(一応1ターン耐えての融合召喚に全てを賭けるくらいのことはできる。ターンが回ってくるなら)。
これらを受け、サイドデッキにツインツイスターなどの採用をほぼ強要されます。また、虚無勅命のメイン採用により1戦目から突然の理不尽を押し付けられることも考慮すると、三戦の才をツインツイスターに変更するくらいのことはしてもよいと思います。後攻捲り力が少し落ちる(4枚展開では1妨害を抜くのもギリギリになる)ことと、虚無勅命負けのどちらを受け入れるかという話になるわけですが。
また、同じく今期を通して流行っている禁じられた一滴も向かい風です。もちろん強力なカードなので誰だって使われると辛いわけですが、重錬装アルカエストによるバトルフェイズ中の妨害という利点が潰れます。こちらからもなんとか、戦闘破壊をトリガーにするカウンターバニッシャーで、ダメージステップ中の除去を目指して抗いましょう。
そして、最近は拮抗勝負の採用も増えてきました。こちらの先行展開はPスケールと大量の伏せと融合素材であり、しかもそれらすべてを次のターンの展開用に用意しています。これらが吹き飛ぶことは致命的であり、抗えることと言えば重錬装をチェーンしアルカエストを出した後、ミスリエルで何かを蘇生するくらいです。妨害の質は変わっていませんが、再展開のために必要なリソースを全て失っています。向こうが後攻用サイチェンをしており、かつアルカエスト単騎には任せきれない場合は多少無理してアポロウーサまで目指すのもよいと思います。メイン2のアポロウーサ単騎を処理されるなら、当然アルカエスト単騎も処理されるからです。また、ミスリエルでPゾーンのカードを戻しておくことも重要になってきます。

5(おまけ).雑なメモ

対面デッキ種別の所感
経験からざっくりと書いています。対面経験の薄いデッキは書いていません。苦手な対面がそれなりに多いため、クリッター/黒き森のウィッチをメインに採用しておきサイチェン後のメタカードを無理矢理引き込むプランもいいかもしれません。

・高速デッキ
【幻影勇者】や、ハリラドンを軸にした【勇者グッドスタッフ】が該当します。上述の通りほぼ無理です。Gに祈りを捧げましょう。

・中速大型設置デッキ
【相剣】が該当します。過去記事にもありますが、変わらずキツイです。序盤を乗り切り低速に持ち込んでシーソーゲームをしているところで泰阿やエクレシアを引かれて全てが水泡に帰すことも珍しくありません。あまりに負けすぎてサイドにトークンコレクターを採用しました。P効果の的にし墓地に置いておいても機能するのでありだと思ったのですが、入れてから相剣に当たっていないため使用感は分かりません。
毛色は違いますが、【ふわんだりぃず】も分類的にはここでしょうか。これは本構築に限らずだと思いますが、まずは相手側が展開に成功するかどうかに大きく依存します。こちらからいぐるんを止められない手札だった場合、これ以上起動可能な下級を持たれていないことを祈ってアルカエストに賭けます。もちろんオリハルク/アゾートレスで破壊しに行ってもいいですが、除外すると面倒なこと(特にとっかんを持たれている場合)もあります。しかしオリハルク/アゾートレスは魔法罠にも触りにいけるという利点もあります。なお【ふわんだりぃず】と分かったうえでの先攻ではもちろんアポロウーサを出しに行きます。

・中速デッキ
【閃刀姫】や【召喚獣】が該当し、デスフェニが広く採用されています。一気に引き離されることがあまりないので基本思想通りに落ち着いてゲームを展開し、機を見てP展開を通せれば勝ちの目は十分あります。上述のデスフェニ対面意識をしっかり。
【閃刀姫】に関してはバニッシャーでレイを除外できるかでゲームの難易度が大きく変わります。ミスリエルの蘇生効果も使い繰り返し狙います。

・低速デッキ
【エルドリッチ】が該当します。環境採用罠が向かい風であるため厳しいですが、相手がそれを引かない限りはゲームになります。バニッシャーを繰り返し出しエルドリッチを除外することに集中します。このマッチングではエレクトラムでアストログラフではなくバニッシャーを優先して拾うことも重要です。スキドレを引かれたらほぼ終わりです。オリハルクの墓地効果に賭けましょう。

6.最後に

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。どうも対面時の感覚を基に書いているため、ネガティブな内容が多くなりました。総合すると、環境に最も顔を出すデスフェニには対等に戦える一方で、勇者ギミックと環境内の採用札に大きな不利が付く印象です。前環境よりは不利になっているものの、可能な対面時には"腕で勝つ"という勝ち方が多く見られやりがいはあります。CS環境で勝ち続けるようなことは難しいと思いますが、ショップ大会のような環境ではやりがいのあるゲームを展開できると思います。この記事を通じて中速型純【メタルフォーゼ】の魅力が読者の方々に伝われば、また、読者の方々の【メタルフォーゼ】の参考に少しでもなれば、書き手としてこれほど嬉しいことはありません。改めて、ありがとうございました。

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