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高校に行けなかった都民が如何にして高等教育を受けるかのTips

はじめに

自分は、最初は私立の全日制の高校に通っていましたが、馴染めず1年で中途退学してしまい、次に都立の三部制の高校に通いました。しかし、そこでも馴染めず、高等学校卒業程度認定試験になる前の大学入学資格検定を受検し、合格したと言う経歴があります。

そう言った経歴を持つ身として、様々な理由で高校に行けなかった人達には、短大・大学・専門学校への道としてどの様な方法があるのかを調べてみました。

正直、私立の通信制高校に関しては、かなりメジャーな選択肢になっているので、Web上に色々な情報が転がっています。ですので、敢えてそこに関しての情報は薄くしてあります。

また、自分が都民である事もあり、この情報は東京都在住又は在勤の方向けの物となっています。その点、ご了承ください。

高等学校に行き直す-通学制高校

高等学校に行き直すと言っても、他の生徒は中学校からストレートに来ているのに、自分は年齢が違う。そんな中で、上手くクラスに溶け込めるだろうか、と言う不安はあるかと思います。

実は、高校の中には言ってしまえば「学び直し校」とも言える学校もあります。通信制の学校も多いのですが、通学制の学校もあり、今まで在籍していた高校の年数と合わせて、最短3年で卒業が可能な所も多いです。

そう言った高校でしたら、同じ様な境遇の生徒も多いかと思います。

東京都では「チャレンジスクール」と言う枠で、「学び直し校」として、三部制・定時制・単位制の総合学科の高校を設置しています。

令和3年現在、都立の「チャレンジスクール」は以下の6校です。

東京都立大江戸高等学校
http://oedo-h.metro.tokyo.jp/

東京都立桐ヶ丘高等学校
http://www.kirigaoka-h.metro.tokyo.jp/site/tei/

東京都立世田谷泉高等学校
http://www.setagayaizumi-h.metro.tokyo.jp/site/tei/

東京都立稔ヶ丘高等学校
http://www.minorigaoka-h.metro.tokyo.jp/site/tei/

東京都立六本木高等学校
http://www.roppongi-h.metro.tokyo.jp/site/tei/

東京都立八王子拓真高等学校(チャレンジ枠)
http://www.hachioji-takushin-h.metro.tokyo.jp/pc/index.html

「チャレンジスクール」の特色としては、入学試験に於いて学力検査が無い事が挙げられます。また、調査書の提出もありませんので、中学校時代に不登校だった様な生徒にもチャンスがあるのです。

一例として東京都立大江戸高等学校では、

学力検査は行いません。
志願申告書・面接(個人面接・20分程度)・作文(50分・600字程度)の3項目のみで選抜をします。
調査書・自己PRカードの提出はありません。

となっています。

また、「チャレンジスクール」で無い定時制・単位制高校も存在します。
こう言った高校は、逆に入学試験時の学力検査・調査書の提出があります。

「チャレンジスクール」で無い都立の定時制・単位制高校としては、

東京都立一橋高等学校
http://www.hitotsubashi-h.metro.tokyo.jp/

東京都立砂川高等学校
http://www.sunagawa-h.metro.tokyo.jp/

東京都立新宿山吹高等学校
https://www.metro.ed.jp/shinjukuyamabuki-h/

等が挙げられます。

但し、これらの高校でも2年次以降の編入学の場合は、調査書の提出は行われません。一例として、東京都立砂川高等学校の場合、入学試験は学力検査と面接のみ行われます。

上記の学校は定時制の為、本来であれば卒業までには4年かかります。ですが、単位制でもあるので、年次毎に本来定時制で修得する単位数よりも多くの単位を修得する事によって、3年で卒業する事も可能です。

高等学校に行き直す-通信制高校

不登校等によって学校に通えなかった生徒が、通信制高校に行く・行き直すと言う選択肢もメジャーになって来ました。

通信制高校と言うのは、毎日通学するのではなく、基本的には自宅等で自学自習を行う高校です。全く通学しないと言う学校はほぼ無く、月に数回~週数回のスクーリングが行われます。合宿等での集中スクーリングを行う学校等もあります。

私立の通信制高校は沢山ありますが、公立の通信制高校と言う物も存在します。都立では以下の3校が通信制高校です。

東京都立一橋高等学校
http://www.hitotsubashi-h.metro.tokyo.jp/

東京都立砂川高等学校
http://www.sunagawa-h.metro.tokyo.jp/

東京都立新宿山吹高等学校
https://www.metro.ed.jp/shinjukuyamabuki-h/

これらの高校は入学試験に当たって、学力検査と調査書による選抜が行われます。但し、これらの高校でも2年次以降の編入学の場合は、調査書の提出は行われません。

余談:公立の学校は学費が安い

公立の学校の良さは、何と言っても学費の安さです。
例えば新宿山吹高等学校の場合、

定時制課程 1単位1,740円
通信制家庭 1単位336円
(別途入学料として定時制課程2,100円、通信制課程500円)

※高等学校の卒業要件の修得単位は74単位

となっており、非常にリーズナブルです。
もし貴方が、働きながら自腹で高校に通いたいとなっているならば、このリーズナブルな価格は魅力なのではないでしょうか。

高等学校卒業程度認定試験を受験する

高等学校卒業程度認定試験
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/

高等学校卒業程度認定試験と言う物が存在し、これに合格すると大学・短期大学・専門学校等の受験資格が得られます。

但し、これに合格しても、最終学歴は高等学校卒業とはならず、あくまでも「卒業程度の認定」である点には注意が必要です。

令和3年度の試験は令和4年3月31日までに満16歳以上になる人が受験可能で、高等学校在籍中でも受験可能です。

8月と11月に試験があり、国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語の中から8~10科目を選択し、受験する事になります。

試験実施場所は、都道府県毎に1会場ずつあります。また、少年院や刑務所等でも行われています。

合格科目は累積されるので、一度で全科目の合格点を得る必要は無く、何度かチャレンジする事も可能です。
また、高等学校の単位を修得する・又は英検等の技能審査に合格する事で、試験科目の免除を受ける事が出来ます。
但し、その場合でも最低1科目は受験して合格点を取る必要があります。

この試験で合格点を得た人が満18歳に達していない場合は、18歳の誕生日の翌日から合格者となります。

ですので、大学・短期大学・専門学校等の受験資格が得られるのは18歳になってからと言う事になります。

受験料は、
7科目以上10科目以下受験8,500円
4科目以上6科目以下受験6,500円
3科目以下受験4,500円

となります。

通信制大学の選科履修生になる

通信制大学には選科履修生と言う制度が存在します。
選科履修生と言うのは、卒業して学士号を取得する事を目的としない学生として、授業を聴講する事の出来る学生区分です。

大学で勉強するに当たって、学士号を取得すると言うよりは、教養を身に付けたいと言うのでしたら、この制度を利用する方法もあります。
また、一部の通信制大学では、学士号の取得を目指す全科履修生になる為の資格として、選科履修生として一定単位以上を修得すると言う物がある場合があります。

つまり、特定の大学でしたら、高校卒業資格も高卒認定試験も必要無く、学士号を目指す事が出来ると言う事になります。

一例として、放送大学の例を挙げておきます。

放送大学
https://www.ouj.ac.jp/

放送大学に於いては、2021年4月1日現在満15歳以上である人が選科履修生として授業を聴講出来るのですが、基盤科目および導入科目から16単位以上を修得した満18歳以上である者は、全科履修生として入学できる、と言う制度があります。

この制度を使えば、特別な学科試験等を受験せずに大学に入学出来るのですが、注意が必要なのはこれによる大学入学が有効なのは放送大学のみであり、他の大学の入学要件としては使えないと言う事です。

つまり、放送大学で基盤科目および導入科目から16単位以上を修得したとしても、他大学に出願する事は出来ないですし、卒業しなければ他大学への編入学等も出来ないと言う事になります。

ちなみに、放送大学の学費ですが、1年間在籍出来る選科履修生の入学料は9,000円、半年間在籍出来る選科履修生の入学料は7,000円で、授業料は1単位につき5,500円です。

おわりに

今まで見て来た様に、短大・大学・専門学校等での高等教育を受ける為には、様々な道があります。特に高等学校卒業程度認定試験に関して高等学校在学中から受験出来る点、通信制大学の選科履修生から全科履修生として入る事が出来る点等は、様々なハックが出来そうですが、そうでなくとも様々な高校生の形があって良いのではないかと思います。

例えば通学制高校に行かず、通信制高校や高等学校卒業程度認定試験を利用する事で、勉強や仕事や趣味に集中する等、様々な時間の使い方が出来るのではないかとも思われます。

また、公立高校の入学金・授業料の安さを考えれば、例えば保護者との折り合いが悪い生徒でも、勤労しつつ自身で学費を賄う事も可能かも知れません。

高校に行けなかったと一言で言っても、様々なケースが存在するかと思われます。この記事が何らかの形でヒントになれば良いな、と思っております。

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