延命措置



恐らく、死の一週間前にみーちゃんの楽に死ねる寿命は来ていたんだと思います

私が強制給餌で誤嚥させて、その後1時間は意識が朦朧として私の腕の中で動かなかったみーちゃん
その後私が身辺整理をして、その時に出てきたカリカリを一か八か渡したら息を吹き返したみーちゃん

もう強制給餌ですらご飯を食べなかったみーちゃんが、奇跡みたいにご飯をたくさん食べてくれて
多分それが原因で一気に腎臓病が悪化して
ついに水すら飲めなくなった数日を経た最期だった

私が「私の誕生日前にどこか行っちゃうのかい?」って言い続けたから
みーちゃん必死で私の誕生日まで生きてくれたんだ

最期の日は私の誕生日を0時に迎えて、僅か経ってから呼吸がおかしくなって
私は3時間、1ミリも目を離さないでみーちゃんに付き添って
もう体も冷たいからいっぱい温めたいのに、冷たい床がどうしても良いらしくて
でもそんな所いたら死んじゃうから、上から覆いかぶさって息でみーちゃんの全身を温めていた

もう体起こすことも出来ないのに死ぬ2時間前には頑張って自力でトイレに入って
最後のおしっこして
もうどこで何してもいいって言ってるのに
結局みーちゃんは生きてて一度もトイレをミスらなかった

寝転ぶみーちゃんを後ろから抱きしめて摩ってたら、頑張って起き上がって顔をこちら側にしてくれた
苦しいのに私の腕枕に頭乗せて、毎晩そうやって寝てた姿勢になってくれて
僅かに顔を前に出すから私はおでこをくっつけて
みーちゃんうるさくて苦しいと思ったから顔離そうとしたら「まだいいよ」みたく頭を動かして、もう一度おでことおでこくっつけた
それがみーちゃん最期の意識

初めて「もうみーちゃんが苦しくなくなるならなんでもいい、生きて朝日見るのも、このまま寝ちゃうのも」って言ったら
チェーンストークス呼吸が始まって

10分間、みーちゃんのどの呼吸が最期になるのか涙も流さないで全部手のひらで受け止めて
私の腕の中で最期、体をきゅっと縮こまらせたと思ったら一つ呼吸をして
その瞬間全身の力が抜けて、私の腕の中で呼吸が止まって
胸に耳当ててもまだ心臓の音は動いているのに
動いてるのに死んだ
1/30 4:07
私はみーちゃんに全て捧げた
誕生日すらあげちゃった



あなたの誕生日を迎える為にみーちゃん頑張ったんだよ
みーちゃんはあなたが大好きだったんだね
ペットと人の絆を超えてるよ
すごいね、愛だね、美しいね
ってさ、みーちゃんの最期は美しいかい?

もう5日飲めず食えず寝ずで臭い涎まみれで、鼻も口の周りもガビガビで
同じく5日飲めず食えず寝ず風呂も入らなかった私に抱かれて私の涙塗れになったみーちゃん

みーちゃんの努力を苦しみを見てた私とお医者さん以外が、みーちゃんの代弁なんてしないで


みーちゃんが生きてる間に何度助けを求めただろう
死んだ後にラインで「おつかれ」って言われる気持ち
生きてる間にみーちゃんに私にエール送って欲しかった
いいねもされずに、遠くから実は見守ってましたよみたいな後出しで言われて
何のアクションもこっちは起こされて無いから、誰も居ないところでひたすら孤独に二人耐えていた

もう遅い
みーちゃんは死んで私の心も死んでしまった
生きてる間にアクション起こして欲しかった



前の記事を非公開にしたのは中身に何かあるわけじゃなくて警察屋さんが来たから
生きてる間にあんまり警察屋さんに迷惑かけたく無いから

私は今、自分が死んだ後の世界を生きてる
そして思う事は、あの時死ねていれば今こんなに苦しくないという事

周りは私に生きてて良かったと言ってくれている
私は周りを見て生きてて良かったと感じられない

強制的に延命されて、そのあと結局ほとんど誰も私に連絡は寄越さない
生かされることは「もっと苦しめ」と言われているのと同じ



親が離婚して、殆どの法事に呼ばれる事が無くなった
お父さんは宗教が嫌いで
お母さんは呼んだら迷惑かもしれないからって、ずっとそんな理由で親族の法事に呼ばなかったらしい
私は親に、親族の法事に呼ばれて嫌な顔をする子だと思われていた

そんなのも全部大丈夫だった
みーちゃんが居たから
みーちゃんだけは私を近くで愛してくれていたから

そのみーちゃんを虹の橋だの旅立ちだの天国だの、なんで私から引き剥がそうとする?
まだお別れなんてしてないのに
まだ家の中にみーちゃんの匂いが残っているのになんで仏花を贈る?
何で花の命を殺して私に贈る?
耐え切れない、耐え切れない

唯一みーちゃんの先生だけは、私とみーちゃんの命を同等に大切に想ってくれた
周りは私に軸を置くけど、私の目は私の心はみーちゃんしか見つめてない
みーちゃんの苦しみを知ってる先生は
みーちゃんの死を私に理解させながら私に言葉を掛けてくれる

死んでほしくないと言われて嬉しかった
だけどもう一人で歩く元気は無くて
もう闘病する元気も、歌う元気も残っていない

このままだと先生に依存してしまいそうだから
もう眠っちゃいたい
生きたいと思ってないから心療内科に足も向かわない

もうこれ以上誰にも迷惑を掛けたくない
こんな醜い自分の心をこれ以上誰にも見せたくない











みーちゃんが死んで初めて見た夢

私は薄暗くて少し寂れたゲームセンターに居て
奥の自動ドアの先は最新のゲームがある白くて賑やかなフロアで
人もそっちは沢山いるのに私はこっちの部屋にひとりぼっちで

並んだゲーム機の中の、私はコインドーザーの前に立っていて
コインを投入した
すると正面のゲームのモニターが壊れて
連動するように他のゲーム機もノイズが入って
機械の故障音が響く中で停電が起きて
真っ暗な部屋に私は一人

明晰夢が使える私は
そのうち眠ってる自分の背中にものすごく怖い気配を感じて

夢の中の自分は
寝てる自分を助けに行こうと必死に起きようとして
やっと起きたけど恐怖は変わらなくて
私は咄嗟に隣で寝てるみーちゃんの骨を掴んで抱き締めた

それ以降の記憶は無いから多分寝たと思うし
私はスピリチュアル信じないけど、もしその世界があるなら
あの時もう要らないってした私の体を誰かが貰いに来たんじゃないかなって
思う

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