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ceramic studio Wol 石曽根沙苗

ceramic studio Wolのこと

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自然豊かな長野県松本市を拠点に、器や花器などの生活用品を中心に制作をしています。 Wol(ウォル)とは韓国語で「月」を意味する言葉。月のように穏やかに、それでいて凛とした作品を作りたいという思いから名付けました。 

主役である料理や花を支える「道具」としての存在も、作品そのものの「個」としての存在も、共に美しくあるように。 使い手の方々の生活に寄り添い、共に歩んでいけるモノをお届けできるよう日々精進しています。

白の世界

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この1年半ほど「白」という色に焦点を当て、制作を進めてきました。

「白」は日本に古来より存在する伝統色のひとつですが、一言で白と言っても光の当たり方によってその見え方は様々に変化します。 色に含まれる意味は多くありますが、その中のひとつに「出発」という意味があることを知り、自分の制作の新たな始まりとして追求してみたいと思うようになりました。 

照明や自然光の当たり方によって刻一刻と変化する表情。 そこに生まれる影も作品の一部として捉え、光による変化を楽しんでただけるよう制作しています。

朽ちていくという美しさ

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多くの人が古道具や骨董、アンティークに魅了されるように、私も古いモノが好きです。10代の頃からそうしたものに惹かれ、小さな薬瓶や錆びついた鍵など、少しずつ集めることが楽しみでした。最近では土器や古美術と言われる類にも興味が出てきたのには自分でも驚きの変化です。

なぜこんなにも惹かれるのか。その佇まいがただ単に格好良いからなのか、それらが持つ独特のオーラに引き寄せられているのか。

古いモノには力があるように思います。私が触れたことのない風土に触れ、見たことのない景色を見て、踏み入れたことのない土地の暮らしに根付き、会ったことのない(あるいはもう会うことのできない)人々の手によってその役目を全うする。

時代も、国も、人も超えて、巡り巡って目の前に現れる。
様々なコトを吸収した古いモノたちに宿るエネルギーと、どこか不思議な懐かしさが、少しずつ朽ちていった姿であっても美しいと感じる由縁なのではないかと思います。そんな洗練されたモノたちから学ぶことがとても多いです。

私が扱う陶磁という素材も、何十年、何百年、果ては何千年と残っていくことのできる素材です。過去から学び、現代に生きる私が、未来に繋がるモノを作る。私が見ることのできない世界まで、作品たちが縁を繋いでいってくれることを願っています。

体も心もゆるめる時間

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陶芸は力仕事であり、同じ姿勢でいる時間が長いため、制作の合間には筋トレやストレッチを行うことを心掛けています。

また最近では動画サイトを見ながらの「おうちヨガ」も取り入れ始めました。

「背骨を整える」「自身の呼吸で内臓を温める」といった、今まで意識したことがなかった動作は単純に面白く、良い気分転換にもなっています。

ゆっくりとした動きと呼吸で体がほぐれるのはもちろん、心も落ち着き、体の内側からリラックス。心身のコントロールをすることは、生活する上でも制作する上でも大事な要素だと感じています。