星野友里 机上工芸舎
うつわとかたち
手びねりという技法で土に触れながらコツコツと作っています。
制作を続ける中で人が“器を使うこと”に興味を持ちました。器に触れたり、形を感じることで観るとは違った表現ができるのではないかということです。
器の中に自分の作りたい形を取り込むということには制限もたくさんありますが、その中で自分が生み出せる境界線のうつわやかたちを探しています。
つくるきっかけ
小さい頃から何でも作るのが好きで、いつからか「いろんなものを使ってつくる人になりたいなぁ」という漠然とした夢を持つ子供でした。
土との出会いは16歳のときです。回転に合わせて、土が伸びて行く感じや
積み上げて生まれていく存在感にとても可能性を感じました。当時は絵を描くこともとても好きでしたが、土で作る面白さや表現に魅力を感じ、それからは陶芸を続けることになりました。
つくるとき
私の中にあるものは、風景や温度やにおいなどふとよぎる形にはない感覚的なもの。作品づくりではそれをメモしてかたちに起こしていくという感じです。そこに土が生み出してくれる形が合わさって、ある時は人の形になったりまたあるときは建物のようになったりします。そのためエスキース帳と鉛筆をできるだけ持っておくようにしています。たまにすごいものができそうなアイディアが浮かんだらいつでも描けるように。
それから作品を作るとき、一番使うのは手です。木べらやカンナも使いますが中でも自分の手が大事なんだなとよく思います。手が荒れると土を積むとき引っかかったり。釉薬掛けのあとは、だいたいぼろぼろになってたりしますが「ずっと頑張ってくれているな」と思います。
絵を描くこと
一昨年くらいから絵を描きはじめました。とはいっても描けなくなるのがこわかったので...…悩まないようにサイズを決めて描きはじめました。描くものは特になんともない日常のこと。話をした人とか、急に思い出したこととか、夢の中ことです。何にも難しいことを(パースとか構図とか)考えてなかったので「わあ絵ってこんなに自由なのか!」と改めて感じました。最近は日記のように自由に描いています。
いつか器と絵との繋がりを感じさせられる展示をしたいと思っています。