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小河幸代

自然を感じる素材

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自然素材を染めて織って、身につける布を時々ほんの少し縫って、暮らしの中で使う小物などを作っています。
太細やふしのある絹糸を天然染料で染めて織ることから始まりましたが、その糸に合うウール、リネン、野蚕の糸が加わり、羊の原毛を紡いで糸にすることもしています。
身の回りの草木を採ってきて染めることは楽しくて、染められる草木を庭や畑に植えて少しづつ増してもきました。

写真はわっかショール、頭からかぶって首周りにふんわり色どりと温かさを添えてくれます。シルク+天然染料

季節のめぐり

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長野の高遠町に住んでちょうど十年経ちました。山間のかつて養蚕をしていた古民家をほんの少し手直しして、裏山から水を引いてきて、元々薪風呂だったのを引き継いで住んでいます。標高が1000mと少しある場所で寒さもひとしおです。

雪の比較的少ない場所ですが、とにかく寒さにびっくりしました。その寒さの作るキーンとした澄んだ空気感と、自然の色合いの美しさに魅せられています。大きな自然の中に自分の暮らしが組み込まれていることに気づかされる毎日です。

25年のつきあい

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織機を手に入れたのは25年くらい前になるでしょうか。中古の大きな機を友人の軽トラで引き取りにいき、アパートの六畳の部屋で組み立てました。居間兼寝室兼、織り部屋の誕生です。
幅も奥行きも高さもだいたい150cmで最大で135cmのものが織れます。よく考えて作られているせいか使いやすく、細い糸でふんわりと織ることも、太い糸でしっかり打ち込むこともできるので、この機ばかりを使っています。10cm幅のコースターも……なのです。どっしりと構えていて頼りになる相棒です。

氷の彫刻さがし

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一日中ずっと糸巻き、機に座りっぱなし、糸を並べて妄想なんて日には、時間を作って散歩に出ます。山に囲まれているので視野が高く広がり、目玉をぱっと開かせてくれることに出合います。冬は寒くて閉じ籠りがちになりやすいのですが、川沿いとか道の脇に流れる用水路などですごい造形物を発見することがあります。気温が氷点下の朝が続いたり、雪が少し降った後に少し暖かくなって、また寒さがつづいた時など、水って何なんだろうと考えをめぐらしたりしています。