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crafts days 2020

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作り手と使い手のつながりを作っていく新しい試みをはじめてみました。ものではなくひとに焦点を当てます。作り手自身が書いた文章を通して、作品制作の背景、思い、暮らし、興味、その日々を… もっと読む
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2020年11月の記事一覧

冨本 大輔

蓋付五寸丼 混じりけのない綺麗な磁器土ではなく、鉄分や砂も含む土で簡素な成形をし、呉須、鉄絵、赤絵の独楽筋(こますじ、同心円状の線)を描いた器を主につくっております。最近は左右対称の独楽筋だけではなく、ふぞろいな線も描いています。 はじめまして 愛知県常滑市でやきものをつくっております。祖父の代で窯元としてはじまり、父、そして自分へとつながっています。私がやきものをはじめた20代の頃には、刺激のある生活や強い個性に憧れましたが、この仕事を続けていくうちに、近頃は陶工や職

ヒラバヤシヒデユキカコウジョ

すずめナイフ バネもロックも無くとてもシンプルで手のひらに収まる折りたたみナイフ。初心者向けでありつつ一生の相棒にも成り得るようにデザインした初めての定番モデル。 モデル名は住んでいる市での保育園年少の愛称、「すずめぐみ」より。 作っている所 私が住んでいる長野県中信地区は多くの工芸家が活動されている松本市や安曇野市、また木曽漆器の里、平沢に近く、クラフトになんとか関わらせていただいている身としてはとても恵まれている。 また、野山に近く製作物を試す場にも困らないのは嬉し

豊田陽子 10P10C yoko toyoda

作品 草花や自然の景色 季節の空気 光 気配 リズム 記憶の結晶 それらをそっとあつめて 自ら手で染めたもの自ら手で染めたもの 絵を描き、デザインし、職人や工場でプリントしたもの 様々な表現方法を用いて制作しています。 色・布との出会いから 私は大学卒業後、インテリアコーディネーターとして働いていました。この仕事では、今まで見たこともないような生地に触れる機会が多くあり、私は次第に生地の持つ魅力に惹かれていきました。 生地には独特の質感や色彩の美しさがあります。変幻

SUGITA SO-SAKU

スパイスミル 「食卓に刺激を」というコンセプトのもとにつくったスパイスミルです。メカニズムには耐久性、メンテナンス性の高いデンマークのセラミック刃を使用。成形には南京鉋(かんな)を使い、滑り止めも兼ねて手仕事の軌跡を残しております(黒い方は焼いて炭化させています)。補充は上の木部を抜くだけでとても簡単。胡椒、岩塩だけではなく様々なスパイスを使用できるのでお料理の表情が広がりますよ。 はじめまして 岐阜県を拠点として活動しております「杉田創作」です。当工房は南京鉋、豆鉋と

新藤佳子 homespun Atelier

愛すべき羊の個性 ホームスパンをしています。ホームスパンは羊毛を手紡ぎ手織りした布のこと。刈り取ったばかりの羊毛を手洗いするところから始まり、糸に紡いで、機にかけて織っています。 写真の布は染めた色ではなく、羊の天然の色。羊には白以外にも、さまざまな色の羊がいます。色だけでなく柔らかいもの硬いもの、光沢のあるもの、弾力のあるもの、短いもの長いもの……。実にさまざま。 その個性を生かしながら、マフラーやブランケットにしたり、コースターやポットマットをつくったりしています。

etelä

Lily 《Lily》 花と植物とヒンメリのモビール 小さなヒンメリと花と植物を添えたモビール。箱のまま植物標本のように飾ることも、箱から出してモビールとして楽しむこともできる作品です。 「ヒンメリにあまり馴染みのない方でも暮らしに取り入れやすいものを作りたい」そんな思いから誕生しました。 はじめまして 長野県松本市で北欧の伝統装飾「ヒンメリ」を制作しています。  ある洋裁店で見かけた黄金色に輝くヒンメリを目にしてから、自分の手で制作をしたいと思い、2012年に独学

工房まつした 松下純一

木の「ねじり」かんざし 2015年、初めて出展した「クラフトフェアまつもと」が終了し、心地のよい疲れを感じながら帰路についた車の中で、ふと思いつきました。「これで簪(かんざし)ができるかも」と。 当時は椅子やテーブル等の家具と器やスプーン等の生活小物、それと壁に掛けて飾れるアート作品を創っていました。そのアート作品をもっと身近なものに、アクセサリーにできないかとものかと考えていた頃の初出展でした。 そうしてできた【一本棒のかんざし】 髪をまとめて留めたときに、木が「ねじ

コバヤシユウジ

木のリンゴ 5年前から長野ADC(アートディレクターズクラブ)審査会の受賞トロフィーとしてシナ材の白い木のリンゴを製作させていただいています。 全国各地にADCは存在し、毎年行われる各地の審査会での受賞トロフィーは毎年変更するのですが、長野ADCのみ毎年わたしが作った木のリンゴを使っていただいています。 初年度の審査委員長の方が授賞式の席で「長野は毎年この木のリンゴでいこう!ずっと木のリンゴ!」とおっしゃったのを機にそうなりました。 ありがたいことです。 はじめまして

工房 月慈 滝沢 都

作品 うちの畑で栽培・収穫した、和綿と亜麻の繊維を紡いで織った布です。現在、植物繊維は100%自給しています。 はじめまして 長野県上田市に自宅兼工房と畑があります。 染織は沖縄本島北部の工房で学びました。 石垣島も含め約14年の歳月を沖縄で過ごしたあと、2012年に生まれ故郷に戻り、今は祖父が遺してくれた明治元年築の古家を直しながら暮らしています。 沖縄では芭蕉布を織っていました。その土地に育つ植物の繊維を自分で糸にして織ることを長く続けていたので、長野でもやはり土

no.f 藤澤 和

刺繍のブローチ モチーフとして特に好きなのは結晶や鉱物です。こちらのブローチは増殖していく結晶をイメージして製作。色の移り変わりが美しくなるよう気を配りながら針を進めました。 刺繍糸は市販のものでもとてもたくさんの色があり、どの作品も毎回色選びに悩みますが、こだわる部分でもあります。ヴィンテージのビーズや天然石を使い、表情に広がりを持たせる事も多いです。 今後はアクセサリーだけでなく、オブジェ的なものも作ってみたいとこっそり思っています。 刺繍を始めたきっかけ 以前

Veriteco

葉の重なり、緑色のハーモニー 色々な染めの色、植物の色彩がぎゅっと詰まった葉。 葛、黄花秋桜、背高泡立草、マリーゴールド、セントジョーンズワート、赤紫蘇..….etc. 染めた緑系の毛糸を端から端まで使って、葉脈ごとに色を変えて刺繍したブローチ。 手染め糸ならではの、グラデーションの世界。 瀬戸内海の豊島に暮らして 瀬戸内海を望む棚田の畑を借りて種をまき、藍や紅花、黄花秋桜、マリーゴールドなど染料に使う植物を育てています。夏の暑さの中では草むしりや植物の世話は大変で

山崎雄一

自分でも使いたいと思えるものを ガラス作家として独立して間もない頃、「自分が作りたいと思うもの」と「自分が使いたいと思うもの」がイコールではありませんでした。自分が作りたいものだけを作って満足していたように思います。 今、自分がものづくりをする上で大切にしているのは、使うときのことを想像すること。「自分でも使いたいと思えるもの」を作っています。 はじめまして 子供の頃、手を動かしてものづくりをすることが好きでした。高校を卒業した後、進路のことを考えていたときに、ふとそ

牧瀬家具製作所 牧瀬福次郎

座編みのベンチ 和紙を編みこんだ2~3人がけのベンチです。 「自分が欲しいと思えるもの」を作れるように心がけていて、毎回試行錯誤の繰り返しです。そんな中、このベンチはかなり理想に近づくことができたと思えた作品です。 はじめまして 石川県の大学を卒業後、一度就職もしましたが「父親がしている木工をやってみたい」と5年前に地元長野県の技術専門校で基礎を学びました。2軒の工房で家具製作を手伝い、昨年に独立をして活動しています。 工房は松本の西側・朝日村という場所にあります。木

nuno*ito asobi 髙倉美保

ちいさいいきものたち 【ちいさいいきものたち(ぬいぐるみ)】 「夜中になったら動きだしそう。」 そう言われることか多いですが、つい先日、ギャラリーの店主さんから「nuno*ito asobi作品をはじめて見たお客様が『ちいさいいきものたち(ぬいぐるみ)が話かけてきた。話かけてきたから、この子、連れて帰ります』と言っていた」とお聞きしました。 「夜中に動きだす手前まできたぞ」と思いましたが、わたし、ホラー作家ではありませんので、よろしくお願いいたします。 はじめまして