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異次元の切り抜き技術と堅実な音ハメの総合芸術

初回を飾る動画はAniPAFE2015 (正式名称:あ・に・ぱ・る AMV/MAD FESTIVAL in JAPAN 2015)にて投稿された作品「【MAD】THE IDOLPR@NKSTER」だ。


AniPAFEとは、ニコニコ動画にて開かている大会で、アカウントを持っているユーザーならば誰でも参加する事が出来る大会だ。参加方法も動画のタグにAniPAFE○○○○(その年の西暦を入力)をつけてロックするだけという非常に簡単に参加する事が出来る大会である。

この大会で見事に一位を獲得した作品がこれだ。


この作品で特に目を惹き付けるのは切り抜きと場面転換、そして音にあわせて出てくる歌詞だろう。

まず目を引くのはとてつもない技術力の切り抜きだろう、何人ものキャラの切り抜きが静止画ではなく動画として切り抜かれており、その中でも後半の3分16秒以降が際立っている。12人ものキャラクターの動きを切り抜き、10秒程でそれらが流れていくというとんでもないシーンとなっていて、動画編集を経験したことがない方でもその技術力の高さに気付く事だろう。最近のドラマなどの人物紹介で使われている、動画から静画に切り替わり、ズームされ名前が出てくるといったような編集は一場面だけ、切り抜いてしまえば成立するのだが、この動画での切り抜きでは動いたままのキャラクターが切り抜かれ使用されている。作業量は想像したくない。しかもそういった切り抜きが随所に見られるこの作品を無料で見れる環境に感謝せざるを得ない。

次に場面転換だ。この作品では非常に多彩な転換方法が見られる。音に合わせて、歌が始まる場面で、キャラクターの動きに合わせてといったように様々な動作をきっかけに場面が目まぐるしく変わる。しかし、かわるがわる出てくる場面はどれも見やすく目に留まりやすい。同じような動きで変わる場面では見やすいように似た画面構成になっていて、その転換する方向や動きによって画面構成を少しづつ変えている事が見やすさとスマートさを印象付けている。

最後にテキストについてお話しよう。基本的に黒か白が用いられており、場面場面で出てくるキャラクターのイメージカラーになっていたりする。また、背景が黒の場合は白に、黒の場合は白に色を対比させる事で見やすさにも繋がっている。フォントに関しても一部のキャラクターで変更されており、その場面で映っているキャラクターの特徴で使い分けがなされているのがわかる。またテキスト自体がキャラクターの動きとも同調して動いていて、手や体全体の動きに対してトラッキングされている(と思われる)動きや叩きつけるような動きを見せ、緩急があり文字だけを追っていても非常に面白い作品だ。

動画の構成ではサビに至るまでの構成は同じで、日常を描いたカットからライブのカットへと繋がっていくもので、アニメを見ていない人でも流れがわかりやすくなっている。

様々な要素が非常に高いレベルでミックスされたこの作品、是非とも視聴して頂きたい。

とにかくこの動画はすごい…

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