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【#287】申し訳ない思い

 昨日まで、北見から車で4時間ほどの深川まで、教区のサマーキャンプに出かけていました。(その時のことは、土曜日にでも投稿しようと思っています)深川からの帰り、高齢のF神学生を紋別に送っていくために、片側一車線の旭川紋別自動車道を快調に走っていました。F神学生は後部座席で、ゆっくりと休まれています。76歳という年齢で、暑くなった北海道の地で、子どもたちを相手によく奉仕をしてくれました。お疲れになったのもよく分かります。

 LYRE(リラ)のCDが静かに流れる中、前方10mほどでしょうか、道路の上に何か小さく動くものが見えました。小さく跳ねるように動いて、道路の上にある何かを手にしていたのは、体調10cmほどの子どものリスのようでした。自動車専用道路で、後ろにも車が何台か連なっているので、ブレーキは踏めませんし、踏んでも間に合わないスピードです。車の前方右側にいる小リスを避けるように、左側に小さくハンドルを切りました。私の感覚では、「大丈夫だ」(小リスを避けられた)と思ったのですが、次の瞬間、車のタイヤから何かを踏みつける振動がつたわってきたのです。

 小リスを見つけてからほんの数秒の出来事でした。おそらく、私が小リスを避けるためにハンドルを切った左側に、まさに車に向かってその小リスが飛び込んできたのではないかと思われます。凍結を繰り返して、凸凹が多くなる北海道の道路。高速道路と違って無料の自動車専用道路は、それほど念入りに補修はされていません。後ろからの車の流れもあり、ましてや自動車専用道路なので、車を止めて確認することはできません。できれば、あの何とも表現できないタイヤの不気味な感触は、アスファルトの凸凹であって欲しいと願わずにはおれません。

▲ 旭川紋別自動車道(2024年8月14日)

 北海道に来てから、道路上での鹿との遭遇、また子ぎつねやタヌキが不意に現れたことは何度もありますが、動物を轢いたりしたことは一度もありません。小動物を轢いてしまったかもしれないというこの後味の悪さを、どのように表現したら良いのでしょうか。遠出をした時に車のフロントに多数の小さな虫がへばりついていますが、虫や昆虫の死骸を見ても何とも思わないのですが、小動物、しかも小リスとなると全く違います。申し訳ない思いが募ります。

 S先生が名寄におられる時、夜遅くに雨が降りしきる山道を車で走っていたら、タヌキの親子に遭遇し、子ダヌキを轢いてしまったことがあったそうです。最初は轢いたのかどうか分からなかったようですが、戻ってきて確かめたところ、やはり小さなタヌキだったようです。すると道路の向こう側から親ダヌキが何とも言えない目で、戻ってきたS先生と轢かれた子ダヌキを見つめていたようです。S先生は道路上の子ダヌキを道路の端の木のそばに持って行かれたそうです。そのことを私に話すS先生の顔が、本当に申し訳無さそうな表情だったことを今でも覚えています。そしてその時のS先生の気持ちがよく分かります。

今日も主の恵みと慈しみが、追いかけてくる1日でありますように。

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