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マジの話

これは俺がまだ中央分離帯に銀杏を添える仕事にやり甲斐を感じていた頃の話だ。

俺は当時、日本そばを食べる時に頭の中でチャゲアスのSAY YESが爆音で流れる病気に罹患していた。どんな名医に診てもらっても診断名は「日本そばを食べる時に頭の中でチャゲアスのSAY YESが爆音で流れる病気」だった。日本の医学はチャゲアスに追いついていなかった。余計なものなど無いよねじゃねえよ、お前らが余計なんだよとブチギレながら日本そばを食べていた。振り返るとそれも青春だった。

そんな青春真っ盛りの頃、俺は冬場でも構わずミニスカートを履く女の子全員と、wii sports resortのチャンバラをしていた。10試合すれば平均8,9回は勝っていた。女の子たちは負けるストレスからか、無言で鞘から日本刀を抜いて俺を斬りつける。俺は大量の血を流しながら薄ら笑っていた。そんな平穏な日々にたまに外来種のタヌキが紛れ込む。俺は国産のタヌキしか認めていないので、お風呂に沈めてゆっくり殺していた。それをたまたま通りかかった安藤美姫が俺に「酷い!外来種だって同じ命じゃないの!」と訴えてきたが、俺はどこ吹く風で死んだタヌキを山に埋めに行った。

それが俺の絶頂期だった。今は落ちぶれて週4でトライアスロンをしている。トライアスロンに使う自転車のタイヤには、お茶の水女子大学理学部の校舎から採取した空気をパンパンに詰めている。これが女子大学の持つ秘密のパワーなのだろうか。以前より明らかに走りが良い。性的な興奮より走りの良さで空気を選べ。それが親父の遺言だった。司法解剖の結果、親父の死因は篠崎愛のおっぱいだったことが分かった。枯れ木に花を咲かせましょう、夢枕うつつ一晩のコロッセオとはまさにこのことだ。

そんな輝かしい経歴はさておき、今俺は大変な悩みを抱えている。小室哲哉と楽曲で揉めているんだ。俺はジャマイカンレゲエを軸とした曲を作りたいのだが、哲哉がそれを許してくれない。

「だからレゲエの要素は入れたくないんだって模様くん!」

「レゲエの要素抜いたら曲作りまたはじめからやり直しじゃないですか!」

「だから僕は曲の冒頭15分に無音の時間を作った方がいいと思うんだよ!」

「ふざけてるんですか?それTRFとか安室ちゃんにも同じ提案できますか?」

「今安室ちゃん関係ねえだろ!!!」

この会話を最後に哲哉は俺と口をきいてくれなくなった。


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