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音楽CDのライナーノーツで育ちました。

音楽CDのライナーノーツ。僕はこれで育ちました。

現在では、サブスク音楽配信サービスで曲を聴き、ネットでアーティスト情報を入手できます。

しかし当時は、CDで聴くのが主流。まだインターネット上の情報量もそれほど多くなく、海外アーティストに近づくための貴重な情報源でした。

また、CDを買わないとライナーノーツを読むという優越感に浸れない。これが、更に購買意欲の火に油を注ぎました。

そうした意味で、渋谷陽一さんと増井修さんの主張は、とてもはっきりしていたので、かえって熟読。この無職期間中、ふと、プリンスとスタイル・カウンシルの解説を読み返しました。

1 渋谷陽一『ダイヤモンズ・アンド・パールズ』(プリンス&ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション、1991年)
映画の方がおおこけし借金を返済するために、コンスタントに楽曲を提供しているようにも読めます。それでも、「孤高の天才といったところに逃げず、あくまでポップ・ミュージックの最前線で闘うプリンスの決意が伝わってくる作品」という解説が秀逸。僕にとっては、通説とは異なり、プリンス一番の作品です。

2 増井修『スタイル・カウンシルに見るキャピタル・ポップ戦線をサバイヴする法』(HOME & ABROAD、1986年)
タイトルがおもしろかった。当時の音楽性を「オシャレと過激なロック性」の止揚と捉えた解説は、今読み直すと、それが早晩破綻するだろうと予期していたようにも読めます。大学で政治学科を選択する大きなきっかけになったアーティストで、イギリスのサッチャー首相を勉強することとなりました。

僕の人生まで振り返らせたライナーノーツ。
本当に感謝しております。

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