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人助けは社会を良くする

自分の中で一区切りがついたので、忘れない為に綴ります。

先月ですが、「マリオ死んだって本当?」とLINEが入り、そんなまさかと思ってFacebookを開きましたがアメリカでのチームメイトや関係者が彼の死についてポストしていました。

マリオについては過去、このnoteでも紹介したことはあったかと思いますが、僕や国内のパラスポーツ関係の人とはとても親交の深かった車いすバスケットボール選手です。
彼は10代の頃、ニュージャージーで銃で撃たれて車いすでの生活になったことをきっかけに車いすバスケットボールを始め、マイアミのチームで全米選手権優勝経験もあるプレーヤーでした。
全米選手権に優勝した時の姿はTHE REBOUNDというリアルドキュメンタリーで映画化されており、恐らく車いすバスケットボールのドキュメンタリーでは世界初?で多くの映画賞を受賞したり、デルタ航空のアメリカ便で視聴されたりと素晴らしい映画の主演アスリートでもあります。

日本でも、2018年に初めて日本で招待して学校授業を一緒に回ったり、映画の上映会をしたり複数回来日してくれて一緒に過ごし、アメリカに戻っても定期的に連絡取り合っていた仲良しなメンバーでした。

つい最近まで、SNSで元気そうな様子が投稿されていたので俄に信じがたい出来事でしたが亡くなったのは事実でした。
死因については、僕も知りません。自宅で亡くなっていたそうですが、詮索しないようにしています。

マリオと過ごしていた時のことは、昨日の事の様に思い出せるようなパワーに満ち溢れていた男で、誰にでも分け隔てなく優しい良い奴でした。

そんなマリオがいつも言っていた言葉は”Helping others to be better”(人助けは社会を良くする)

人はそれぞれ抱えている課題や、悩み、困難がありそれは人には言えずに自分で抱え込んでしまうことも人生であると思います。僕もしょっちゅうです。
そんな不安を抱えていると、新しいことにチャレンジするのが億劫になったり、自分のことで精一杯になってしまったり、利己的になってしまったりしてしまう事もあります。

マリオは、銃で撃たれ二度と歩くことができない体になりましたが、
一緒に過ごしていた時、マリオは車で僕に
「トキノリ、世間では障害者は助けられる存在って思われているだろ。でもそうじゃないんだ。車いすの俺にしかできない事ってのは沢山あるんだ。わかるだろ。だから俺は自分ができることで誰かの手助けをしたいんだ。そうしたら社会はもっと良くなるだろ。」
マリオは一緒に行った学校でも、子どもたちに車いすバスケットボールを教えることではなく、どう生きていくべきかを情熱的に伝えていました。

僕自身も彼と一緒に過ごしていると、明るい性格で前向きにしてくれて助けられました。

最近、オリパラを機にいろんな場所で障害理解する為にと勉強会や研修会もあらますが、「この人は、(貴方は)〇〇ができないから、こうやってあげましょう」ってのは違和感を感じていました。
僕らはそれぞれ違いがあって、苦手なことがあって、できない事もあるし、自分自身じゃどう解決もできない事だってあります。
でも、全て言語化やラベリングしてしまうと言われた人は善意であっても「僕、私にはできない。サポートされないとできない」と思ってしまうこともあるかも知れません。

マリオは、人助けの大切さを言語しなくてもナチュラルに人を幸せできるマインドや存在感で、沢山の人を前向きにできる最高の漢でした。

日本でマリオのお別れ会は本当に仲良かった人たちが来てくれて、THE REBOUNDを観て、マリオの写真を囲みながら思い出話をして過ごしました。
大事な人と一緒に過ごせてマリオも幸せだったかな。寂しがり屋なやつだったので笑顔で送り出せて良かったです。

マリオみたいに周りの人を幸せにできるようこれからも生きていこう。
じゃあまたな!マリオ!