右か左か

 シンプルなものは美しいし、分かりやすい。単純であった方が柔軟に考えられるし、そちらの方がなんだかいいもののような気がする。
 でも、世の中はそういうことになっていることは少ない。大体の制度やルールは複雑で、消費税は10%だけど、例外としての8%も存在するし、そもそも消費税がかからないものもある。全部10%なら話が早いのに。
 大体の問題といわれるものの解決策や妥協策と言われるものも同じだ。賛成か反対か二元論に落ち着くことはなく、大概総論では一致していて、各論で議論が紛糾する。
 なんでそんなにめんどくさいのかと思うけれど、問題を解決する、そのことと向き合うということは、そういうことなのかもしれないと思い始めている。シンプルに解ける問題を、うだうだと捻じ曲げる必要はないけれど、最適解として、多少複雑になったとしてもお互いに納得できる点を見つけることが適切なこともある。
 常に、白黒をつけないグレーと答えればよい、と明確に言い切れないのが、これまた難しいところだ。

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