いまどこで何をしているのだろう(時空の狭間に落ちた手袋たち)
この写真をご覧ください。
なにかお気づきですか?
手袋?
ほほう、なるほど。
もう少し良く見てください。
ヒントが必要ですか?
え、いらない?
流石ですね。
そうなんです、この手袋、全部片方しかありません。
片方だけ集めて写真を撮ったわけではなく、片方しかないのです。
私、よくモノをなくしてしまいます。
時間が経って忘れた頃に見つかることもあるのですが、この手袋たちは、片方がどこかへ行ってしまったもの。
ありがちなのは、手袋を外して、コートのポケットや、かばんの中にしまおうとして、実は落としているとか。
あるいは、飲食店などで外して、そのまま置き忘れるとか。
きっとそんな要因でしょう。
でも、覚えていないので、そうではないかもしれません。
ペアの手袋が、なにかのきっかけで喧嘩して、一方が去ってしまったとか。
こんなに何度も喧嘩が起こっているとしたら、きっと僕を好きすぎて、取り合った結果かもしれません。
あるいは、私の周囲で、時空の狭間が現れて、そこに吸い込まれてしまったのかもしれません。
時空のねじれは、スエットやトレーナーをよく前後が入れ違って着てしまうことから、存在を確認できていますので、きっと時空の狭間もときどき周囲に現れている気がします。
僕を好きすぎて取り合うというのは、自分がそんなモテるはずはないことを、自分で分かっていますので(せつないわ)、とりあえず時空の狭間出没が、手袋が消えた原因とさせていただきましょう。
さて、時空の狭間に消えてしまった、片方の手袋の行方も気になるのですが、
残ったこの手袋をどうするかも悩んでいるところ。
捨てるのはもったいない気がしますし、実際捨ててしまうと、その後にもう片方がどこかから(もちろん時空の狭間から)出てきそうなので、なかなか捨てられません。
昨年、これ別々の手袋を左右に着けても、オシャレに見えていいかもしれないと思い立って、実際この中から2つを選んで、外出しました。
ただ、バス停でバスを待つときに、
「いや、これどう考えてもオシャレには見えない」
と急に恥ずかしくなり、それ以来、ただ置いてあるだけなのです。
高価な手袋ではないので、まあ捨ててしまってもいいのですが、なかなか踏ん切りが付きません。
芸術家であれば、オブジェのパーツにでもするのでしょうが(するか?)、当面はこのまま置いておこうかと思っています。
(このふたつなら光の屈折で同じ手袋に見えるのではないだろうか)
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