クリスタルパレス19-20シーズンReview GK DF編

こんにちは。コロナウイルスにより特殊なレギュレーションとなったプレミアリーグが終了しました。現在は移籍市場など来シーズンに向けての動きが段々と活発になってきています。

しかし今回は、自分が感じた今シーズンのパレスの各選手の働きぶりを主観を交えながらにはなりますが評価していこうと思います。第3回を予定していますが、第1回目の今回はGK.DF編です。

 G K
ヘネシー 6点
 今季のリーグ戦の出場は3試合に留まるなどグアイタに完全にポジションを開け渡した。しかし出場試合は9節シティ、10節アーセナル、31節リバプールとどの試合も難しいながら4失点で大型連敗のきっかけとなったリバプール戦以外は試合を崩すことなくこなしてくれた。中でもガナーズ戦では引き分けに繋げ、今季のガナーズの不調のきっかけとなる試合の勝ち点に貢献したといっても過言ではない。今回もウェールズ代表に招集されるなど第二GKとしては申し分ない実績を備えているだけに、来季もグアイタとともに守備を支えて欲しい。

グアイタ 8点
 昨季途中から正ゴールキーパーのポジションを奪取し、今シーズンも安定したプレーを見せた。特に直接フリーキックのセーブ率は高く何度もチームの危機を救うなど、今季中堅クラブに所属した正GKの中ではトップクラスの選手だと思う。また、ポジションの取り方も絶妙で数多くの決定機を凌ぎボールを弾くさきも安全なところに逃げるなど、とにかく安定感の一言に尽きる。しかし足元の技術、特にショートパスに課題があり、レスター戦でのサコに出した直接失点に繋がるパスに代表されるようにビルドアップの面でも課題が見られた。シティが第2GKとして獲得を狙っているとの噂も一時上がり、ブラーボの退団が発表された際にとられてしまうのではとも思ったが残留をすれば守護神の座は盤石だ。


 D F
ウォード 7点
 移籍したワンビサカの穴を見事に務めたウォード。開幕前にはSBの補強がなかったことから最も不安なポジションとされていた右SBだが、昨季から出場試合を大きく伸ばし、ディフェンスラインに安定感を与えた。ただアシストや得点は0で攻撃面での貢献はなく、敵陣でのパスの選択肢やオフザボールの動きも少ないように感じる。とはいえ、バックアップがいないポジションでこれだけのパフォーマンスを見せてくれたことは大きく評価できる。リーグ戦ではワンビサカに次ぐ右SB2位のタックル成功率を誇るなど派手さはないが堅実でそつなくこなしていた。負傷離脱時に代わりを務めたケリーの出来を見ても今シーズンの最終ラインに欠かせない存在であったと実感させられた。

ファン・アーンホルト 6点
 2節のユナイテッド戦の終了間際の逆転ゴールや27節のニューカッスル戦での決勝ゴールとなるFK弾、再開初戦の30節ボーンマス戦でのアシストなど随所に攻撃参加が光ったファン・アーンホルト。しかしその反面守備対応の軽さは相変わらずでマークにつき切れず左サイドから崩されるシーンも多々あった。冬にはP S V復帰目前との報道もあったが残留し、今回は移籍の噂は見られない。ザハが移籍濃厚となり来季の攻撃の形は不透明だが左サイドでのオーバーラップには変わらず期待がかかる。とはいえ守備面での改善が見られない限り若手のミッチェルの台頭もある中、立場が危うくなってもおかしくはない。やはりDFということで守備面で評価を落とした結果となった。

トムキンス 6点
開幕以降怪我で出遅れ、9節のシティ戦でようやく自身の開幕を迎えたCB。今季初出場以降13節までの5試合すべて上位陣との対戦となったが大崩れせず競った展開となったのは彼のおかげではないか。また、年末の過密日程下で最終ラインに怪我人が続出する中18試合連続でスタメン出場し、多くの勝点をもたらしてくれた。ただ、クリーンシートが3試合のみと、ディフェンスラインの組み合わせがほぼ毎試合違うという難しい状況下とはいえスタッツでは結果は残せなかった。26節のエヴァートン戦でのハムストリングの負傷以降復帰していない状況だが、来シーズンは安定した状況下でのプレーに期待したい。

ダン 7点
 開幕当初はCBの4番手の立ち位置だったダン。怪我人が出ると出場し、復帰をするとベンチに戻りを繰り返すなど全盛期の輝きは見られないのかと思っていたが、彼の活躍はシーズン終盤に待っていた。26節のエヴァートン戦でトムキンスの負傷以降スタメンを勝ち取ると、中断を挟み4戦連続クリーンシートでの連勝を成し遂げるなどチームの残留に貢献するほか、一時はUEL権獲得の期待を抱かせる活躍をした。とはいえダンも33歳となるなどキャリアの終盤を迎えている。いつまでも彼には頼っていられないが、来シーズンも最高のバックアップを期待したい。

ママドゥ・サコ 3点
 完全移籍3シーズン目となった今季は大きく期待を裏切るシーズンとなってしまったサコ。強いフィジカルと貴重な左利きとして重宝されるCBとして昨季からの逆襲を期待されたが、今シーズンもまた怪我に悩まされた。さらに、負傷離脱から戻ってきた初戦である15節のボーンマス戦では19分に一発レッドで退場。また最終ラインでボールを保持しても落ち着かず、プレスを少しでもかけられると大慌て。33節のレスター戦では失点に直結してしまうなどパフォーマンスレベルも大きく落ち、調子が戻りきっていないことを露呈した。とはいえリールが獲得を狙っているとの報道が出るなどマッチフィットネスさえ戻れば十分に活躍できるとは思う。ただ、8月26日現在も負傷離脱中との情報があり復帰時期もわからないため来シーズンも安定したパフォーマンスが見込めるかどうかは不透明である。

ケーヒル 7点
 夏の移籍市場でチェルシーからフリーで獲得したベテランCB。獲得時には年齢や補強ポイントの兼ね合いから疑問の声が噴出したケーヒルだが今シーズンを振り返ってみるとCBの中ではトップの25試合に出場するなど攻守に欠かせない存在であった。ミリヴォイェビッチが不調の中、最終ラインから数多くの効果的なパスを出し、最終ラインからのビルドアップに大きく貢献した。また、数多くの舞台に出場したという経験に裏打ちされたカバーリング能力は今季のディフェンスの安定に大きく寄与した。とはいえ彼も34歳と高齢であり、キャリアの最終盤を迎えている以上今後数シーズン先に安定した活躍ができているかどうかは見込めない。ウッズなど試合に出場できていない若手に経験をしっかりと伝え、よりよい手本となって欲しい。

ケリー 3点
 今季出場したCBの中でも最年少であるケリーだがそのパフォーマンスは散々であった。ウォードの負傷離脱とともに右SBの代役として抜擢されたが、不慣れなポジションをやっている影響からか出場したどの試合でも精彩を欠き、特にパスでは効果的なパスを出した印象はほとんどない。足の遅さを補うカバーリング能力もプレミアリーグが誇る各チームの快速ウィンガーの前には歯が立たなかった。トップチームのCBの中でも最も若いとはいえ4月に30歳を迎えており、数年後にピッチで活躍している姿は正直想像できない。

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