クリスタルパレス 19-20 Season Review MF編

現在、プレシーズンマッチも全試合を消化し来週にも開幕を控えています。我がクリスタルパレスは4試合で3勝1分けとなかなかの出来でしたが、主力を起用した前半になかなか得点が奪えず、決定機を逸する場面も目立つなど昨季からの課題である攻撃面に不安を残す形となりました。今回はカウンターがベースのチームにおいて守備陣のバランスを形成しつつ、攻撃陣にいかにボールを繋ぐかという意味でチームの心臓とも言えるMF人の昨季の働きを振り返っていきます。

 M F
ミリヴォイェビッチ 6点
 4シーズン目を迎えた中盤の底でファイトするキャプテン。中盤5枚が引いて守るビッグ6との試合では真ん中で上手くスライドをし、常に数的優位の状況を作りボールを刈りとるという巧さは健在。しかし今季はビルドアップの面で精彩を欠き、最終ラインで出しどころを探すもグアイタやケーヒルに戻すパターンがかなりあった。また、ザハの調子が上がりきらないこともありチームのP K獲得数も激減したためキッカーである彼の得点数も減った。そういった面から乗り切れない部分もあったのではないかと思う。さらに、年末年始の過密日程な真っ只中で迎えたFA杯のダービーカウンティ戦での軽率なファールで退場処分プラス3試合の出場停止処分というのはキャプテンという立場や中盤の選手の中での序列、次節がアーセナル、マンチェスターシティとの連戦が続くなど様々なタイミングを考慮するといただけなかった。とはいえ中盤を組む相手によっては大きくパフォーマンスも向上しうるため来季は再び中盤に欠かせない存在になって欲しい。

マックス・マイヤー 5点
 正直この選手は評価がつけづらい。パレスの現在のミッドフィルダーの中では攻撃面では群を抜いて秀でていると思う。ドリブルで局面を打開できる能力に加えディフェンスの裏に出すパスはザハやアイェウとの相性も良いのではないかと思う。フィジカルに多少の難もあるが守備も苦手ではないと思う。しかし、長い時間試合に出ることができない現状が続いているが、大きな負傷離脱があるわけでもないため完全にサブの扱いとなっている。今シーズンのパレスは3点以上の得点を挙げた試合が1試合もなく、攻撃面に改善が必要なのは明らかだ。ホジソンはチームにフィットしていないと発言していたが、他の選手他は持っているモノが違う。親善試合などから我慢して使ってみるのも有効な手段であると思う。

クヤテ 6点
 高い身長と長い手足から守備面での貢献が多いクヤテ 。最終節ではCBも務めるなどユーティリティー性が高い選手でハードワークもいとわないが、今シーズンはプレーにムラがあるように感じた。対ビッグ6やブライトン戦とのM23ダービーなどテンションの高い試合ではその体躯を活かしたプレーを発揮するが、守備的な選手ゆえに敵陣でのポジショニングが悪かったりパスの精度を欠いたりと好不調の差が激しいように感じた。ディフェンスラインの怪我人が相次ぎ、開幕に間に合いそうもない現状からプレシーズンマッチではCBでも起用され、安定感のあるパフォーマンスを見せた。十分な身体能力を兼ね備えているだけにムラがなくなれば頼もしい選手になりうると思う。

マッカーサー 7点
 再開後の初戦のボーンマス戦でパレスでの200試合出場を果たしたマッカーサー。あまり目立たない選手だが調子の良い時は左サイドでザハとファン・アーンホルトと高いレベルでの連携を見せる。特に年末は積極的に仕掛け、シュートを放つなどチャンスも作ってはいたが年明け後から終了までは途中交代も数多く見られた。ディフェンシブな選手が多いパレスのミッドフィルダーの中では比較的攻撃面での貢献も見られている。派手さはないもののシンプルなパス供給などで試合全体のバランスを保ち、チームをコントロールする能力はさすがといったところ。プレシーズンマッチでは得点を決めるなど数字での結果も出ているので来シーズンは明確な数字での結果にも期待したい。

シュラップ 6点
 左サイドならどこでもこなせる快速のサイドハーフ。14節のバーンリー戦、15節のボーンマス戦で2試合連続ゴールを決め連勝に導くと、ファン・アーンホルト離脱時にはSBも務めるなど印象的な活躍の多かったシュラップ。しかし16節のワトフォード戦で負傷離脱をすると戻ってきてはトレーニングで負傷をするなどなかなか戦列に戻ってこず復帰は最終節のトッテナム戦にまでずれ込んだ。しかし、そこでもチームの連敗を止める値千金の同点ゴールを決めるなど数字以上に貢献度の高いシーズンだった。プレシーズンマッチではトップで起用され、ザハの得点をアシストするなど新たなポジションに挑戦をし結果を残している。こういった面から来シーズンはより一層の活躍に期待がかかる。

マッカーシー 5点
 夏にエヴァートンから加入したミッドフィルダー。危機察知能力が高くボールロスト時に適切なポジションに戻りピンチの芽を摘むことができる。また、コーナーキックでもミリヴォイェビッチとは質の違うバックスピンの緩いボールを入れることでファーから折り返しやすいという特徴もある。一方で守備対応が雑になることも多く特に2月以降は不用意なファールからセットプレーを与え失点というのが目立った。マッカーサーと交代でピッチに入ることが特に中断明けに多いが、シーズン序盤では後半に点を取るというイメージのあったチームに最初の交代枠としてなぜこの選手を入れるのかという疑問もあった。大怪我からの長期離脱後に移籍をし、特殊なシーズンを過ごすという立て続けに不慣れなことが起こったとはいえ本来の実力や周りからの評価に見合った活躍ができているとは言い難い。年末には比較的良いパフォーマンスを見せていたため、そのラインを維持していって欲しい。

リーデヴァルト 7点
 昨シーズンのリーグ戦の出場がない中で背水の陣で迎えた今季、中盤戦の左SBで活躍した。ファン・アーンホルト、シュラップと立て続けに離脱をする中でチャンスが巡り、確実にサポーターにインパクトを残した。特に1月の活躍は素晴らしく22節でのアーセナル戦で見せたボール奪取からルーレットで相手を剥がす動きなどはさすがアヤックスユースを思わせる活躍だった。そんなこともありクラブの月間MVPにも輝くなどブレイクを迎えたかに見えたが、コロナの中断後は出場機会に恵まれずそのままシーズンを終える形となった。とはいえ持っているスケールの大きさはクラブ内でも指折りであるため来シーズンにでもブレイクしてもおかしくはないだろう。


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