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20-21 Season 第3節 vs Everton

試合前状況整理

 オールドトラッフォードで2年連続の金星をあげてから一週間が経過した。クラブ史上初のトップリーグで開幕2連勝を挙げるなど好スタートを切ったパレスは、こちらもハメスをはじめとした3人の中盤の選手を加え2連勝と好スタートを切ったエバートンをホームに迎えた一戦となった。

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 こちらが今節のフォーメーション。5日前にU-23の試合で45分間プレーをし、怪我から復帰をしたベンテケがベンチ入りをした。その一方で新たな怪我人として前節に先制点のアシストをしたシュラップがハムストリングの損傷で離脱をし、7人の怪我人を抱える台所事情となった。その影響から左SHでエゼがスタメンデビューを果たした。

戦評

 今シーズン初の黒星となってしまったこの試合、2-1という結果だが内容からしても決して相手に劣っていたわけではなく、終盤は押し込んでいたことを考えると勝ち点を取れていてもおかしくはなかった。それだけに、VARの介入によるハンドのシーンがどうにも惜しかった。ちなみに、ここでは問題のハンドのシーンは敢えて触れずに別の記事にまとめようと思う。

 まずは良い点から挙げていく。前節同様に開始直後のボールが落ち着かない時間帯にハッキリと前線からプレスをかけていった。そういった中でエゼのパスカットやプレスなど前線で引っ掛けるといったシーンが目立った。また、今シーズンの継続できている点で守備組織の連携の高さという点も素晴らしいものがあった。相手選手にハメスやリシャーリソンといった素晴らしい攻撃陣がいる中で相手を追いやる方向を明確にし奪い取るという点ではここ3試合、一貫してできていることで、次節も期待ができる。

 ただ、改善すべき点もある。4-4-2の形で自陣で守備をセットしたときにアランやドゥクレ、アンドレゴメスに中盤の前でサイドチェンジをされた時と、CBのマイケルキーンがドリブルでペナルティエリアの手前まで持ち上がった時に失点の匂いがした。今節はマッカーサーの状態が万全でなく、判断が遅れるシーンや集中が切れるシーンなどが散見されたという影響もあったかもしれない。失点シーンも中に入ったハメスに対してマッカーサーがマークに付ききれずに決定的な縦パスを入れられてしまった。このように、マッカ2人のうちどちらが前に出て処理をするかが決めきれていないように感じた。中盤のバランスをうまく取る2人だからこそ互いの連携がチームの調子に直結してしまう。

 また、エゼの守備は高い位置では良かったが自陣での守備は誉められたものではなかった。元々攻撃的なMFで、QPRでも高い位置でプレーをしていたからまだフィットしていないという意味では起こり得るものだったかもしれないが、サイドに振られた時の寄せが甘い。比較をするようで申し訳ないがSB出身のシュラップは的確にコースを切りながら寄せることができていた。しかし、エゼは失点のシーンでも曖昧な動きでドゥクレに寄せていた。クロスを警戒していたにしても距離感が適切でなく、サイドチェンジをされたからといっても余裕がなかったわけではないだけに手痛いミスとなってしまった。また、エゼは攻撃面でも完全にフィットしたとは言い難い。カウンターでもパスの出しどころを探しているうちに停滞を招いてしまうなどザハやアイェウの動きをまだ完全には感じきれていない。しかし、これは時間の問題で今の段階でここを完璧に求めるのは酷だ。期待のホープだけに時間をかけて成長していってもらいたい。

 最後に交代カードについての疑問だ。攻撃にあと一歩バリエーションが欲しいタイミングでなぜベンテケを投入したのかが腑に落ちない。75分に投入したバチュアイに求めるのは得点の他に前線の起点となりタウンゼントとザハ、アイェウを活かすことだろう。当然バチュアイもポストプレーはできる。にも関わらず同じタイプのベンテケの投入は判断を誤ったのではないか。パワープレーに張り切った戦術を取りきれていないのならばマイヤーのような技巧派を入れ攻撃に幅を持たせてもよかったのではないか。負けた後にこれを言うのはタラレバに過ぎないためこの辺にしておくが、ホジソンは負けてる時の交代カードの切り方を間違えることが多々あるため、不安材料の一つでもある。

次節に向けて

 第4節はアウェイでのチェルシー戦だ。プリシッチ、ジエフが欠場するとはいえマウント、ヴェルナー、ハヴァーツなど攻撃陣は分厚い。とはいえ付け入る隙がないわけではない。新加入のGKメンディは負傷中で、ケパかカバジェロのスタメンが予想される。どちらも正GKと呼べるほどコンディションは良くないため、どれだけカウンターで1対1に持ち込むことができるかが勝負を分けるだろう。

個人的MOM

 今節はマッカーシーをMOMに挙げたい。今季は3試合ともに安定した守備を見せている。それに加えてファールの際の審判への姿勢や味方を守る抗議などゲームキャプテンを任せてもいいレベルでチームを引っ張っていっていると感じた。ダブルボランチというシステム上ではなくてはならない存在になっており、次節も適切な守備とキャプテンシーに注目してみていきたい。

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