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無重力空間でも睡眠時無呼吸になるの?

こんにちは。こちらの快眠コラム、固めのテーマがわりと多いので、今回はちょっとライトな睡眠にまつわる「素朴な疑問」についてのお話です!

睡眠時無呼吸と重力の関係

突然ですが、みなさんは無重力空間で眠ったことってありますか!?

無重力状態でふわふわと浮かんでいる宇宙飛行士の映像を見たことはあると思いますが、実際に無重力生活を体験した方はきっと少ないですよね。

最近では、有名な日本人実業家が宇宙旅行をして話題になりましたが、一体どんな寝心地なんでしょうか。

そして、そんな無重力空間でも睡眠時無呼吸になるの?というのが今回のテーマです!

そもそも睡眠時無呼吸症候群は、寝ている時に口内やのど周辺の筋肉が弛み、「重力」によって上気道が塞がれることで起こります。

そう!睡眠時無呼吸症候群には「重力」が大きく関係しているんです。

ということは、もしかすると「重力」の無い宇宙空間のような場所では、無呼吸の状態にならないのでは??という疑問がふつふつと湧いてきたのですが、実際はどうなのでしょうか。

無重力空間で眠るとどうなる?

前述の実業家の方のように時間やお金があれば、自分で試してみることもできそうですが、全然無理でしたので、ちょっと調べてみました。

NASA(アメリカ航空宇宙局)で医療担当をしているJ.D. Polk博士は、

「地球上での就寝時は、重力によって舌や口の奥の軟らかい部分が口の奥に引っ張られます。しかし、宇宙空間のような重力がほとんど無い場所では、それが起こらないため、気道の閉塞を少なくします。」

と述べています。気道が塞がれにくいということは、無呼吸状態だけではなくいびきの発生も少なそうですね。

実際に、元宇宙飛行士の毛利衛さんは「地球ではいびきをかいていた人が、宇宙ではまったくいびきをかいていなかった」と言っています。

また、ある研究では、スペースシャトルに搭乗中の5人の宇宙飛行士をモニターしたそうです。

地球上での睡眠時には、全体の約17%の時間いびきをかいていたそうですが、宇宙ではそれが1%未満になっていたそうです。

宇宙では、隣の人のいびきがうるさくて眠れない!ということもほとんどなさそうですね。

また、睡眠時無呼吸症候群の重症度の指標になるAHIの値が55%も低下することがわかったそうです。AHIとは、睡眠時の無呼吸と低呼吸の合計回数のことです。

なるほど!つまり、無呼吸&低呼吸の回数が約半分になるということですね。いびきほどではないですが、思ったよりも睡眠時無呼吸は、重力の影響が大きいという印象です。

AHIについてはこちらに分かりやすくまとめています。

さいごに

現在のところ、無重力空間での睡眠時無呼吸に関する研究まだそれほど多くはないようなので、はっきりと断定はできませんが、上記の研究結果などを踏まえると、少なからず因果関係はありそうな感じですね。

ということで今回の結論です。

無重力空間では睡眠時無呼吸にけっこうなりにくい!

もしかすると、近い将来?遠い将来?には、上気道を無重力状態にする新しい装置や、就寝用の無重力の部屋、就寝中専用の宇宙ツアーなどの新しい治療やサービスが登場するかもしれませんね!期待したいです。

といっても、実現するとしてもまだだいぶ先になりそうな予感。現時点では、CPAPの使用がベストな選択の一つだと思います!

ちなみに、こちらのレスメド(ResMed)社製のAirMiniは、スマホサイズで超コンパクト。お出かけ用のサブ機としてはもちろん、メイン機としても使用できる高性能なCPAP装置です。

こちらのコラムもご参考に。

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【参考資料】

Medical Daily:Astronauts Don’t Snore In Space, Plus 4 Other Little-Known Facts About Snoring(英語)

New Scientist:In space, no one can hear you snore(英語)

Scientific American:Astronauts Sleep Better in Space, a New Study Shows(英語)