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【Chicago Booth】2Y Winter Quarterの振り返り

まだFinal Examは残っていますが、昨日で2Y Winter Quarterのクラスが全て終了しました。本当に学びが多く、面白いコースばかりで、あっという間にWinter Quarterが終わってしまったという印象です。

忘れないうちに、簡単に履修していたコースを振り返ってみようと思います。

The Study of Behavioral Economics

行動経済学に関する幅広い論点を、学術論文をベースに学習するコース。Chicago BoothにはBehavioral Scienceに関連するコースが多数用意されていますが、このThe Study of Behavioral Economicsではアカデミックな学びを重視しているのが特徴です。その特徴通り、毎週1本の学術論文がリーディング課題としてアサインされることに加え、授業内でも様々な研究結果が紹介されました。

アカデミックな側面を重視している一方で、教授はAmazonのアドバイザーも務める等、行動経済学のビジネスへの適用にも非常に明るく、要所要所でビジネスシーンにおける活用例を紹介してくれたのも印象的でした。

特に自分が印象的だったのは、「ビジネスにおける活用例と、倫理的な問題点」についての議論です。行動経済学のコンセプトは非常にパワフルな為、ともすれば会社がそのコンセプトを悪用し、顧客をコントロールするようなことも可能かもしれません。どこまでが行動経済学の健全な活用方法なのか、もちろん明確な答えはありませんが、「倫理的な側面についても常に頭に入れて置かなければいけない」という重要な学びを得ることが出来ました。

Operations Management

オペレーションに関する幅広い論点を学ぶコース。学生から非常に人気で、過去履修した生徒の評価も高いOzan教授のオペレーションとあって、高いBidをつぎ込みましたが、それをカバーして有り余る学びの多さと面白さでした。

オペレーションマネジメントで重要な4つの要素である、Cycle Time、Throughput、Capacity、Inventoryを軸として、レクチャーとケースをバランスよく織り交ぜながら講義が進みました。また、特に印象的だったのが、授業の後半に、これまでのクラスの総まとめとして、工場のオペレーションを模したシミュレーションゲームに1週間かけてグループで取り組んだことです。このシミュレーションが本当によくできていて、自分も含めてクラス全体が結構のめり込んで本気で考えるうちに、今まで学んできたことが少しづつ繋がってきて…という具合に、楽しみながら学びが定着するような仕掛けが施されていました。

また、オペレーションというと、工場でベルトコンベアが動いていて…みたいな場面を想像していたのですが、実際は全く逆で、オペレーションマネジメントの考え方は想像以上に幅広く適用可能だということがこの授業の一番の学びだったのかもしれません。

New Venture Strategy

アーリーステージのベンチャービジネス戦略について学ぶコース。ファイナンシングについてはスコープ外で、どうやってアイディアをビジネスモデルに進化させるか、という流れを戦略的な観点で学びました。個人的には、今学期のベスト、もしかするとBooth2年間のハイライト的なコースなのかも、というくらい、大好きな授業でした。

教授はお年を召した経験豊富な起業家+経営アドバイザーという経歴なのですが、非常にパワフル、ポジティブ、カリスマティックという感じで、毎回の授業が楽しみで仕方ありませんでした。

教授が長年の経験で磨き込んだ「どうやってアーリーステージのベンチャービジネスを評価するか」という問いに対するフレームワークは、極めてシンプル、かつ本質的でパワフルで、これを学べただけでも結構お腹一杯なのですが、この授業ではそれだけにとどまらず、本当にたくさんのことを考え、学ぶことが出来ました。

加えて、毎週のゲストスピーカーセッションも非常に印象的でした。Craigslist(アメリカ最大のコミュニティ・求人サイト)創業者のCraig Newmark氏、セコイアキャピタルのパートナーを始めとし、そのほか多数の起業家、VC関係者がクラスに顔を出してくれ、直接私たちの質問に答えてくれました。

正直言って、このターム内に学びのすべてを消化することは全く出来ていません。少しづつ、一生かけて自分のものにしていけたら、と考えています。

Corporation Finance

所謂一般的なCorporate Financeのコース。NVPやDiscount rateの基本的な考え方から始まり、WACC、APV、リアルオプションを学んだあと、MM理論をベースとした資金調達、利益配当、M&Aといった論点を幅広く学習しました。

Pre-record lectureで基本的な背景知識をしっかり押さえ、Zoomクラスではケースを元にディスカッション、という流れを繰り返すことで、理論と実践をバランスよく学ぶことが出来たと思います。

また、このクラスは偶々人数が20名弱とこじんまりしており、ケースディスカッションもコールドコールが頻発する等かなりインタラクティブな雰囲気だったので、(今更ですが)クラスで自分の意見をしっかり発言する・コールドコールに対応する等のいい訓練になりました。

まとめ

毎学期終わるたびに、「今学期は学びが多く、楽しくて、あっという間だったなぁ」と感じています。この感じだと、Booth最後の学期である、2Y Spring Quarterもあっという間に過ぎてしまいそうです。

一日一日を大切に、残り少ない留学生活を楽しんでいこうと思います。

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