Chicago Boothにおける"Concentrations"の意義

Chicago Boothには、Concentrationsという制度があります。

日本語にすると「専攻」のようなもので、上記リンクによると

While not required, most Full-Time and Part-Time students earn three to four concentrations

だそうです。私も現在既にStrategic ManagementとBehavioral Scienceの2つのConcentrationsの要件を満たしています。

一方で、受験生の方からよく「Concentrationsって結局なんですか」「Concentrationsを取るとどんな良いことがあるんですか」と聞かれます。そこで、私なりにConcentrationsの意義を、自分自身の経験も踏まえて記事にしてみようと思います。

MBA受験を検討されている方に少しでも参考になれば幸いです。

Concentrationsの意義

自分にとってConcentrationsは、「フレキシブルなカリキュラムの中における、一定の学びの指針」という風に位置付けています。

Boothは非常にフレキシブルなカリキュラムで知られており、必修はLEADというリーダーシップのクラス一つしかありません。そのほかのクラスについては、各人のニーズに合わせ、学生一人一人が自分で履修を組み立てていくことになります。

一方で、その自由な校風を反映してか、Boothの学生は何かしらのアカデミックな興味・関心を持って入学してきているパターンが非常に多いというのが私の感覚です。

ある人はファイナンスに、ある人はマーケティングに、またある人は起業に、というように、各人の興味・関心には幅がありますが、それらをある程度効果的・効率的に満たしてくれる一定の指針となるのが、Boothが用意してくれているConcentrationsだと捉えています。

自分自身の体験談 (Strategic Management)

ここで、Concentrationsを目指す場合と目指さない場合で、どれくらい履修に色がついてくるのかについて、自分自身の体験談を少しお話ししたいと思います。

私は、入学前からストラテジーの分野に非常に興味があり、在学中に戦略について色々と学びを深めてみたいという思いがありました。そのような私の希望に、Strategic ManagementというConcentrationsはぴったりでしたので、是非こちらも取得をしたいということで、1年生の時から計画的に履修を進めていました。

例えば、全く戦略に興味がない生徒の場合、Strategyの科目については1教科履修すれば卒業要件を満たすことになります。代表的なクラスは、ポーターの競争戦略について学ぶCompetitive Strategyといったところでしょうか。

一方で、私のようにStrategic ManagementのConcentrationsを取得する場合、一定の戦略系のクラスのプール (数えてみたら40クラス程度ありました)の中から、4つ以上を履修する必要があります。(因みに、ここら辺の取得要件は、Concentrationsによって幅があります。)

現在、私が履修を完了しているクラスは、以下の通りです。

・Competitive Strategy
・Technology Strategy (テクノロジー企業の戦略について学ぶ)
・New Venture Strategy (アーリーステージの企業戦略について学ぶ)
・Consulting Lab (Kearneyと共同で実際の企業にコンサルティングプロジェクトを行う実地型授業)
・Corporate Governance (ガバナンスと、CXOとしてのリーダーシップについて学ぶ)

加えて、Spring Quarterには以下のクラスの履修を希望しています。

・Platform Competition (プラットフォームビジネスの戦略について学ぶ)
・Strategy and Structure (内部環境と競争戦略の関係について学ぶ)

自分の興味の赴くまま履修を進めていたら、7つもストラテジーに関連するクラスを履修することになりそうです。

Concentrationsの効用

Boothに於いてConcentrationsの取得は、誰かに強制されるものではなく、また卒業にあたり必須のものではありません。あくまで学生個人の興味・関心に合わせ取得を進めるものですし、先ほど一例を挙げたように、Concentrationsのプール内でどのクラスを履修するかも自由です。

そんな中で、Concentrationsを取得することに依る効用は、以下二点あると感じています。

一つ目は、得られる知識の深さです。Concentrations取得にあたり、必然的に初級クラスだけではなく、中級・上級クラスを履修することになります (私の場合は、Technolocy StrategyやConsulting Lab)。興味のある分野についてより掘り下げて学習することが可能です。

二つ目は、知識同士のリンクです。一つの分野 (私の場合はストラテジー)について、様々な角度から集中的に学びを深めることで、知識同士の重なりや繋がりがより明確になりました。結果、より幅広い視点から物事を解釈することが可能になったと感じています。

まとめ

Concentrationsについて自分なりに振り返ってみると、自由な校風、カリキュラムの中で、自分の興味関心に沿った学びを追求しているBoothらしさがよく出ているなぁと改めて感じました。

この記事が、少しでも皆様のイメージづくりに役立てば幸いです。

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