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Chicago Boothにおけるケーススタディ:個人的な体験から

2年目の冬学期も約半分が経過し、いよいよ私の2年間の留学生活も終わりが近づいてきました。そんなタイミングでふと「今までどれくらいケースってこなしたんだっけ」という疑問が湧いたので、過去履修した授業のデータを引っ張り出してきて集計してみました。私一人のデータであり、Booth全体の傾向を示すものではないですが、MBA留学におけるイメージづくりになれば幸いです。

今までどれくらいケースをこなしてきたのか

まず、過去履修した授業のデータから、今まで授業内で利用したケースの数を集計してみました(今学期履修している授業については、シラバスから利用予定のケースを集計)。

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このように、今学期(2021 Winter)までで90ケース。来学期の履修はまだ決定していませんが、おそらく100ケース前後で2年間のBooth生活を終えることになりそうです。

今まで履修した授業で一番ケースヘビーだったのが、毎週2ケース+αをこなしていたCorporate Governance。逆にStatisticsやMicro Economicsなどは、一切ケースを利用せず、レクチャー形式の講義スタイルが実施されています。

毎週どれくらいケースをこなしてきたのか

また、学期ごとに毎週平均してどれくらいのケースをこなしていたか、の集計が以下になります。単純に各学期でこなしたケース数を、学期の週数で割ったものです(ただし、1週間は中間試験のためケースがないことから、週数-1を分母にしています)。

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平均して、週2-3本程度のケースをこなしていたことが分かりました。

Boothにおけるケーススタディ

ここまで読んでいただいてお分かりの通り、Boothは決してケースヘビーな学校ではありません。一方で、例えばケースディスカッションを重視しているIESEでは、毎日3本のケースディスカッションをこなし、卒業までに約700本のケースを学習すると友人から聞いたことがあります。

勿論どちらが良い悪いではなく、各学校の教え方のスタイルの違いだと理解しています。では、Boothではケースをヘビーにこなさない一方で、どんなことを通じて学習理解を深めているのでしょうか。私が今まで様々な授業をBoothで受けてきて、感じたことが2点あります。

1点目は、ケースディスカッションを行う前提として、ケースディスカッションと同程度、またはそれ以上の時間をかけ、学術的知識、研究結果、理論的背景を丁寧に説明してくれることです。Boothでは、常に「理論→実践(ケースディスカッション)」という流れが徹底されています。これは「理論的背景や根本的な理解が深まっていれば、現実世界で直面する多様な状況(ケースディスカッションによる追体験含む)にも対応できる」という「The Chicago Approach」という信念からくるものだと理解しています。

2点目は、ケースディスカッションとセットで、ほぼ必ずケースライティングが課題として課されることです。多くはスタディグループ単位での課題となりますが、アサインされたケースを分析し、与えられた問いに対してグループなりの回答をレポートにまとめて事前に提出します。先ほど週2-3本のケース負担だとお伝えしましたが、ケースを読んだり自分なりにまとめたりするディスカッション準備に加えて、同時に週2-3本のレポート課題が走っているようなイメージです。授業中にディスカッションするだけではなく、レポート課題を通じてケースをしっかり分析し、論点や自分のスタンスを言語化することで、学習内容の理解が一段と深まっていると感じます。

このように、「どれくらいケースをこなすのか」だけではなく、「どうケースを利用するのか」という観点からも、学校それぞれの特色があるものと推察いたします。

この記事が、Boothでの学習スタイルを知る一助となれば幸いです。より詳しい話をお聞きになりたい方は、こちらにコメントを残していただくか、お気軽に私のTwitter、または質問箱までご連絡ください。


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