【2023年1月】米国株の下落余地は〇%!?米国株は割高か?
【米国株は割高か!?】
S&P500は1年前より16%下がっています
問題は下落が16%で済むのかというところ
市場ではS&P500のさらなる暴落を予想するグループと調整が終わったとするグループに分かれています
インフレ鎮静化して、金利見通しも落ち着いてきているのでなんとなく平穏な感覚になっていますが過去最速・最大の利上げが行われている今、下落が16%で済むのだろうか
ちなみに理論株価を出す際に使用されるDCF方式で使用する割引率は下記の通り
国債利回りはこの1年で2%から4%へ上昇しており、割引率は8%から10%程度へ上昇していると考えられます
GDP成長率を3%程度とすると、「割引率-成長率」は5%から7%になったことに
これは、理論的には株価が約30%(1-(5%÷7%))程度下がることを意味します
※数式の説明は割愛しますが、金融の世界では一般的なものと考えていただいてよいです
S&P500は一時は30%近くまで下落しましたが、その後戻してきて現在は高値から16%程度の下落となっている状況です
ここから考えると、株価は金利上昇の影響の一部は織り込んだけど、それ以外の要素は織り込んでいないともいえます
つまり、景気悪化の影響も株価は織り込み済みというのは楽観的すぎるようにみえます
割高感があまりない指標
米国株の2023年での暴落が叫ばれていますが、一方でCAPEレシオを冷静に見ると現時点での割高感はあまりみられない状況です
グラフの青線が上にいくと割高ですが、今は過去平均水準
過去レンジの真ん中にいる状態なので、景気が悪くなってここから下がることも十分考えられますが、2000年前後のITバブルの時のような無茶苦茶な過大評価ではないのは間違いありません
私は更に下落が怖く感じている方ですが、米国市場の利益と株価の比較をみても利益に見合った株価になっているようにもみえます
さらに、S&P500全企業の売上高に対する時価総額比率をみても割高感はあまりみられません
PERから割高にみえなくても利益率が異常によくなっている可能性があるのですが、この売上高倍率をみるとそんなことも起きていない様子
指標をみている限りでは、明らかな割高感はないですが、今後の景気悪化があればここから下にいくことも十分考えられるという状況です
PBRで見ると割高感も
別の指標でみると割高感が見えてくる米国株
PBRの観点でみると割安圏にはいないことは明らかです
他市場とPBR比較をすると米国だけ明らかに高い水準にあるようにみえてきます
ただし、米国企業の収益性向上が起きているのげPBR上昇の原因とも考えられます。その証拠にこれまでみてきた売上高倍率・利益比較などのその他の指標では割高感は見られていません
バフェット指数はかなりの高水準
米国市場の割高感を把握するためにあのバフェットが使用しているといわれるバフェット指標が過去最高水域にあります
米国GDPに対して時価総額が大きい状態
米国企業の利益のうち海外で稼ぐ割合が大きくなると米国GDPとの比較は適切ではなくなってくるため、この指標はあくまで参考で良いと思います
ただ、過去水準と比較するとかなり高い数値が出てきているということは覚えておいて良いと思います
まとめ
各指標をみると明らかな割高感は見受けられない
金利上昇の影響を考慮すると下落余地はまだある
アップサイドよりダウンサイドが大きい環境にある
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?