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キャバクラ・バー・風俗営業の警察立ち入り時の注意点と違反行政処分と摘発時の対応解説2024



報告義務と資料提出義務を知っておきましょう

まずもっとも重要なことから解説します。

公安委員会(警察)は風俗営業所や深夜飲食店に対し、報告又は資料の提出を求めることができるほか、営業所に立ち入ることができます。

以下は風営法の関係条文ですが、黒字の部分のみ重要です。
面倒な場合は飛ばしてください。


(報告及び立入り)
第三十七条 公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、風俗営業者、性風俗関連特殊営業を営む者、特定遊興飲食店営業者、第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者、深夜において飲食店営業(酒類提供飲食店営業を除く。)を営む者又は接客業務受託営業を営む者に対し、その業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 警察職員は、この法律の施行に必要な限度において、次に掲げる場所に立ち入ることができる。ただし、第一号、第二号又は第四号から第七号までに掲げる営業所に設けられている個室その他これに類する施設で客が在室するものについては、この限りでない。
一 風俗営業の営業所
二 店舗型性風俗特殊営業の営業所
三 第二条第七項第一号の営業の事務所、受付所又は待機所
四 店舗型電話異性紹介営業の営業所
五 特定遊興飲食店営業の営業所
六 第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業の営業所
七 前各号に掲げるもののほか、設備を設けて客に飲食をさせる営業の営業所(深夜において営業しているものに限る。)
3 前項の規定により警察職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。


まだ風俗営業の許可を持っていない店舗であっても、飲食店である以上、警察職員ば風営法にもとづき裁判所の令状なしに店内に立ち入ることができます。

警察職員から報告資料の提出を求められたら、速やかに応じてください。

もし文書で報告や資料の提出を求める通知をされたときは、内容をよく読んで、期限内に求めわられた通りのことをしてください。

意味がわからないときは管轄の警察署(所轄署)に相談しましょう。
ほったらしは絶対ダメです。あとで違反処分を受けます。


立入りを邪魔すると恐ろしいことになる

警察職員が風営法にもとづいて営業所に立ち入ることがあります。
許可や届け出の有無にかかわらず、立ち入りはありえます。
風俗営業許可を持っている営業所では立ち入りの頻度が多めで、秋から年末にかけては特に多いです。

警察職員が店に現れ、身分証票というものを見せた時は、風営法にもとづく立ち入りだと思ってください。
警察手帳とは別の意味のもので、地味なカードみたいなものです。

警察職員の立ち入りを妨害したり避けたりすることは犯罪であり、悪くするとその場で逮捕される恐れがあります。

営業していないフリをして入り口に鍵をかけるなどして立ち入りを回避することもこの違反です。

なお、警察官ではなく少年指導委員という人が立ち入る場合もあります。
立入を邪魔したら恐ろしいことになる。
これらのことをスタッフにも理解させておきましょう。

立ち入りの際に違反が発覚したとき

立ち入りによって法令違反が発覚したとき、警察の対応としては次の可能性があります。

行政指導

違反の予防や違反部分の改善のために指導することがあります。言われたことを忘れないようメモして、指導通りに対応してください。

わからないことがあったときに問い合わせできるよう、担当者の所属先を聞いておきましょう。多くの場合は管轄する警察署の生活安全課です。

指示

風営法にもとづく行政処分の一種です。後日、警察署に出頭を求められて違反事実の確認を受け、弁明通知書を交付されます。

基本的に代表者が出頭しますが、代理人で対応できる場合もあるので、誰が出向くかについては警察の担当職員に聞いてください。

呼び出し

違反しているかどうかが不明確な状態で関係者が警察に呼び出されることもあります。
そのあとどうなるかはいろいろです。警察が何を気にしているかをあらかじめ理解しておきましょう。

捜索・逮捕

刑事訴訟法にもとづく犯罪捜査です。重大な違反事実が発見されたときに、立ち入りに続いて、又は突発的に開始されます。
後日、改めて呼び出しを受けてから行われることもあります。
営業者にとってもっとも深刻な事態です。

刑事処分と行政処分

風俗営業に関連して、風営法その他の法令に違反した事実が発覚した際のペナルティにはおおむね2種類あります。

一つは刑罰を課すための「刑事処分」であり、もう一つは「行政処分」です。

刑事処分

風営法の遵守事項の中には罰則が定められているものが多くあります。
罰則規定のある法令に違反した時には、司法警察職員(一般的には警察)による犯罪捜査、そして書類送検後の検察官による起訴から刑事裁判、という刑事訴訟法の流れに従って処理され、最終的には懲役や罰金、科料などの刑罰が科される可能性があります。殺人や窃盗などに対する処分と同様、司法が下す処分です。

なお、罰則規定に違反して刑事処分を受けたからといって、行政処分が課されないわけではありません。
むしろ、重大な法令違反に対しては刑事処分と行政処分の両方が科されます。

行政処分

風俗営業者に許可を出し、適正に営業がなされるよう指導監督することが都道府県公安委員会の役割ですが、もし風俗営業者が法令に違反した場合には、「営業許可取消し」「営業停止」「指示」といった3種類の処分を行うことができます。

行政庁によるこれら一連の行為を「行政処分」と言いますが、営業許可をだすことも行政処分です。

行政処分の詳細は法令違反の内容と、その違反状況によって異なり、各都道府県公安委員会は警察庁が定めたモデル処分基準を目安にして処分を行ないます。

違反処分を避けるために特に注意してほしい法令違反

従業者名簿の不備

違反件数としてもっとも多いのは<従業者名簿の不備>による違反です。従業者名簿には以下の事項を記載します。

  • 氏名

  • 生年月日

  • 性別

  • 従事する業務

  • 採用年月日

  • 退職年月日

  • 確認書類確認年月日

名簿不備になるのは次のようなケースが多いです。

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